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東芝が、旧経営陣へ賠償請求をしていた事件で、
昨年11月に提訴した際には、元社長の西田氏、佐々木氏を含む
5人に対して、計3億円の賠償請求でしたが、
本日(27日)、この請求金額を32億円に増額したそうです。

3億円はさすがに少なすぎるだろう、という批判が
当初からありましたが、
金融庁からの課徴金が約73億円(納付済)であったことを
踏まえて、その3分の1強の29億円が増額されました。

過去の例としては、旧日興コーディアルグループが
不正会計に絡んで元役員を提訴した事件があり、
33億円の請求に対して、3人の連帯責任で3億円の和解で決着、
という例があるので、回収可能性を考慮すると、
32億円の請求は印紙代が無駄になる、という問題はありますが、
普通、最初の提訴額は回収可能性とか気にせず、
法的に主張できる損害額を積み上げて、被告の負担分を計算すべきであり、
3億円スタートでは、和解金額が不当に低くなる恐れもあったところ、
やっと適正な金額になってきたな、という状況です。

実際には、この金額でもまだ低い、と感じる株主が多いでしょうから、
株主の参加で追加請求されると思いますが。

裁判繋がりでもう1つネタを。
昨日、試験でしか登場しない、と言われる
刑事訴訟法58条=被告人の勾引が使われました。

政務活動費をだまし取り、かつ、
報告書で偽造した、という罪で
元兵庫県県議の野々村氏が法廷に勾引されました。

野々村氏は詐欺及び、虚偽有印公文書作成・同行使で
起訴されています。
本人も弁護人も、虚偽性の認識が無かったとして争うようですが、
日帰り出張を195回も行ったかのような報告をしていたことを
考えると、この弁解はかなり無理筋であるように思います。

ちなみに、野々村県議の号泣会見は2014年夏でした。
裁判というのは、皆が忘れた頃に行われる、という典型例です。

また、2014年は、1月から4月頃までは理研・小保方晴子さんの騒動があり、
2月には佐村河内氏の作曲がゴーストライターによるもの、
と判明するなど、2014年は記者会見騒動の当たり年でした。
この流れで考えると、2016年は不倫や解散などの芸能ネタの
当たり年になるかもしれません。
16日、最高裁大法廷は
夫婦同姓義務を定める民法の規定は
合憲であるとの判決を下しました。

他方、6か月の再婚禁止期間については、
100日を超える部分について違憲
という結論となりました。
これは、民法772条で、離婚から300日以内に
生まれた子は、前婚の夫の子と推定され、
逆に、再婚から200日以降に生まれた子は
再婚相手の子と推定されるところ、
離婚直後(100日以内)に再婚してしまうと、
父との親子関係の推定が重複してしまうことを
考慮したものです。
反対意見としては、DNA検査によって父子判定が
比較的容易に行うことができる以上、
再婚禁止期間の必要性は完全に失われている
として一切禁止すべきでない、と山浦善樹裁判官は
主張されています。


夫婦別姓を容認する方向で判決を下してくれるかな、
という淡い期待もありましたが、
やはり最高裁は保守的だな、と改めて感じました。

旧姓を維持したいと考えている女性は、
すべての結婚を別姓にすることを希望しているのではなく、
「選択的」夫婦別姓であり、
結婚はするが別姓でいよう、という選択を
あえて禁止する必要性がどこにあるのか、
という木内道祥裁判官の反対意見は尤もです。
木内裁判官は「別姓だと夫婦関係が破綻しやすいとか
子の育成がうまくいかなくなるという根拠はないのだから
例外を許さないことに合理性はない。」
と述べています。

民法は私的自治を基本としているはずなのに、
家族法だけは、例外を許さない堅い立法になっている、
というのは違和感があります。
今日(16日)の午後3時、最高裁判所が
夫婦同姓の規定、及び再婚禁止期間(女性のみ6ヶ月間)
の合憲性について判決を下します。

今日は、LEC新宿エルタワー本校にて
マイナンバー管理アドバイザーの講習などもあり、
これから忙しくなりそうなので、
判決を踏まえたコメントは、明日の記事で書こうと思います。

夫婦同姓は、法律の規定上は、
女性が名字を変えよ、とはなっていないところ、
実態としては大半の夫婦は女性が名字を変える形になっている点を
どこまで考慮するか、微妙なところですが、
再婚禁止期間については違憲判決が出るのではないか
と思います。

再婚禁止期間を設けている主たる理由は、
離婚後すぐに再婚すると、嫡出子推定が重なる時期が
発生してしまう問題を避けるため、ですが、
父親との親子関係は、DNA鑑定で判定することもできるので、
科学技術の発達によって、立法事実が無くなった典型とも言えます。

こちらは明確に、女性に限った制限であるので、
法の下の平等に反する、とストレートに言いやすいでしょう。

個人的には、最高裁判決で
夫婦別姓を容認するよう、リベラル傾向を強く出して、
今の政権の「保守」傾向とのバランスを図って欲しいところです。


※話はだいぶ変わりますが、今日の日経朝刊の文化面で
東京都現代美術館で開催されているオノ・ヨーコ展が
紹介されていました。
2009年(オノ・ヨーコ氏は76歳!)に発表された「穴」という作品では
銃弾が貫通した痕を生々しく残すガラス板を何枚も並べているそうです。
片側はへこみ、反対側にはひび割れたガラスが突き出しています。
そして、「ガラスの反対側へ行って穴から見てごらん」
という英語の指示があるそうです。
撃たれる側は撃つ側を、撃つ側は撃たれる側を、
それぞれ相手の立場・目線で考えることの重要性を伝える
アート作品になっています。

12月8日付けの記事でも書きましたが、
35年前の1980年、ジョン・レノンが凶弾に倒れました。
その妻が、9.11の起きる2年前の2009年に、
こういったメッセージ性を発していた先見性に驚かされます。
久しぶりに法律関連の話題を。
有斐閣が発刊している判例百選と言えば
全受験生が必ず持っている必携教材です。
その第5版が今年11月上旬に出版される予定であったところ、
第4版の編者(4人)の一人であったのに
第5版からは外されてしまった大渕哲也教授が、
編集著作権の侵害を主張して
出版差止めの仮処分を東京地裁に求めていたそうです。

そして、26日付けで差止めを認める仮処分が下された、
と今日、時事通信が報じました。
有斐閣側は、4人の編者のうち2人だけが実質的に
編集作業に関与しており、
大渕教授には編集著作権は帰属しない、
と主張していたようですが、
(少なくとも仮処分段階では)その主張は退けられたようです。

ちなみに、編集著作権とは、
データベース(構成要素そのものには著作物性がない)
もしくは雑誌・情報誌のように複数の著作物で構成された
全体について、その選択・配列に創作性が認められる場合に
編集した人に認められる著作権、と定義されます。
判例百選の場合、個々の解説部分はその解説者が
著作権を有しますが、百選全体について編者にも独自の権利が認められます。

六法でも、著名な学者が複数名、編者として
名を連ねているものの、実際上、作業をしているのは
この人たちではなく、名前だけ貸している、という状況だと思われ、
編者に名前が掲載されることは教授にとって名誉であり、
それほど多額の金銭を払っているわけでもないのでは、
と部外者ながら思うので、なぜ有斐閣があえて大渕教授を外したのか、
第5版の編集方針で大渕教授と意見が合わなかったのか、
様々な憶測を生みそうです。
たぶん和解で終わると思いますが、万が一、判決まで行くと
百選の編集の内情が判決文に書かれる、という画期的なものとなりそうです。
昨日、今日、と注目の判決がありました。

まず、今日(5日)は、かねてから
不当逮捕・起訴ではないか、と言われていた
岐阜県美濃加茂市の市長、藤井浩人氏(30歳)への
無罪判決です。
この記事を書いている時点では、検察による控訴が
あるか不明ですが、このまま無罪で確定と予測しています。

藤井市長が市議会議員時代に、
雨水浄化設備導入をめぐって30万円を
受け取った、という事前収賄罪での起訴であり、
贈賄事業者の供述だけが決め手、という
そもそも筋が悪い事件でした。
(もっとも、贈賄側は自供通りの有罪認定されて
 別の融資金詐欺事件と合わせて懲役4年が確定)

必要的共犯である賄賂罪で、
贈賄側が有罪で、収賄側が無罪、というのは
違和感を持つかもしれませんが、
藤井市長の事件を審理した公判では、
贈賄側が、藤井市長を巻き込む動機について
「余罪である詐欺事件の処分を軽くするため、
捜査機関の関心を他の重大事件に向けたり、
(捜査機関の)意向に沿う行動に出る」可能性を指摘しました。

その上で、贈賄側の金銭授受があった旨の証言が信用できない、
としているので、地裁レベルで金銭授受について
判断が分かれたことになりますが、刑事であっても、
審理が分離されていれば、今回のように
判断が分かれてしまうことは何ら不自然ではありません。

昨年6月に逮捕され、2か月後に保釈されて
職務に復帰したとはいえ、
庁内での求心力は低下したでしょうし、
市長としての職務遂行にも事実上の支障が
生じたでしょう。
検察による、権力抑止、監視は重要であるものの、
今回の事件は、警察・検察の勇み足であった、
と評価すべきでしょう。


もう1つ、昨日(4日)の判決は、最高裁の大法廷で
下されました。
争点は、遺族補償年金を賠償金の元本と
遅延損害金のどちらと相殺するか、でした。

事案としては、過労による精神障害が原因で死亡したとして
労災認定された男性の両親が、会社へ損害賠償を求めたもので、
最高裁の中でも、小法廷ごとに判断が分かれていましたが、
最高裁は、15人全員一致で、「元本と相殺すべき」との判断を示し、
害者側に不利な判断となりました。

民法改正の議論の中で、5%の法定利率は
高すぎるのではないか、という議論もあったところ、
遺族補償年金を遅延損害金と相殺してしまうと、
元本があまり減らずに、会社側が不当に賠償責任を負うことになる、
という実質的な考慮もあったのかもしれませんが、
2010年の小法廷判決が「元本との相殺」を判決していたので、
より新しい判断に合わせたようです。

ちなみに、原告代理人は、私が大学時代にお世話になった
川人博弁護士であり、記者会見で、
「判決は抽象的な言葉だけが書かれており、
実質的な判断が示されず残念。
被害者にとって良くない判決」とコメントしたそうですので、
時間があるときに、判決文をじっくりと読んでみようと思います。

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