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法律系資格

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変わる○○ 動く○○

タイトルにしたのは、
今月号のジュリスト№1436の特集
『変わる特許 動く実務』
を参考にしたものです。
 
他にも入る言葉としては、
「変わる税率 動く政局」
「変わる番組 動く司会」
「変わる市長 動く労組」
など、色々と考えられます。
 
さて、ジュリストの特集記事は、
民法や民事訴訟法をそれなりに
知っていないと理解が難しい内容でした。
 
弁理士試験合格後の、
特定侵害訴訟代理業務の認定試験に
合格した人であれば、
その試験対策の中で民法や民事訴訟法の
勉強を一定程度、されているでしょうが、
普通の弁理士試験受験生には難しいかな、
というのが正直な印象です。
 
例えば、通常実施権が登録をせずとも
対抗できるようになり、
特許権の譲渡(特に、倒産時)によって
実施権を有する者が不利益を受けないようになった、
という点について、
対抗要要件の緩和、という観点で
借地借家法の話が登場したり、
濫用の恐れがあり得る、という点で
旧民法の短期賃貸借(現在は廃止)
が例に出されたりしています。
そもそも、実施権契約は債権であるから、
当事者以外の人には対抗できないのが原則、
という話は、特許法を勉強する上でも
登場しますが、本来は民法の理解がベースとなります。
 
また、「冒認」に関する改正でも、
民法の解釈上、準事務管理は認められていないはず、
という議論が登場しており、
確かに、事務管理の概念を特許の世界に
持ち込むのは面白いな、と感じました。
 
対談の中で、印象に残ったのは、
知財高裁の飯村判事が
 
「厳格な制度設計をして、ユーザーが、
手続きを遵守している限りは
確実にトラブルを回避できるが、
利用しづらい、むしろ利用したくない制度
とするか、それとも、
「悪意による制度利用者が出現する場合の
保護は完全ではない、あるいは
想定外の事態が生じたときの紛争が、
どのような結論になるかの予見は
十分でないけれども、
簡易・迅速・低コストで利用しやすい制度
とするか、という二者選択があり、
今回の特許法改正は後者を選択した以上、
「不完全な点はあるけれども便利な制度」
を設けた趣旨を正しく理解し、
適切に実行していく、という
我が国の取引慣行・ビジネス環境の
成熟度が試されている
 
という趣旨の発言をされていた点です。
 
この発想は、まさに、
護送船団的・事前規制の社会から、
規制緩和・事後チェック型の社会への移行
と同じ考え方です。
 
最初からバグを全て解消する
パッケージソフトではなく、
ベータ版をまず出して、ユーザーの意見を
踏まえて改善を進めていく
ソーシャルゲーム的な発想が
法律の分野でも出てきたのか、と考えた次第です。

面白い恋人

久しぶりに弁理士ネタです。
弁理士、と聞くと、特許や実用新案など
「ものづくり」の権利化を思い浮かべる方が多いですが、
商標の申請も重要な仕事です。
 
昨日のニュースで、
 
「白い恋人」を製造、販売する石屋製菓が
白い恋人」を販売する吉本興業等に対して
商標権侵害に基づく販売差し止め・損害賠償を求めて
札幌地方裁判所へ提訴した
 
という報道がありました。
 
石屋製菓の社長コメントとして
「短期間で販売を終えると思ったが、
東京でも売られ、見過ごせなくなった。
悪乗りが過ぎ、全然面白くない」
と報じられているので、
東京でも販売をしているようですが、
私はこのニュースで初めて存在を知りました。
 
確かに、パッケージの色彩やリボンの形などは
似ていますが、混同するほどではないな、
というのが個人的印象です。
「間違って買った人がいる」とのことですが、
それは民法95条但書きの「重過失」に当たるのでは、
と思います。
 
商標権侵害、というよりも、
パロディによってブランドイメージが傷つけられた、
という不法行為・慰謝料請求にする方が
勝ち目があるように思います。
これから訴え変更で追加するのかもしれませんが。
吉本内部でも、どうせなら
「面白い人」にしよう、という意見があったのではないか、
と思いますが、そこまで変えてしまうと、
パロディっぽくならないので、
1文字だけ追加、というところがまさに面白いです。
 
「大阪だけなら勘弁しても良かった」
的な発言も印象的です。
確かに、関西だけなら、「吉本のギャグか」
と笑って済ませそうですが、
羽田空港とかに置かれていると、
石屋製菓もその存在を是認しているかのように見えてしまい、
放置できなくなったのかもしれません。
こういうところでも、関西ノリの特殊さが分かります。
 
従来であれば、無難なお土産として
「白い恋人」を買ってくれていた
観光客も、ウケ狙いで「面白い恋人」の方を
購入してしまう、というケースも多いでしょうから、
売上げへの悪影響もあるでしょう。
 
商品が定番化することは、
あまりコストをかけずに利益を上げられる
(PPMで言う「金のなる木」)メリットがありますが、
類似商品・パロディの脅威は折り込んで、
次の手を考えなければいけないところです。
 
「白い恋人」がある程度有名になった段階で、
「面白い恋人」「白い変人」「青白い恋人」なども
商標登録しておく、という提案をできる弁理士さんがいると
良いのだろうな、と感じたニュースでした。
 
いつも、いつも直前の告知となってしまいますが、
今日と明日、LECで実施する講演会のお知らせです。
 
西日本、特に中国・四国は台風の影響で
大変なことになっていますが、
東京は、非常に平穏な天気となっています。
この週末、旅行を計画していたが、
台風のせいで取りやめた、という方は、
講演会への参加をご検討いただければ、と思います。
 
まず、今日は午後2時から
水道橋本校でテンプル大学東京校の
ProfessorであるSumi Sakata氏による、
米国司法試験対策講座
(アメリカのBar/Bri社の講座)の説明会があります。
英語で説明をする、とのことですので、ご注意ください。
→詳しくはこちら
 
また、時間が重なってしまうのですが、
午後1時半から、池袋本校にて
社会保険労務士の藤田遼先生による講演会があります。
藤田先生は、最近、
『メイド喫茶でわかる労働基準法』という本を
書いております。
社会保険労務士の試験は、先週末にあったばかりですので、
受験した方、また、これから受験しようと考えられている方等、
人事・総務の仕事に興味がある方にお勧めです。
→詳しくはこちら
 
最後に、
新宿エルタワー本校にて、
シリーズで実施している弁理士講演会の締めとして、
東京工業大学の教授であられる、
吉本護 先生による講演会が、
明日(日曜)11時から行われます。
テーマは
知財を知れば世界が変わる
知財を知って世界を変える
となっており、
研究者が知財マインドを持つことの重要性について
語っていただきます。
→詳しくはこちら
 
最近は、企業の研究部門や知財部のエース級の人材が
弁理士試験を目指す、という例も見られます。
発明を実際に「権利化」し、「活用・保護」を図る、
というところまで考えることのできる研究者
が求められる時代だと思います。

またまた講演会の告知 ケータイ投稿記事

当日の案内となってしまいますが、
今日の午後7時から新宿エルタワー本校にて
弁理士の先生による講演会があります。
今回は、特別に講演会の後、希望者の方には、
同じビル内の事務所見学の機会があります。
特許事務所の雰囲気を見てみたい、
という方には良いチャンスですので、ぜひご参加下さい。
私も参加します。

今夜、事務所の様子と、
5月31日に成立した特許法の改正について、
書く予定です。
今回は、週刊誌をDISる(Disrespect)内容です。
8月27日付けの『週刊 東洋経済』では
「10年後に 食える仕事 食えない仕事」
という特集をしていて、
その中で、文系資格もいくつか取り上げられていたので、
読んでみたのですが、
一般論ばかりで突っ込みに欠ける内容でした。
 
グローバル化とIT化で、
ホワイトカラーは中国人やインド人との競争になる、
という書き出しからして陳腐ですし、
何より、グリーの社長のインタビューを載せている理由が
よく分かりません。
 
製造業と並び立つ、
外貨獲得の方法として
アニメやゲームなどのソフト(クールジャパン)が
持て囃されるのは分かりますが、
スーパーマリオ、ドラクエ、
バイオハザード、Wii、脳ゲー(DSのタッチペン)などの
アイディアに比べると、
ソーシャルゲームは、
外国にすぐに真似されやすい分野ではないか、
と感じてしまいます。
 
グリーの時価総額は5250億円で、
時価総額だけで言えば
大和証券グループや住友化学、
日揮(建設、プラント)、リコーなどと同等です。
本来は読書や勉強などで使われるべき
隙間時間が、ゲームに費やされているのでは、
という危惧も感じてしまうので、
グリーやDNAが伸びることは個人的には反対です。
 
ソーシャルゲームについては、
社会学の分野では、
「仮想現実から拡張現実へ」といった文脈で
捉える人たちもいるようですが、
単純に、イニシャルコストを低くして、
一度入るとずっと続けたくなるような仕掛けがしてある、
という「10円ポーカー」と同じ原理にすぎない、
というのが私の印象です。
 
 
さて、資格の話に戻ります。
記事で扱われていた文系資格は、
社会保険労務士、税理士、弁護士、会計士
の4つでした。
 
社会保険労務士については、
受験者数が増えている、という内容で、
細かい点で突っ込みを入れると、
昨年、確かに申込者は7万人を超えましたが、
実際に受験したのは5万5000人程度に過ぎず、
「受験者数」という言い方で7万人、とするのは誤りです。
社会人の、しかも、キャリアアップ系の資格は、
出願はしたものの、受験まで至らなかった、
という人が多いのは常識です。
 
しかも、取得者のうち、
開業社労士が2万1600人と最も多く、
次いで企業内社労士が1万3400人、
という紹介の仕方をしていますが、
これは社労士会に年会費を払って登録をしている人数であって、
実際には、社労士試験に合格して、
登録はせずに、企業内で人事の仕事をしている、
という人はもっと多くいます。
昨年だけでも5000人弱が合格しているのです。
 
「社会保険労務士」の将来を考えるのであれば、
日本企業全体(中小企業を含めて)における
人事の仕事がどうなるのか、
を考えないと意味がありません。
 
他のページでは、
人事・経理・コールセンターなどの業務プロセス全体を
外部委託するBPOを紹介しているくせに、
社労士に関する記事では、
開業社労士のことしか取り上げない、というのは
バランスを欠くように感じます。
 
 
税理士について、
 
税務相談や税務書類の作成といった
独占業務のほかに、
経営相談や事業承継の相談が増えており、
「税理士法人を設立したり、
弁護士などの他業態との連携」
によって、ワンストップサービスを目指す
 
という話が紹介してあったのは良いのですが、
記事の最後で
 
税理士の半数は60歳以上という
高齢社会であるから、
意欲的な若者には、活躍の場はありそうだ
 
と締められている点には違和感があります。
「士業」は定年がなく、しかも、
息子・娘や婿が合格すれば、
そこに顧客を引き継いでしまいます。
 
若者が活躍できる=新規参入できる、
と言うのであれば、
過去の業務とは違う、新しい活躍の場
(弁護士で言えば、企業内弁護士、
政策担当秘書、任期付き公務員など)
が増えていることを書く必要がありますが、
それらについての記述が無いので、
無理やり「夢」を語っているように感じてしまいます。
 
 
弁護士に関しては、
司法制度改革の結果、
裁判官・検察官はあまり増員されず、
弁護士ばかりが増えて、
「ノキ弁」「ソク独」「ケータイ弁」が登場し、
しかも、法科大学院は重い学費負担で
志願者が減っている、
というネガティブ情報ばかりで、
なぜか、最後に地方での「マチ弁」が
一定の収入とやりがいの両立が図れていいよ、
という「フォロー」が唐突に入ります。
 
弁護士については、ブログでよく書いていますし、
LECで実施している実務家講演会では、
弁護士の新たな活躍のフィールドを
自ら開拓している人たちにお話しいただいているので、
今更、この記事に反論する気も起きないですが、
法科大学院が、新司合格率や学費負担の面で
人気低迷している、と書くのであれば、
同時に、今年から始まった予備試験について触れるのが
バランス感覚だろうに、と思う今日この頃です。
 
 
最後に、会計士。
会計士については、
「無国籍ジャングル」というカテゴリーで
紹介されています。
 
確かに、会計基準の国際化(IFRS)、
という話はあるものの、
外国人が日本の会計士試験に合格して、
日本国内で日本人と同じような「監査」ができるか、
という点は大いに疑問です。
 
他のページでは、「ジャンプレミアム」という
カテゴリーで、
生保営業やホテルマンは
日本人らしさが生きる、という紹介をしていますが、
会計士も、それに近い存在だと思います。
 
会計士の一番の問題は、
会計士になるためには、
試験に合格するだけではダメで、
監査法人に勤めて監査業務に携わる必要
があるにもかかわらず、
「監査」のマーケットがどんどん小さくなっている、
という点です。
 
 
しかし、「監査」を必要とする企業は、
多くの雇用を監査法人
 
社会保険労務士、税理士は、
(開業している人を前提にする限り)
大企業は顧客ではなく、
全国に420万社以上ある、とされる
中小企業がクライアントです。
もちろん、単価は低いですし、景気は良くありませんが、
数がある、ということは
新しいことにチャレンジする余地があることを意味します。
 
弁護士も、巨大渉外事務所以外は、
大企業とは無関係のフィールドで暮らしていますし、
企業がどうこう、というよりも
司法書士や行政書士との業際の問題の方が
大きいです。
 
会計士だけは、大企業
(法定監査、ということで言えば、
資本金が5億円以上または負債が200億円以上)
が主たるクライアントであり、
そのために、「未就職問題」が深刻なのです。
この点の解説が無く、かつ、「財務会計士」構想にも
言及が無い記事、というのは
存在価値に欠ける、というのが正直な感想です。
 
英語による仕事、という意味で
「無国籍ジャングル」と呼ぶなら、
本来扱うべき職業は大学教授ではないか、
と思います。

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