工具屋さん奮闘記

機械工具屋さんから電動工具屋さんへ、そりたけの日々徒然

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第3回は、ローレットの製作方法の紹介。
転造と切削について。

転造ローレットの話をする前に、まずは転造とは何なのか?
そこから理解しなければいけません。
下記は、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』から転記。



転造(てんぞう)とは、強い力を加えて素材を変形させる塑性加工の一つで、
棒状の加工素材を回転させながら、転造ダイスと呼ばれる工具により
成形する方法。

加工手順は、素材(棒材)を転造ダイスにより挟み込み、素材を回転させ
ながら、素材の中心方向へダイスに圧力を加える。素材の降伏点を超えた
圧力をかけることにより、素材は塑性され永久的に変形し、形状を造る。



少し難しい言葉が出ていますが、要するにはダイスを製品に強く押しつけて、
その表面を変形させ、模様や形を転写するのが転造加工です。
元々は雄ねじを作る為に開発された加工で、残留応力や表面硬化により、
強度向上や長寿命化の効果があります。


しかし、ローレットではそのメリットよりも「大きな力が掛かりすぎる」
「山が潰れて成形される為奇麗にならない」などのデメリットの方が大きく
ローレット品質上では切削方式に大きく劣ります。
とはいえ、ダイス(ローレット駒)さえうまく作れれば、自作で押し付けの
ホルダを作るだけという簡単さから、昔から転造ローレットは当たり前の様に
主流の加工方法として浸透しています。

時代の流れとともに製品の精度や品質は向上し、材料も薄く軽く変わるにつれ
転造では製作の出来ないローレットが増えてきました。そこで登場したのが
切削ローレットです。

切削は転造に比べて比較的寿命が短い、加工メカニズムは少々難しくなる、
切粉対策を考えるなどのデメリットはありますが、それよりも転造に比べて
見た目も断然良く、製品や機械主軸に負荷を掛けないメリットが非常に大きく
昨今、主流に入れ替わりつつあります。
特に高精度な圧入や、外観にこだわる部品には必ず切削が用いられます。
上部の様な樹脂ローレットも、切削にしか出来ません。

メーカーによって、安さ重視や品質重視、汎用性や特殊加工重視などなど
いろいろと特徴がありますので、製品によって選定する事が大事です。

ちなみに手前味噌ですが、山田マシンツールのQUICKは品質重視、奇麗さは
トップクラスというハイエンドツールと位置付けてます。


ちょっとローレットがしたいだけ、本格的にライン導入したい。などなど
状況によっても転造or切削、それからメーカー選定までいろいろと選択肢は
ありますので、上記を参考に「製品に合わせた加工方法」を考えて頂ければ
良いのでは無いかと思います。


次回はローレットのピッチについて、説明します。


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