工具屋さん奮闘記

機械工具屋さんから電動工具屋さんへ、そりたけの日々徒然

全体表示

[ リスト ]

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

ローレットメーカーの営業員をしていて一番相談を受けるのが

「目が曲がるので助けてほしい」

特に平目ローレットでは曲がりが顕著に出る為に悶々としている人が多いです。
曲がったローレットでも機械的な機能はそこまで変化は無いと思いますが、
やはり外観が良くないので取引先からNGを出されて困っている会社は世の中に
星の数ほどあるそうです。

そもそも何故目が曲がるのか?
ホルダが曲がってる?カッタの切れ味が悪い?それとも機械が悪い?
原因は様々ですが、一番原因として多いのは「力負け」です。


平目のローレットは旋盤の回転方向に比べて垂直に力を掛けていく為、どうしても回転の
方向に力を持っていかれて目が曲がってしまうのです。
いくらまっすぐにホルダをセットしても、曲がるものは曲がるんです。

じゃあ、どうやって対策をするの?

答えは簡単「力を抑える」という事です。
その方法は様々ですが、長くなるので下記に箇条書きして書きます。

1.加工スタートは刃を一気に当てない
 ⇒切削ローレットも加工スタートはX方向からの押付(切込)で始まるのですが、その瞬間に
  一気に力が掛かる為、ローレットのカッタ幅を全部押し当てたら、一気に力が掛かって、
  ホルダとカッタが回転に負けてしまいます。
  最初はカッタ幅の内約1mm幅を目安に当てて開始しましょう。力を軽減します。

2.切込過ぎない
 ⇒もちろんローレット山をピンピンに立てなきゃって管理も時折見かけますが、これは
  寿命の観点からも良く有りません。そして切込が過剰な場合は力も大きくなって目が
  曲がる現象に繋がる事は多いです。

3.芯高を微調整する
 ⇒芯高が合っていないと目は確実に曲がります。
  旋盤というのは必ず正転か逆転、どちらかの一方向で加工をします。
  ホルダとカッタの芯高さをいくら正確に合わせても、必ず回転の方向に引っ張られて
  しまうのは当然です。
  だからこそ微調整として、回転を見越して芯高を少し上げておく事が肝心です。
  材料にもよりますが、約0.02〜0.05mm程度が適量と思われます。
  これにより、回転の力で少し撓んだところが丁度芯となり、目の曲がりを防ぎます。

4.回転数が遅すぎる
 ⇒切削加工好きの皆様ほどよくある間違いなのですが、メーカー推奨値の加工条件よりも
  かなり遅い回転数で回しているのが当然、というお客様は多いと思います。
  切削ローレットに関してはこれは危険で、回転数が遅いほど反比例してトルクが大きくなり
  ホルダが受ける力も大きくなって目が曲がる事となります。
  適正な条件については他社でもメーカー推奨値を出してますので、それを確認するか、
  メーカーのサポートに確認しましょう。

5.切粉を踏んでいる
 ⇒目が曲がるだけでなく、打痕やムシレがあるという場合にはこれが想定されます。
  切削ローレットは細かい切粉を出すので、切削油を充分に掛けていないと削った切粉を
  カッタが踏んでしまい、異常な負荷が掛かったりワークの外観を損ねたりします。
  出来れば加工点とカッタの両方に強めに掛けるのがベストです。


ざっとよくあるトップ5を並べてみました。
もちろんこれ以外にも理由は様々と思いますが、上記5点を確認すれば大概のケースは満足し
目の曲がりに関しても復旧できます。
これ以上やっても駄目な場合は、メーカーに相談するのがベストですね。



あ、私はいつでも質問受付中ですよ(笑)



↓ クリックにご協力ください!管理人の勉強資金にさせて頂きます ↓






さらに詳しい情報はそりたけ.comまで!

この記事に

閉じる コメント(5)

顔アイコン

一般に機械加工してるところは、SKD11が難削材なので、これに切削条件を合わしている。しかし、こんなところに朗報があった。このまえ、日刊工業新聞社の「プレス技術」に紹介されていた、SLD-MAGIC(S-MAGIC)という材料、SKD11の4〜10倍被削性(工具費ならコストが約1/4〜1/10になる)がよいので、工場全体の生産性がこれに比例して向上する。また、これで作った金型は自己潤滑性が高く、使う方の生産性もアップする。使う方作るほう両方で、生産性が上がるという、奇跡の金属材料だ。 削除

2013/3/28(木) 午後 8:19 [ 高性能工具鋼 ] 返信する

顔アイコン

二か月後に普通旋盤一級を目指すものです。ローレット加工があるのですが、(あやめ m0.3〜0.5 p1〜1.5)と指示されています。スーパーツールのカタログを見ているのですがどれが最適なのでしょうか?材質は、s45cです。また、仕上げ径が50πです。ローレット加工すると盛り上がると聞きましたが加工前は、どのぐらいマイナスしておけばよろしいのでしょうか。全く途方にくれており加工方法も模索しているところであります。大変厚かましいですが宜しくお願いいたします。

2013/5/11(土) 午後 4:25 [ yam*noa*n ] 返信する

顔アイコン

お返事遅れました。

.蹇璽譽奪伐湛最適なもの
⇒径に対してピッチが粗いほど難しいです。
φ50であれば、ピッチ1.0が最適かと思います。

▲蹇璽譽奪伐湛すると盛り上がる?
⇒転造は盛り上がりますが、切削は盛り上がりません。
材料や山の立ちによって違いますが、S45C、Φ50、ピッチ1.0ならば0.3〜0.5程度マイナスにする必要があります。
しかし転造の場合は、盛り上がりのばらつきが大きく、±0.1程度の公差となりますので、もし課題のローレット外径が0.1以下の精度であれば精度の出る切削をお薦めします。

回答遅れてすいませんでした。
sorimachi@yamada-mt.co.jp までメール頂ければ、色々な資料もお渡しします。

2013/5/14(火) 午前 11:06 そりたけ 返信する

顔アイコン

そのS-MAGICって素材を削るのに超硬よりもハイスのほうが寿命が長いってホント? 削除

2015/2/15(日) 午前 8:26 [ オイルマン ] 返信する

顔アイコン

そのはなしありえそうですね。その自己潤滑性のメカニズムはCCSCモデル(炭素結晶の競合モデル)といって、すべりの良さばかりでなく、摩擦試験データのバラツキが信頼性工学で言うバスタブ曲線になることや、極圧添加剤の挙動、ギ酸による摩擦特性の劣化挙動など色々と説明ができそうなトライボロジー理論らしいですね。トライボロジー関連の機械の損傷の防止、しゅう動面圧の向上設計を通じた摩擦損失の低減、新規潤滑油の開発など様々な技術的展開が広がっていきそうですね。 削除

2015/7/12(日) 午後 5:41 [ ナノベアリングマジック ] 返信する

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

.


みんなの更新記事