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昨夜はお休みを頂いていましたので、
こないだの話をいたしますが、
いつもの事ながら私の文章力、描写能力には限りがありますので
読む側の方にさじ加減をお願いいたしとうございます。
その電話は8時過ぎでした。
その日は午後から2件入っていたので
多分入らないだろうと思っていたのですが、またしても逆目です。
「ウチのジジが夕方亡くなって・・」と自宅死亡でしたので
お医者様の見立てが済んだ事を確認してお客様宅に向かいました。
お家は旧国道沿いにあり、比較的分かりやすいところでした。
「ここか」
荷物もあるので、とりあえず路上にクルマを停めるとお客様の家の中が見えました。
田舎に良くありがちな少し古い作りの建物で
家の真正面に間口の広い玄関があり、そこから真っ直ぐ上がると客間だったり
居間として使っていたりする仏壇もあるお部屋になっています。
そうして廊下を挟んで左側には食堂兼居間の6〜8畳間があり、
家の水回り関係があり、玄関正面の客間から右奥には2間3間続きのお部屋が
繋がっています。
自宅死亡ですので医者が死亡の見立てをしても、一人で来ているため
死後処置はされてない事が多く、布団や介護ベッドなどに寝かされっ放しになっていますので
そこから安置するお部屋に移動する事が私の最初の仕事です。
玄関正面の8〜10畳ほどのお部屋にはすでに親戚関係の方々も集まっており、
これも田舎で良くある光景なのですが、集まっている親族が早速過去の香典帳を
引っ張り出してどのくらいの人数が集まるか、また、どの人をお斉(接待)に呼ぶかなどの
相談を始めていました。
「おう、葬儀屋さん」
待っていた、とばかりに喪主様と思われる方に手招きされ部屋に入ると、
奥の床の間のある部屋に敷き布団が敷いてあります。
用意はいいな・・。
横目でそれを確認しながら、お集まりの方々に挨拶をし、
「ところで、今どちらにお寝かせですか」と肝心の故人様の居所を聞きますと
喪主様らしい方が「あ、奥の部屋なんだ」と言うので
「こちらですか」と言われる方向に歩き出そうとすると
喪主様が私を追い越し歩いて行くと、
玄関正面の客間の奥(後ろ)側に、他の部屋とは廊下でセパレートされたお部屋がありました。
「ここなんだ」
はあ、こちらがおじいちゃんの部屋だったんだな。
そう思っていると、
「ん?」
何やらヘンな臭いがしてきました。
この臭いは・・・例の・・・死臭ぅ・・?
え、なんで? さっきの電話で「夕方死んだ」って言ったじゃない。
「ここです」
「で、こんな状態なんだ」
6畳ほどのその部屋は和室ですが、引き戸が障子ではなく、ガラス戸になっていました。
喪主様がほら、と言うように私に部屋の中を見るように促すのですが、
もうすでに私には臭いが気になって仕方ありません。
「あ、用事を思い出しましたので帰ります」とでも言って帰りたい気持ちでした。
見なくてもいい、
そう思いながらも表向き平然として部屋の中に目をやると、
そこには想像を超えた状況がありました。
ひと言で言って「腐乱死体」です。
目を疑ったのは言うまでもありません。
思わず「うわっ、これ、思いっ切り腐ってるやん!!」
などと突っ込みを言いたいくらいでした。
瞬間私の頭はパニックです。
大体2つ以上の事がいっぺんに起きると私の頭はパニックを起こします。
右手と左手で別々のジャンケンは出来ませんが、何か。
だって、お座敷の部屋に敷布団が敷いてあるんですよ。
ご遺体がこの状況って知っててお客様は安置のための布団を敷いているんでしょう?
絶対ヘンだって!!
で、私にどうしろと言いたいの?
なんで最初の電話でこの状況を教えない?
ここで少し冷静にご遺体の状況を拙い文章で説明いたします。
画像があれば一番いいのですが、私でさえ翌日の昼ごろまで食欲が無くなりましたので
文字だけの方がいいでしょう(笑)
故人様は90に近い男性で、今年の初めにお連れ合い様を亡くされていました。
ですのでウチのリピーター様です。
ご本人は認知症を患っていたそうで、お連れ合い様の葬儀には参列されていなかったようです。
6畳間の両壁にはタンスがあるだけの和室の真ん中に敷布団が敷いてあるのですが、
後にして思えば、朝晩が寒いと感じられるこの時期なのに、
『煎餅布団』としか言いようのないフトンが一枚しか敷いてありません。
そのフトンにはシーツも敷いてなく、介護者であれば普通は使っているハズの
排泄汚れ防止のための防水シーツ(と言うのかな)すらありません。
そこに寝かされて亡くなった故人様の様子は・・・、
う、思いだしても胃から込み上げて来る・・。
うつ伏せになっていた恰好で死んでそのまま硬直していたようで、
お医者様が見立ての際に仰向けにしたのでしょうが、
顔は思い切り横を向いて、腕も組めるような状態ではありません。
カッコよく言えばよく見る歌舞伎の浮世絵の見栄を切っているカタチ、といえば一番近いかも・・。
しかしその様相は『腐乱死体』と言った通り、見た目でも「うえ〜っ」となってしまう状態です。
うつ伏せになって死んでいたので、布団に付いていた顔半分はかなり変色して
腐っている様に見えますし、体全体も土気色に見えるところが逆に健康に見えるくらいの
レベルです。
ガラス戸越しにそういう状態が見てとれるのです。
これで夕方に亡くなったなんて言うのは絶対にウソです。
私が見たって、死後3日以上の状態です。
それを喪主はじめご家族は「夕方見たら死んでいた」と言い張りますし、
集まっている親族も誰ひとりその事に触れません。
まさに粛々と葬儀の段取りを進めている、そんな感じでした。
「まあ、こういう状態なんだ」
開けなくてもいいのに喪主様は部屋に入り、
かけてあった毛布をはぎ取りました。
戸を開けた途端に廊下で臭っていた死臭の数十倍の強烈な臭いが部屋から溢れ出てきた上に
毛布の下から出て来た故人様の胸から下の状態は・・・・、
思ってたほどヒドくはないですが、何しろ臭いがヒドイ。
しかもフトンの上には見立ての際にはずしたであろうオムツが腰の脇に置いてあり、
排せつ物などもそのままなのです。
ぐうぇ〜! い、息が出来ない、したくない〜・・・。
ご遺体がこんな状態では私の手には負えません。
大体こんな状態って、独居老人が孤独死して1週間くらい経った状況です。
そう、まさに「現場」ってヤツです。
でもこのお宅、普通の家で、喪主であるセガレ夫婦が同居している普通の家なのです。
内心とても驚いている私を尻目に喪主様は
「任せますので好きにやって下さい」とご遺体の処置を私に丸投げしてきます。
しかもこれからお寺様も来るので、ということで枕飾りも作らなくてはいけません。
もう絶対にこのご遺体には触らない!
とりあえず、そうハラを決めてかかるしかない、
これまでの中で一番の強烈な死臭その他の臭いの中でオヤジは
なぜかそんな決意だけが先立ったのでした。
続きはまた。
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ヒィー(((゚Д゚)))ガタガタ !!
そんな状態なのに警察とか入らないんですか!?
家の人たちも絶対真相を知っているのに話そうとしない・・・。きっと生前はあまり面倒をみてもらっていなかったのでしょうね。
臭いがひどいと仕事とはいえキツイですね。。
想像しただけでも食欲が・・・お昼ご飯食べながら読まなくてよかった・・・
90まで生きて、最後がそれじゃあ仏様がなんだかかわいそうですね。。家の人たちは「やっと逝ってくれた」と思っているのかな。。
2010/10/21(木) 午後 3:22
興味深々です。この間ジャガイモが腐っていてチョット”ゲボ”の臭いに近かったんですが、そんな臭いですか?不謹慎ですが。人間が生きていて今迄使わせて頂いた体が腐乱していく、、、。生というのは凄いことだ!って。私は見てみた〜いです。
2010/10/21(木) 午後 9:22 [ cuty ]
ぱるこさん、おはようございます。
ニオイがキツイのは正直ツライです・・・(*_*;
実際服や髪や体に、ホントに臭いが移るんですよ。
2010/10/22(金) 午前 11:18 [ そうぎやオヤジ ]
cutyさん、おはようございます。
ジャガイモが腐るとホントに死臭と同じなのかは私も試した事がないので、ホントのところ分かりません。
cutyさんは興味的な怖いもの見たさなんですか。それとも人間の生き死にに神秘的な物を感じるんですか?
どちらでも個人の自由ですけど、実際のホトケ様は穏やかで生きている様に見える場合と、今回の様にすさまじい時があります。
私は穏やかな方がイイです(^^ゞ
2010/10/22(金) 午前 11:23 [ そうぎやオヤジ ]
多分両方です。 ”怖いもの”とわ思いません。変わり者の私は腐敗して朽ち果てるまでを見届けて初めて”死”を理解出来るのでは?って思います。仕事柄、毎日生きた伊勢エビを殺しますし魚をおろしますが、食堂、胃腸まで全てくまなくチェックします。”生”って凄いって思います。でもこれだけは言えます!仕事でご遺体の処置は私には出来ない。その線のプロではないですし。やっぱり怖いもの見たさかも。
2010/10/24(日) 午前 0:52 [ cuty ]
cutyさん、おはようございます。
そうですね〜。
みんな生きていれば肉も内蔵もありますもんね。
魚をおろしたり、肉を切ったりしても平気な人が死んだ人間の肉体は気持ち悪いなんていうのは矛盾してますよね(笑)
人間って不思議なものですね。
2010/10/24(日) 午前 9:30 [ そうぎやオヤジ ]
遺体の口に梅干し→新潟県新発田市五十公野に習俗があった
(1985年ころまで)。一部の家庭で。現在(2019年)
には消えている。ボルグ公開者(貴殿)のエリアは何県か?
(小生は葬の民俗を調べているので。迷惑はかけない)
2019/4/27(土) 午後 7:34 [ 小野 ]