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湯を汲みて茶碗に入るヽ其時の 柄杓のねぢは肱よりぞする お湯を汲んで茶碗に入れるときに、柄杓を持っている手は、肱(ひじ)から動かします。 こうしますとお湯は自然に茶碗に入ります。 肱を動かさず、手首だけをねじってお湯をいれようとすると 合(柄杓の湯が入る部分)が安定せずに、畳をぬらすことになります。 お湯を汲み、合を茶碗の中心に置き、まず肱をしっかり脇の下につけて それを徐々に離していきます。 そうすると柄杓の合は自然に傾き、茶碗の外にお湯はこぼれません。 ★良い柄杓の見分け方 合の底を水平に置いて、切止めまでの垂直線をハネといいます。 そのハネが風炉の柄杓で7寸(約21cm) 炉で8寸(約24cm)が基準となります。
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利休道歌
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利休の教えを簡単に覚えやすく歌に詠んだものです。
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柄杓にて湯をくむ時の習には 三つの心得あるものぞかし この歌は、風炉の場合の教えです。 三つの心得の一は、湯を汲むときは、十分に汲まずに、九分目くらいまで汲む。 二は、湯は釜の底の湯を汲み、水は中央を汲む。 三は、油柄杓の禁止です。 二の説明をいたしますと、湯は熱くなると上へ上がってきます。 その時に、湯垢なども上がってきますので、釜の底が清浄だということです。 その反対に、水では重い垢は下に軽い垢は浮いているので、中央を汲むということです。 三の油柄杓ですが、昔、油屋が油を移し入れる時に、タラタラと柄杓から油を流し入れながら だんだん柄杓を上へ上げていく様子を言いました。 ですから、柄杓が釜の口・水指の口・茶碗の上からあまりあがりすぎるのを戒めているのです。 柄杓の扱いには、置き柄杓・切り柄杓・引き柄杓の三つがあります。 置き柄杓が真・切り柄杓が行・引き柄杓が草となります。
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湯を汲むは柄杓に心月の輪の そこねぬやうに覚悟してくむ 柄杓の合(お湯の入る部分)と柄とがつなぎあわさったところを 「月の輪」または「月形(つきがた)」といいます。 合の月形になっているところに、月形に削った柄の先端を差し込んだだけで 接着剤などは使われていません。 ですから、お湯を汲んだり、水を汲んだりするときは注意しないと その合わせ目がゆるんで、漏れることがあります。 また炉のお点前で、柄杓をひく時力が入りすぎると、柄杓の合で釜の口を押すようになり 月の輪がゆるむ原因になります。 建水に柄杓をのせて運び出す時、すべって柄杓を落とすこがあります。 これも月の輪がゆるむ原因になりますね。 わたしは、やっと落とさなくなりましたが…。
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茶入より茶掬ふには心得て 初中後すくへそれが秘事也 「初中後」は、はじめ・なか・あとと読むのではなく 「しょちゅうご」と読みます。 お濃茶点前の時、茶入から茶碗に茶を入れる時 初めに3杓すくい入れて、後は回し出しにしますが ただ3杓すくえば良い、というのではありません。 そのすくい方に「初中後」があるのです。 初中後のことを「序破急(じょはきゅう)」ともいいます。 初めは少しすくい、2杓目は初めより少し多くすくい、3杓目は最も多くすくいます。 三度とも、同じ量ではおもしろくありません。 「能」にも「序破急」の教えがあるそうですが、 これも同じテンポではおもしろくないからだそうです。 お料理の調味料でもそうだと思うのですが、初めから多く入れるとよくありません。 次第に多くするのが良いということです。
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喚鐘は大と小とに中々に 大と五つの数をうつなり 喚鐘(かんしょう)とは座敷の書院の天井などにつるしてある釣鐘形の小振りの物で 夜咄の茶事(よばなしのちゃじ/冬季に日没から夜間に催す茶会)のときに、 後入(ごいり/懐石が終わった後、いったん席から出ていただき、お濃茶の準備をして 再び席に入っていただくこと) の合図に喚鐘を打ちます。 その打ち方は「大小中中大」と5点打ちます。 喚鐘は打ち方であまり音が変わらないので 大の余韻を聞いて小を打ち、中中と続けて打って、余韻が消えたら大を打つ とすれば、わかりやすいということです。 正午の茶事では銅鑼(どら)を使います。 陰陽五行の考え方で昼間な陽なので、陰の銅鑼を用い 夜は陰だから、陽の喚鐘を用いるわけです。
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