ウトゥディールものがたり

本を読む時間、なくなってしまうのは悲しい

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「ホッテントットエプロン-スケッチ-」という映画を観るべく、
下北沢に赴いた。下北沢上陸、2度目である。懐かしい。1度目訪れた
のもちょうどこの季節だった、と思い返し感慨にふける。それどころか
家に帰って調べたら日付まで同じであった。あのころ私は10代だった。

映画鑑賞後、監督の七里圭さんというひとと、「太陽肛門スパパーン」
のなんとかさんというひとが対談をしていた。
「太陽肛門スパパーン」ってなんやねん、と思ったら、どうやら
音楽集団のようである。「太陽肛門」ってバタイユにあったけれど、
それも関係ないようである。太陽肛門のひとは「カタルシス」と
「学術的文脈」という単語を連発していたけれど、言ってることは
さっぱり意味プーだった。しまいには「カタルシス」が「カタクリコ」
と聞こえ出して、それはそれで大変愉快だった。

「つまりですねここのパーカッションは冗長というかね、まあ文脈を
読ませすぎというか、言っちゃえばクサいわけなんだけど、これね、
アルトサックスね、これがこうパーッとカタルシスというわけで、
まあこういう趣向の映画って殆ど駄作?音楽と映像があってないんだ
よね、でもこれはよくできてるよね、楽器って言うのはさ、こう学術
的で近代的思考を必要とするじゃない?映像なんて生まれてこの方
見続けてるもんね。そこが違うよね、うんうん」

いるいる、こういうよくわかんないこと言うひと笑 マジ愛らしい。

さて、肝腎の映画の内容だけれど、うん、すごくよいなぁ、って思った。
私は芸術映画というものをあまり観たことはないのだけれど、
少女の体に巻きつく赤い糸、彼女の痣を象徴する牛の白と黒、
新緑、花瓶の青緑、そのような色と色の織り成す色彩に目を奪われた。

痣をもつ少女。彼氏はその痣を目撃し、怯える。やりきれない少女は、
ねずみ男の吹く楽器の音に誘われ、別なる世界にいざなわれる。

赤い糸は、彼女の痣に対する拘泥のように思えた。痣ゆえに彼氏に
拒絶された少女の心には、やり場のない怒りや悲しみがつもりつもり、
それは赤い糸として彼女を絡め取ってしまう。彼女を模したマネキン、
同じく腹部に痣をもつ其れを、少女は始め嫌悪し手ひどく扱うが、やがて
深い愛情をかけ身から離さなくなる。マネキンを抱きしめるその手は、
彼女自身を抱きしめていることに他ならない。彼女は食べる。はがした
ダンボールを燃す。太陽肛門さんがおっしゃるとおり、これはカタルシス
に他ならない。醜い痣が腹部ではなく顔面に移ったマネキンの髪を
なでるその手は、やがてマネキンと同じく自身の頬に真っ黒な墨を
塗りつける(自分で自分の顔になにかを塗りつける、というのは、ゴダール
の『気狂いピエロ』にもあったよな)
そうして自身の身体と折り合いのついた彼女は、赤い糸を細かに切り刻む。
糸は舞い散り、彼女は解放される。

こんな感じのことを、監督さんは言いたかったのかな、と思った。
だけど、すごいいやだな、とも思った。「彼氏は怯える。そのために、
身体との折り合いを完全に失ってしまう」そんなの、ずるいと思った。

ね、ずるいよね。そうじゃない?


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