世界最弱県立天照高校剣道部っ!!

剣道がしたくなる、そんな小説を目指します。あと、日記もw

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顧問―――――――――――――――――――――

……………ってなんだっけ?――――――――――――――――――――

†††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††

目の前では相変わらずおっさんと日向かぐやが乱闘している。
日置先輩は呆れ果てていて、僕というと呆気に取られている。
「…先輩。アレ、止めなくていんすか…?」
そーいって乱闘している2人組に指差す。
「そーだね…止めよっか…」
あ、明らかに嫌がってんな。
嫌々そうに、日置先輩は2人のとこに行った。
「ちょっと、2人とも。もう止めなよ」
先輩が声をかけた。が、一向に止む気配はない…
「ちょっと。2人ともってば」
ちょっと困りながらも声をかける先輩。
「ちょっ…………………………ちっ、いい加減にしろよ」
『Σ!?!?!?』
Σ!?はっ!?いっ…今のドスの聞いた男の声…日置先輩か?!
今ので2人の乱闘止んでるし。しかも……
『すみませんでした』
2人揃って土下座で謝っちゃってる。

「…っゴホン。え〜それではこの糞親父の紹介をしようと思う」
「ちょ、『糞親父』って酷くね?」
未だイライラしている日向かぐや。そしてツッコミ(?)を入れるおっさん。
「…ったく、ミヤツコんトコの娘なのになんでそんなに口が悪いんかな〜」
「親父は関係ないっ!!」
いきなり大声をあげた。目は本気で怒っているようだ……
「かわいくねーなぁ。…まぁそんなことより、お前、新入り?」
そー言っておっさんは僕を見てきた。
「あ、…はい」
「元気ねーなぁ。あ、俺は顧問の柏崎な。よろしく」
「あ…はい。伊万里ひかるです。よろしくお願いします」
ぺこりとお辞儀する。ちらと柏崎の方を見ると、嬉しそうにうんうん頷いている。
「…………っしゃ、じゃあ〜稽古、始めっか〜。面着けろ〜」
え?稽古?!面着け!?僕、『すり足』と『正面打ち』しか出来ないんだけど!?
「先生!!」
「ん?」
「僕、面着けたことないんですけど…」
「あ?んじゃ今日から着けろ」
は!?ちょっと無茶苦茶だろ!?
「剛太「しずくです」…しずく。着けてやってくれ」
「はい」
柏崎に言われ、日置先輩は僕のところに来た。
横を見ると、日向かぐやが怪訝そうな顔をしている。
「………気をつけてね」
「へ?」
僕に面を着けながら、先輩が小声で言ってきた。
『気をつけて』って…どーゆーこと?

「おーい。準備できたか〜?」
面を着けて準備運動をしてる柏崎。横では、日向かぐやが面を着けたまま素振りをしている。
先輩はアキレス腱を伸ばしている。…凄く念入りだ。
そして僕はというと…呆然と立っているだけだ。
「うっし。準備できたヤツからこーい」
準備運動が終ったらしい柏崎が言った。
柏崎が上に立って、下に僕達が並ぶ。
1人ずつ、柏崎に当たっていくようだ。
一番最初に並んだのは、日向かぐや。
殺気を帯びた目がギラギラと光っている。…本気で何かやらかしそうだ。
「んじゃ、最初は『切り返し』な。伊万里はしっかり見とけよ〜」
「『切り返し』?」
「『切り返し』ってゆーのはね」
そう言って説明を始める日置先輩。
「面だけを打っていくの。正面・左右面だけね。打っていく順番は、正面に打ち込み・前に進みながらの左右面打ちを4回・後ろに下がりながらの左右面打ちを5回して下がる・正面打ち・正面打ち。こんな感じかなw」
「なっ…なるほど。なんか、長いっすね」
「んーそうでもないよww速い人は速いからね。あ、かぐやチャンがやるから見てて」
そう言われて、日向かぐやを見た。後ろから出てる金髪の髪が、殺気を帯びていてなんか怖い。
柏崎と日向かぐやは神前に礼してから、お互いに礼をした。礼をする時、柏崎はフッと笑ってた。
…日向かぐやの殺気が上がった。
そして、3歩前に出て構えて、蹲踞。
無駄がない、ってこーゆーことなんだろうな。
「っし、いいぞ〜」
柏崎と日向かぐやが立ち上がって、柏崎がそう言った途端、
「シャァァァァァァァア!!!」
日向かぐやの殺気が爆発した…。
凄まじい気迫と共に、日向かぐやは前に飛んでいた。
バシッ!バシッ!と鋭い音が鳴る。
目にも留まらぬ速さで、竹刀がしなる…
…っつーか速すぎんだろっ!?
僕じゃ全然見えないんですけど!!
柏崎はなんで「おら、力任せじゃだめだぞ〜」とか言えんの!?
見えるの!?あれが!?
気が付けば…日向かぐやの『切り返し』は終っていた…

「日向。お前は力任せで振ってっぞ。しっかり絞れ」
日向かぐやの『切り返し』が終わり、柏崎がすかさず言った。
「…………………ち」
「あれ?今舌打ちした?『ち』って言った?」
あ、涙目になってる…
「かぐやチャン…(汗」
「…………はい。絞るように努力します」
そんな柏崎の様子を見た日置先輩がすかさずフォローを入れた。流石。
「(しずくサンキュー)分かればよろしい。んじゃはい、次、伊万里!」
「Σはっはい」
いきなりの名指しでちょっとビビッた。
急いで柏崎の前に行く。
さっきの日向かぐやの動きを思い出しながら、3歩前に出て、蹲踞。
…心臓が、バクバクしてる…
目の前に居るのは、柏崎。
おっさんで、ふざけた感じのある人が第一印象だったけど……
「伊万里ィ〜、思いっきり来ていーからなァ〜」
言葉とは裏腹に、目が………僕を睨んでいる。
鋭い眼光ってこういうことなんだろう。
その目で僕は、畏縮してしまった。足がガクガクする。
「おらっ、早く来いって」
再度呼ばれる。心臓が飛び上がって行く。このまま天国に行くんじゃないかな…
「やっ…ヤアァァァァァァァアアア!!」
怖いけど、思いっきり叫んで突撃した。
日置先輩に教えてもらったように、竹刀を大きく振りかぶって、相手の面に『打つ』。
バシッ!!と僕の竹刀が柏崎の面に当たる。
「ん〜…弱いっ!もー1回なっ」
そーいって体当たりした僕を押し戻す。
「えっ…」
こんなことが起こるとは思わなかった僕は……
「Σえっ!?ひかる君っ?!」
「…!!」
そのまま反動で、後ろに倒れた。
疲れと変な緊張で…目の前がチカチカする…
「あちゃ〜。やりすぎたかァ〜?」
っていう柏崎の声を聞いて、僕の意識は落ちた。

††続く††

――――――僕が剣道部に入って、あっという間に時が過ぎて――――

僕の剣道着が届きました♪―――――――――

†††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††

気が付けば、桜の葉がいつの間にか新緑に変わっていた。
花びらはどこにもなく、あるのは青々と繁る葉だけだ。
…そうか。もう5月なのか……
しみじみと感じる。
1ヶ月があっという間に過ぎて、5月。
入学してから1ヶ月がもう経ったんだ。
この1ヶ月……
―――ホントに大変だったなぁ〜……
入学初日に変なヤツに目をつけられて、
それから2週間は机の上が墓場になっていて、
綺麗な先輩に出会えたと思ったら、
実はその先輩はオカマで、
ショックを受けてたら、いつの間にか入部。
……忙しかったなぁ〜…
てか……無理矢理だったな〜…
けどまぁ、毎日の練習で『すり足』はしっかりできるようになったな。
それが進歩ってやつかな。
――――――桜の木を見ながらそんなことを考えてたら……
「Σふがぁっ!!!」
後頭部に…鞄が飛んできた。しかもエナメル。
……この展開はお馴染みだ。こんなことをするやつを、僕は1人しか知らない。
「止めるのだっ!!自殺するにはまだ早すぎるではないかっ!!!」
そう言いながら、そいつは珍しく息を切らせて走ってきた。―――――そう、日向かぐやだ。
息をゼーゼー切らせながら僕を見てきたそいつに一言。
「自殺なんてするかっ!!!!!!!!!!!」

「…………ったく、どこの世界に桜の木を見上げてるだけで自殺志願者って勘違いするヤツがいるんだよ」
3階へと上がる階段を上っている僕と日向かぐや。
こいつはもう中間服になったらしい。
白いシャツ・灰色のベスト・ネクタイの組み合わせだ。
「む、仕方ないではないか。誰もがそう勘違いするだろう。それに、自殺に桜とは定番ではないか」
「勘違いしねーよっ!しかも、定番は柳だろっ」
「む、そうなのか?」
「……知らんっ」
そう言ってさっさと上っていった。
「まぁ待て」
「Σぐぉっ」
けど、こいつのスピードには敵わんらしい。すぐに追いつかれて…ネクタイをつかまれた。
「ちょ、絞まる!!首がっ、首が絞まるぅっ!!」
「気にするな。それより「気にするわっ!!手ぇ離せっ!!」…ち」
わっ。こいつ舌打ちしやがった。人の首絞めておきながら…
「…っで、何だよ?」
「今日の放課後は顧問のところに行くことになっておってな。で、私は部活に遅れる」
「それって今言うことじゃねぇよな?」
「?駄目なのか?」
「いや、別にいーけど」
「まぁ、とにかくそういうことだ。よろしく頼むぞ」
「あぁ」
……キタ。
こいつが部活に遅れるなんて…今日はなんてラッキーなんだ。
いつも見張られているのと同じだったからな。今日は…開放される!!!!
………っぃやったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!

で、あっという間に放課後。
武道場には僕が1番乗りだったらしく、鍵を取りに行く羽目になった。
鍵は体育館の中の壁にかかっていた。
「っしょっと…これだな」
鍵にはしっかり『武道場』と書かれていて、すぐに分かる。
いかにも『年季が入ってます!』って感じの鍵だ。
僕はその鍵をとって、武道場を開けた。
スゥーっと武道場の匂いがした。
靴を並べて、一礼。
もうこの習慣は体に染み付いた。
初めの頃は見慣れなかった床板や窓も、今では見慣れてそこにあって当たり前のように感じる。
中に入って個人の棚に荷物を置いた。
早速、今日届いた剣道着を開けて着てみる。
まだゴワゴワだったけど……これがしっくり来る日が来るんだろうと思う。
「あっ、ひかる君♪今日は早かったねっ」
「あ」
今日の2番手は日置先輩だ。

「うわぁっ!!胴着届いたんだねっ♪かっこいいじゃんww」
「はっはい///ありがとうございます///」
うわぁっ///先輩、満面の笑みを向けないでっ。なんか…照れるっ///
「ん?ちょっと結び方が違うよ。直すね」
そう言ってシュルっと僕の紐を緩めた。
「うわっ///ちょっ、先輩っ//////」
「あ、恥ずかしい?wwだいじょーぶ、あたし『男』だから♪」
………それを言わないで……先輩…………
僕が悲観してる間に終わったらしく、僕の結び方とは違って綺麗な結び目になっていた。
「よっしwこれでいいねっ♪」
「ありがとうございます」
「いいよ♪」
そう言って笑う先輩。…男だと分かっていても、やっぱり可愛いものは可愛いんだなって思う。
「じゃ、あたしも着替えてくるねw」
「え、先輩はどこで着替えるんですか?」
そそくさと剣道着を持ってどこか行こうとしている。
「ここの武道場ってさ、更衣室ないでしょ?だからトイレで着替えてるんだ」
「え、ここでいいじゃないですか?なんで?」
「…だってひかる君いるじゃない」
「へっ!!?」
まさか…この人は…恥ずかしがってんのか!?
うわ〜…そーくるとは思わなかった……
「あ、じゃあ僕が外に出ますよ。だから先輩はここで着替えてください」
「え!?いいの?」
「はい」
「ありがと〜wwwwひかる君大好きっ♪」
「へっ!?」
ちゅ
「じゃ、ちょっと外に出ててね♪」
そう言ってドアを閉めた。呆然としてる僕。
…今…………リップ音がしなかった?
そう思って頬に触れてみると……少し濡れている…
僕…男にチューされたっ!!??

僕の人生で初めての経験した僕はただ呆然となっていた。
「ごめんね♪もういいよww」
白い袴になった先輩がドアを開けて言った。
僕はまだ呆然としている。
「あ、そういえばかぐやチャンは?」
そこで正気に戻った僕。
「あ、なんか顧問のところに行ったらしいです」
「え…………」
とたんに先輩の顔が曇った。みるみる顔は不安そうな顔になっいく。
「?先輩、どうなされたんですか?」
「………あのね、ひかる君」
ん?なんか嫌な予感がする?
「うちの剣道部の顧問はね」
そう思ったとたん、入り口のほうから何かが飛んできた。
何かは向こうの壁まで飛んで行って、壁に激突した。
土煙がすごい。
「………なんか今飛んできましたけど」
「うん、あれがね…」
「おー。いてててて。何すんだよ、かぐ「お前が下の名で私を呼ぶなぁぁぁぁぁぁああ!!!」Σげふっ!」
「あれ!?日向?!」
いきなり日向かぐやが現れたと思うと、なにかに飛び蹴りを喰らわした。
「ちょ、何やってんだよ!!てか、何それ?!」
だんだん土煙が晴れていく。あいつが踏みつけているものも見えた。
―――おっさんだ。
「!!」
けど、おっさんは踏みつけられておらず、なんと腕でアイツの足をガードしていた。
「ち、スカートの下はズボンを穿く派か。脱げってずっと言ってんだろ。剣道でも絶対邪魔だから」
「黙れ!!」
そう言って猛攻撃をしかける日向かぐや。しかし、おっさんが綺麗にいなしていく。
「ちょ、先輩!!あのおっさん何なんですか!?部外者じゃないんですか!?」
「…………………………………………」
「ちょ、先輩ってばっ!」
「……顧問なの………………」
「はい?!」
「あの人がね……あたし達の剣道部の顧問なの」
「………………………………………………………………………………………………へ?」
間抜けな声を出した僕は、乱闘している2人を見た。
―――剣道部って………乱闘するようなところなの……?
そう思って本日2回目呆然となった僕だった…

††続く††

日向かぐやに騙された僕は―――――――――

結局、これからの生活の大半を学校で過ごすことになった――――――

†††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††

まさかの美しい先輩が男だということを告白された日から3日。今日が生まれて初めて部活動をする日だ。
ってか僕は部活動したことないんだけど。中学は帰宅部だったし。
いきなり僕剣道なんてできんのかな…
まぁいざとなったら、退部ってゆー手もあるし。
大丈夫か。
放課後、武道場まで歩きながらこんなことを考えていると、野球部の声が聞こえる。
うわぁ…青春だなぁ……
そう思ってしばし立ち止まって、他の部活動生の声を聞いていた。
―――柄にもないことをしなければよかった。
後悔先に立たず。このことわざは、今の僕にぴったりだった。
なぜなら…
「Σはぎゃっ!!!!」
――――――……竹刀が飛んできたからだ………
その竹刀は見事僕の頭にクリーンヒットし、僕はそのまま横に倒れた。
「伊万里ィッ!!!さっさと来ないかァァ!!!」
武道場から聞こえる怒声と、カラカラッと竹刀が転がる音を聞きながら僕は起き上がった。
竹刀を投げた人物はそう―――――――――我等が部長、日向かぐやだ。
あぁ、僕は今日生きて帰れるのだろうか……

「ってかなんで竹刀を投げてきたんだよ!!」
武道場に着き、日向かぐやの投げた竹刀を持ちながら上がった。
「そんなことはどーでもいい。むっ、靴はきちんと並べろ」
「はいはい」
ち。細かいことを気にするやつめ。
「あと武道場に入ったら、ちゃんと一礼してから入るのだぞ」
「はいはい」
そー言って改めて礼をした。うん、僕って素直。
「あー伊万里くん♪こんにちわっ」
「Σうわぁっ!」
出た!オカマの先輩、日置しずく先輩!やっぱ……慣れないなぁ…。
「うわー…『Σうわぁっ!』だって。ちょっと傷つくなぁ(;;)」
「あ……すみません」
「こら伊万里。お主、いくら先輩がオカマオカマと言われ続けてきたからってな、傷つくものは傷つくのだ」
「いや、お前それ言いすぎだろ。僕より言ってんじゃん」
はぁ…と溜め息をついた。こんなんで部活やっていけんのかなぁ…。
「あ、そうだ伊万里くん♪」
「はい?」
てか持ち直し早いなこの人。
「これから『ひかるくん』って呼んでいい?wwあたし、名前で呼ぶほうが好きなんだ♪」
あーそんなことかぁ。別に聞くほどのことでもないよな?
「あ、別に構いません。先輩のお好きなように」
「本当っ!!?wwありがとうっ^^」
満面の笑みで本当に嬉しそうだ。…こうやって笑っている先輩を見ると、やっぱり女の子にしか見えない…//////
「よし、それでは部活始めるとしよう」
日向かぐやの号令で人生初めての部活が始まった。

「整列ッ」
え、僕体育服でいいの?
「着座ッ」
えっ、えっ??正座っすか?
「姿勢を正して、黙想ッ」
黙想ってなんだよ――――――!!!!
まったくもって分からない。せめて、説明は事前にしてくれって。
ただ―――黙想が、目を閉じ、精神を統一するものだとは2人を見て分かった。
「―――やめッ」
あ、終わったんだ。
「ご神前に、礼」
ここでも礼か。なるほど。
「お互いに、礼」
と言って、日置先輩が1歩後ろに下がった。
ご神前に礼し終わったら………
『お願いしますッ!!』
顔を見合わせてお互いに礼をするのか。
「伊万里」
「ん?」
なんなんだ?いきなり呼んで。
「お主、何故に作業服なのだ?」
「はぁっ?!」
「いや、何故剣道着を着ないんだ?お主は剣道部員だろう?」
「剣道初心者で、何も分からないんだけど!!!」
ほんとに何も分からないんだよ!!!!何でお前が僕を剣道部に入れたのかが謎なんだけど!
そこ考えて!!
「そしたら剣道着、買おっか♪カタログもあるしww」
そう言って日置先輩が助け船を出してくれた。
「あ、はい。お願いします。なんか、すいません」
「いいよ♪あたしも最初は何も分からなかったもんww」
やっぱりなんだかんだいって、日置先輩の笑顔にはホッとするなぁ///
……日向かぐやの笑顔は身震いがするけど。
「それでは……今日の部活は伊万里の剣道着選びと、改めて剣道部の紹介をしよう」
あ、今日の部活は生きて帰れそうだ。

剣道着選びは、先輩がカタログを持っててくれたおかげですぐに終わった。
費用はもちろん自費だ。しかも左腕のところに『天照高』って入れるから、またちょっと費用がかさむ。
………お袋、いやお母様にお願いするとしよう…
ただ嬉しいことは、防具を買わなくて済むことだ。
今までの先輩方が、置いていったそうだ。
……ありがとうございます…名も知らない先輩方……
「えー伊万里の剣道着選びも終わったところで、剣道部の紹介に移る」
そう言って日向かぐやは、どこからともなくホワイトボードを持ってきた。
「まず自己紹介からしておこう。私は剣道部部長、1年の日向かぐやだ。そして部員で2年の日置先輩。以上、2名で活動中だ。質問は?」
「ありまくりなんですけど」
「なんだ伊万里」
「いや、2名ってどーゆーこと?3年の先輩は?」
「いやーそれがね、3年生の先輩はいないんだ(^^;)あたしが1年の頃に入った時には、3・1年しかいなかったし」
「で更に、先輩1人しか入んなかったんですか?」
「そーだねww」
いや、笑い事じゃなくね?これから…どーすんの?
「まぁ2名でも稽古は出来るからな。心配するな。それにお主が入って3名だ。万々歳だ」
「いや、僕初心者なんだけど」
しかも万々歳の意味が分からないし。
「初心者も何も関係ないだろう。これから力をつけていけばいいのだ」
「いや、2人とも経験者じゃん。追いつけるわけないじゃん」
「たわけェェェ!!!」
「Σうぉっ?!」
いきなり日向かぐやが大声を出して、僕は気圧された。目は真剣だ。
「『剣道は剣の理法の修練による人間形成の道である。』」
「へ?」
「…………………」
「つまり力などは弐の次ということだ。まずは己の人間自身を鍛えることが大切なのだ。身体の力だけを求めようとすると己を見失うぞ。剣道はッ!!身体の力だけを求めるものではないッ!!!心の力・身体の力、双方の力を求めるのだッ!!!」
「……………………ッ!!」
「…かぐやチャンらしい説明の仕方ねw」
…圧倒された。というより、驚きを隠せないな……
「『追いつけるわけないじゃん』などではなく、『追いついてみせる』というぐらいの心意気ではいけないな。誰しも始発点は違うのだ。そこから高みを目指して行けばいい。剣道という素晴らしい道は『自分』というものを変えていくのに最適だぞ。後ろ向きな『自分』を変えていけ」
ニッとアイツは笑った。
きっと……コイツも剣道で変わったんだろうと思う。
僕も…………頑張ってみようかな。
「あ、言い忘れていたが」
「ん?」
「部費は一括払いだからな。して金3万円也」
「は!!??」

――――――誰かコイツの金銭感覚を変えてくれ………

††続く††

――――――金髪少女『日向かぐや』に出会ってから―――

なんだかんだで2週間が過ぎた―――

†††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
いつもどおりに学校に登校してきた僕。そして目の前の僕の机の上は―――
墓場と化していた。
「やぁ伊万里。お早う」
畜生。このヤロウめ。僕の机をこんなんにしたのはお前だろうが。
すべては――僕がコイツの命令を断ってから始まった。
机の上の墓場。詳しく言えばプリント・本の山。又はフィギュア…。
――――すべて剣道に関するものだ。
「あ―――――!!!今日はなんだよ!!…あ?『剣道の極意について?』………知るかっ!!!!」
思いっきり叩きつけると日向かぐやの眉がつり上がった。
「僕は剣道なんかしないって言ってるだろ!?これ以上しつこく誘うなよ!!」
「剣道を否定する理由が想像できないな。それに入れさせると決意したのだ。お主にとやかく言われる云われはない」
「本人が入らねぇって言ってんだろーが!!!!!」
2週間前にはっきりと断ったはずだった…。だけど、まさかこんなにしつこく言ってくるとは思わなかった。剣道に熱心なのか、ただの馬鹿なのか。未だに分からないが……ただ言えることは
コイツは生粋の非常識だ。
「おはようっ!!みんなの先生が来たぞっ!!!!」
げ。浪岡太郎だ。
「ん?伊万里ィィ!!!…机上はきれいにな(キラ」
「あ、はい…」
畜生。朝から嫌なことだらけだ。

あっという間に放課後。何故か周りの人が…移動し始めてる。
なんだ?なんか…あったっけ?
そう思ってたら突然後ろから激しい音と共に何かが来た。
「Σって!?」
「何をしている、伊万里。講堂へ向かうぞ」
「え、何!?今のってお前の手のひら!?!?」
「そんなことはどーでもいい。行くぞ」
「どーでもよくないだろ!?てか今からなんかあった?!」
「なんだ忘れたのか?今から部活動紹介だ」
…あ。そーいえば浪岡太郎が言ってたな………。
「ほら、走るぞ。時間まであと30秒しかない」
「は?!それ間に合うわけ…Σぅわぉっ!?」
またもやコイツは人間では出せるはずのない速度で走り始めた。
実際講堂までは500メートルほど離れている。しかもここは3階だ。30秒で間に合うはずがない。
……だが僕はここで貴重な経験をする。
あと30秒しかないと急ぐ連中を尻目に、30秒後に講堂に着き、無事着席することに成功したのだ。
僕の髪の毛が逆立っていたことは仕方のないことだと思う。

「新入生のみなさん、入学から2週間が経ちましたがいかがでしょうか?今日は………………………」
生徒会長らしき人の長〜い挨拶が終わると、いよいよ部活動紹介が始まった。
この学校は50以上の部活動があるらしく、1つの部活動の紹介時間がたった30秒だ。
先輩方が忙しく紹介してる中、1つだけ違うものが…………
「皆の衆!!!我が剣道部に入部できる権利を皆は持っている!!!その権利を有効に使う良がい!!」
コイツだ。わははは、と五月蠅い高笑いと共に現れたコイツは30秒を有効に使いやがってきっちり30秒で終わらすことができた。
……けど周りの反応は……
「え、何今のヤツ!!すげぇ!!!」
「かっこよくない?今の娘?!!」
「俺、剣道部に入ろうかなっ!?」
「あたしも入りたいな〜♪」
――――――――――――――――――は!?
なにこいつら!?
大丈夫か!?
日向かぐやの紹介聞いてた!??
この学校に来るやつは………………みんなおかしいのか?!
「……以上で部活動紹介を終わります。入部届けは各自で貰い、届けてください」
結局、僕は部活に入らないと決意した部活動紹介だった。

「伊万里。武道場に行くぞ」
「はぁっ!?…ってΣぅおっ」
有無を言わさない速さに未だ僕は慣れない。…ってゆーかいきなり連れ出すやつがいるか!?
あああぁぁぁぁぁ〜…と叫んでるうちに、2週間ぶりに会う威厳のある建物に着いた。
中は相変わらず凛としていた。……日向かぐやの布団がある以外は。
それともう一つ違うことが。
それは…………人がいることだ。
「こんにちは、日置先輩。ご無沙汰しております」
いきなり日向かぐやがその人物に挨拶をした。しかも礼儀正しく。
「あれ、かぐやチャンじゃない♪久しぶりねッ」
その人物は既に白い袴を着ていて―――軽くウェーブのかかったふんわりした茶色の髪の毛に似合う笑顔は―――僕の顔を紅くさせるのにそう時間はかからなかった。
「伊万里、この方は私の先輩で日置ご「しずくです♪」…しずく先輩だ。剣道の形がとても美しい方だ」
「はじめまして、新入りさん♪2年4組の日置しずくですwよろしくね^^」
「あっ///いっ1年1組の伊万里ひかっひかるです。よっよろしくお願いします//////」
思いっきり咬みまくった……こんな素敵な人の前で。
…ん?っていうか今『新入り』って?
けど……こんな人がいるなら……いいかもなぁ〜…
「ん?伊万里くん、入るのかね?」
このとき、僕は気づかなかった。
「ほぇ〜///入りまふね〜…///」
「ほほう。良いのだね?」
コイツの…
「ふぁい///」
罠に…
「それではこれに拇印でいいから押しなさい」
「ふぁい」
嵌ってしまったことに。
「よっしィィィ!!ははははは。これで伊万里、お主は剣道部員だ!!!!」
「Σはっ!!しまったァ!!…でも、こんな美人の先輩がいるなら〜///」
「やだぁっww伊万里くんったら♪」
「あぁ、伊万里。お前に1つ言っておくことがある。」
「あ?」
「この先輩は『男』だぞ?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?
「Σちょっと!かぐやチャ「本名『日置剛太(ひおきごうた)』。れっきとした男で、先輩は女の子になることを夢見る『オカマ』というものだ」
「あちゃぁ〜wwバレちゃったかぁ〜wwwあはっ♪」
「………え」
『??』
「えぇぇぇぇぇぇえぇぇえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!??????????????????????????????????????????」

―――神様、いっその事僕を消滅してください。

††続く††

―――気づいたら僕は――――

金髪の女の子に引っ張られていた――――――

†††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††

「ちょっ、待てよっ!!何で僕走ってんの!!?」
金髪の女の子に連れられて走って、いや半ば引っ張られる形だが今僕は金髪少女に拉致られている。
「話はあとだ。今は急ぐぞ」
「は?!Σ!?ぅおっ」
なんか喋ったかと思った瞬間、金髪少女はスピードを上げた。
…てかこれ人間が出せるスピードじゃねぇだろっ!!何なんだよっ、コイツは!!
金髪少女に拉致られている僕はなす術もなく、ただ呆然となっていた。
ただ驚いたことは……本当に金髪少女のスピードが速すぎることだった。
周りの景色が…あっという間に過ぎていく――――
「よし、着いたぞ」
「Σへぶっ!!」
いきなり止まりやがった、コイツ!!
おかげで僕は地面に思いっきりキスをした。
「おいっ!!止まるなら止まるって―――」
だが僕の話は続くことはなかった……
「ココが、我が剣道部の武道場だ」
なぜなら、威厳のある建物を見たからだ。

「…ここなんだよ…」
「なんだとは心外だな。武道場に決まっておろう」
金髪少女は入り口で一礼してから、中に入っていった。
僕も慌てて、礼をしてから入った。
中は―――凛とした空気が漂っていた。
透明感のある床板。
淡い木漏れ日が入る窓。
まるでココは別世界みたいだ―――
……ただなーんか違うところは………
なんでココに布団があるんだ―――?
「………おい」
「なんだ?」
「なんでここに布団があるんだ……?」
「あぁ、それは私のだ」
「いや、なんであるの?」
「無論、寝るためだ。それぐらい常識だろう」
「いや!!非常識だろっ!!布団は武道場に置くもんじゃねぇだろっ!?」
「ぐたぐたうるさいな」
はぁっ!?なんなんだ、この非常識は!?
第一に、僕をココまで拉致ってくる自体も非常識だけど…それ以上の非常識だ!!
「っ大体、あんたの名前はなんなんだ!?」
「名乗るなら、まず己からなのれ。常識」
「うるせぇっ!!非常識に『常識』って言われたくねぇよっ!!ほら、名前は?!」
「ち、ぐだぐだうるさいヤツだな。私の名は『日向(ひゅうが)かぐや』だ」
!!こいつが……
式に出なかった馬鹿か……
「ほら、次はお前だ」
「…っ伊万里ひかるだ」
「そうか。伊万里ひかる、我が剣道部に入ることを許可する」
「はぁ!!!??」
ほんとになんなんだ!?

「……っちょっと待てよ」
「なんだ」
「『許可する』ってなんでそんなに上目線なんだ?」
「それは私が部長だからだ」
「お前は今日入学したばっかりだろ!!!!!!!」
我ながら凄い剣幕だったと思う。そーなるぐらい、こいつは非常識だ。
「大体、なんで式に出ねぇんだよ!!」
「あ〜めんどくさかった」
「はぁ!?ふざけてんの?!」
「剣道がしたかったから武道館に来ていた」
「お前生徒代表だったぞ!?」
「そーいえばそうだった」
「Σおい!!」
…………僕って……ツッコミキャラだっけ…?
「てことで伊万里、剣道部に入れ」
「やだよ」
そーだよ。誰が剣道なんてやるかよ。あんな汗臭いもん。
「………なんて……?」
「やだっつったの」
「…………………………」
…やべ。キレたか…?
けどココははっきり断らないとな。
「…ふっ、残念だったな」
けれどコイツは不敵に笑った。なんか嫌な予感がする。
「この武道場に入った時点で、お主はもう剣道部員になったのだ」
「はぁ!?どーゆーことだよ!?」
「ふっふっふ。これを見ろ」
アイツは僕に紙を押し付けてきた。
「あっ?!なんだこりゃ……!!入部届けェ!??」
「そうだ。先ほど私が書いたものだ」
「てめぇぇ!!何人の許可なしに書いてんだ?!」
「何を言っておる。『私』が『許可』したんだ。この領域では私が法律だ」
「何むちゃくちゃ言ってんだよ!!」
「ということでお主は無事に剣道部員になることができた。おめでとう」
「おめでとうじゃねぇよ!!!!」
ほんとに………なんなんだ!!!!!!
コイツの頭ン中は…絶対おかしい。
宇宙より果てしない頭をしてるに違いない…
ばかばかしい。こんなヤツに付き合ってられるか。
僕は武道場から出た。
「!!伊万里!!何故出て行く!?」
「馬鹿か、お前。家に帰るんだよ」
「今剣道部に入ったではないか!!」
「誰が入るか。そんなもん、こーだよ」
そー言って僕は入部届けの紙をバラバラにちぎった。
「…!!」
「本人にやる意志がねぇんだ。お前の願望を他人に強要すんなよ」
まったくもってその通りだ。
やってみたくもねぇもんをさせられんのが一番嫌なんだ。
それに、お前みたいに熱血なやつもな。
「………おもしろい」
「?」
「決めたぞ!!私はお主を我が剣道部に入れる!!いや、入れさせる!!」
「なっ……」
こいつ……ほんとに馬鹿か…
「ふっふっふ。今日はおとなしく引いてやろう。だが!!これから覚悟するんだな。私はお前をいつも見ているからな!!」
アイツの…澄んだ瞳が僕をキッと見た。
鋭い眼光は…熱い熱意と楽しそうな色をしていた。

僕の高校生活は…どうなるんだろう。

††続く††

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