2004選挙

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2009年の下院議員選挙が4月22日と発表されました。
南アフリカは大統領選挙は実施しないため、この選挙の後、国会での選挙により選出されます。
現状維持で与党ANCが勝利すれば、ズマANC議長が大統領に就任することになります。
また、この選挙と同時に州議会議員選挙が行なわれ、野党勢力の強い西ケープ州とクワズル・ナタール州では、し烈な選挙運動合戦が予想されています。

このブログでも、2009年の選挙について紹介しておりますが、参考となる2004年の選挙結果の解説が、花田吉隆著(第三書館)の「ポストアパルトヘイトの政治経済」に記載されておりますので、お借りして紹介させて頂きます。

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L教授は今回(2004年)の総選挙結果を総括して次のように述べている。

「野党に比べ、ANCは若年層を含め全ての層に対しまんべんなく選挙活動をしたといえよう。白人層に対しても特に中間層、労働者層に浸透した。化学産業カウンシル(CSIR)の調査では、前回はANCは白人層の4%しかとれなかったが、今回は15%を獲得したという」

「ANCに対する白人層の支持急増は、ANCの選挙キャンペーンの巧みさの他に、そもそも白人がANCによる政治を評価したということが大きい。94年の民主化に際し、ANCは白人に対し、対立ではなく和解で臨んだ。今回もNNP党首を入閣させるなど、その白人層に対する配慮ある姿勢を白人は評価した。一言で言えば、白人層の15%の支持は、この10年のANC政治に対する信任と言える」

「これに対し、DAは有効な対策を示すことができなかった。そもそも、DAにしろ、ANCにしろ具体的な政策に大差はない。例えば、両党とも貧困を失業と並んで最大課題に掲げているが、貧困対策として、最終的には政府の直接給付以外有効な施策がないことにつき両党に意見の対立はない。その結果、DAは大所高所からの政策論争を挑まず、個別の、しかも殆ど南ア国民の関心の引かない事柄についてANC批判を繰り広げてしまった」

「白人、特に若年層は何を心配しているか。それは失業も去ることながら、最大の心配はアファーマテイブアクション(BEE政策)に他ならない。従って、DAがそういった事柄にもっと焦点を絞った選挙戦を繰り広げていれば、違った展開になっていたかもしれない」

「DAは今回40万票上積みしたが、当初目標は100万票増であった。DAは黒人票取り込みに向けその主たる努力をタウンシップに注ぎ、タウンシップの10から15%の票の獲得を目指した。しかし結果はDAが獲得した黒人票は15万票に過ぎず、DAの193万票は主として白人、カラード、インド系によるものであった。白人票については、これまでの固定票は今回も獲得したが、新たな白人票という点では増加と言えるほどのものではなかった。
DAは今回二つの点で失敗した。第一はトニーレオン党首に対する黒人の不信を最後まで解消できなかったこと、第二は、IDを軽視したことで、IDはその獲得数の半分を西ケープ州で、残りの半分を白人若年層から獲得することに成功した。DAは逆に、若年中間層対策を怠ったことが、白人若年層がIDに流れる結果を招いた」

「選挙登録者層の低下と棄権者数の増加については、特に若年層に顕著である。若年層が政治に無関心になるのは洋の東西を問わず見られることだが、南アの場合その傾向が際だって大きい。一つには、政党側が若年層への配慮を怠っているからであり、第二には失業が若年層にことのほか影響を及ぼしているからである。特に、しかるべく学業を終えたにも拘わらず、就職の機会を得られない層が増加しており、彼らに対する関心は殆ど見受けられない」

「今回、DAはANCの対抗軸となることに失敗した。その持つ意味は決して小さくない。しかし野党はこれに懲りず、新たな挑戦を始めるべきである。DAが失敗したことは、その意味では決して悪いことではない。では、野党はどの方向に戦略を定めて行くべきか。それは野党の統合であろう。現在の主要9野党は相互に反目し合っている。しかし、現在のような状況のままでは、野党がやがて衰退していくことは目に見えている。野党はそれを認識して統合を図るべきである。DAはかって、NNPとの統合を考えたことがある。しかしこれは機能しないであろう。しかし仮にDAが黒人政党と統合することがあれば、有権者にはアピールしよう。そういう形での野党統合ができるか否か、南アの民主主義の将来はそこにかかっているのではないか」

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(お詫び:「ポストアパルトヘイトの政治経済」からお借りしました。写真は南アフリカの新聞からお借りしました)

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2009年4月頃に行われる下院議員選挙について紹介しています。
紹介する内容が分かるように、過去の関連記事を紹介しています。


2006/4記

4月9日、白人とカラードが母体の新国民党は、解散を問う党内投票で解散が決定しました。
投票者は88人で、83人が賛成、2人が反対、3人が保留でした。

1994年の全人種による選挙でANCのマンデラ大統領が誕生する前は、国民党(National Party)が与党で、デクラーク氏が大統領でした。
1994年の選挙では野党第1党になり、与野党連立内閣でデクラーク氏が第2副大統領(第1副大統領はANCのムベキ氏)に就任しましたが、「ANCと一緒では国民党の政策が展開できない」と言って副大統領職を辞任しました。
1990年代の後半に、国民党は他の白人母体の政党と合併して新国民党を設立しました。

2004年の選挙では、新国民党は大敗が予想されました。
選挙運動中に新国民党のスチャルクビック党首は、与党ANCと協力体制を結びました。
新国民党はANCに協力することで、唯一の基盤であった西ケープ州で、ANCに敗れても首相の座を維持しようとしたのですが、大敗してANCへ首相の座を譲ってしまいました。

2004年の選挙は民主化10周年にあたり、大勢の黒人層がANCに期待をして投票し、ANCは3分の2以上の議席を獲得して単独で法律を変えられるようになりました。
「ANC議員の腐敗」、「逆アパルトヘイト(黒人優遇)」、「黒人貧困層の増加」などが囁かれている今、「ANCに投票してよかった」と思える日がくるのでしょうか?

2004年選挙の議席数(合計400議席)
1 ANC(African National Congress):      279
2 DA(Democratic Alliance):           50
3 IFP(Inkatha Freedom Party):         28
4 UDM(United Democratic Movement):        9
5 ID(Independent Democrats):           7
6 NNP(New National Party):            7

1994年選挙の議席数(合計400議席)
1 ANC(African National Congress):      252
2 NP(National Party):              82
3 IFP(Inkatha Freedom Party):         43

(お詫び:写真は南アフリカの新聞からお借りしました。当時の新国民党のスチャルクビック党首です)

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2004年の下院議員選挙結果を保存しておきます。

■南アフリカの選挙結果

すでに日本の新聞でも紹介されていますように、4月14日に行われた選挙結果が17日に発表され、アフリカ民族会議(ANC)の圧勝に終わりました。
23日に下院議会でムベキ大統領が再任され、27日に就任式が行われる予定です。
9州の首相(知事)は21日に発表され、すべてANCからだそうです。


■南アフリカ下院議員数(合計400議席)

1 ANC(African National Congress):      279
2 DA(Democratic Alliance):           50
3 IFP(Inkatha Freedom Party):         28
4 UDM(United Democratic Movement):        9
5 ID(Independent Democrats):           7
6 NNP(New National Party):            7
7 ACDP(African Christian Democratic Party):   6
8 FF+(Freedom Front plus):            4
9 UCDP(United Christian Democratic Party):   3
10 PAC(Pan Africanist Congress):         3
11 MF(Minority Front):               2
12 APO(Azanian People's Organisation):      2 


■南アフリカ州議会議員数

ハウテン州(73議席)
 ANC(African National Congress):       51
 DA(Democratic Alliance):           15
 IFP(Inkatha Freedom Party):          2
 UDM(United Democratic Movement):        1
 FF+(Freedom Front plus):            1
 ACDP(African Christian Democratic Party):   1
 ID(Independent Democrats):           1
 PAC(Pan Africanist Congress):         1

マプマランガ州(30議席)
 ANC(African National Congress):       27
 DA(Democratic Alliance):            2
 FF+(Freedom Front plus):            1

リンポポ州(49議席)
 ANC(African National Congress):       45
 DA(Democratic Alliance):            2
 ACDP(African Christian Democratic Party):   1
 UDM(United Democratic Movement):        1

北西州(33議席)
 ANC(African National Congress):       27
 UCDP(United Christian Democratic Party):   3
 DA(Democratic Alliance):            2
 FF+(Freedom Front plus):            1

自由州(30議席)
 ANC(African National Congress):       25
 DA(Democratic Alliance):            3
 FF+(Freedom Front plus):            1
 ACDP(African Christian Democratic Party):   1

クワズール・ナタール州(80議席)
 ANC(African National Congress):       38
 MF(Minority Front):               2
 IFP(Inkatha Freedom Party):         30
 DA(Democratic Alliance):            7
 ACDP(African Christian Democratic Party):   2
 UDM(United Democratic Movement):        1

西ケープ州の議席数(42議席)
 ANC(African National Congress):       19
 NNP(New National Party):            5
 DA(Democratic Alliance):           12
 ID(Independent Democrats):           3
 ACDP(African Christian Democratic Party):   2
 UDM(United Democratic Movement):        1

北ケープ州の議席数(30議席)
 ANC(African National Congress):       21
 DA(Democratic Alliance):            3
 NNP(New National Party):            2
 ID(Independent Democrats):           2
 FF+(Freedom Front plus):            1
 ACDP(African Christian Democratic Party):   1

東ケープ州の議席数(63議席)
 ANC(African National Congress):       51
 UDM(United Democratic Movement):        6
 DA(Democratic Alliance):            5
 PAC(Pan Africanist Congress):         1


■IFPはANCとの提携を否定

4月14日、下院議員選挙と同時に行われた州議会議員の選挙で、クワズール・ナタール州は次のような結果でした。

クワズール・ナタール州(80議席)
ANC連合
 ANC(African National Congress):       38
 MF(Minority Front):               2
IFP−DA連合
 IFP(Inkatha Freedom Party):         30
 DA(Democratic Alliance):            7
単独
 ACDP(African Christian Democratic Party):   2
 UDM(United Democratic Movement):        1

ANCあるいはIFPとの連合を表明していない2政党3議席の動向が注目されています。
メディアが、「IFPがANCに協力」と報じていることに対して、IFPのスポークスマンは否定したそうです。
また、4月17日、選挙管理委員会が最終結果を発表し、「選挙は自由・公平に行われて」と発表したことに対して、非難したそうです。

選挙管理委員会への苦情は42件で、その殆どがクワズール・ナタール州であり、「外部の投票所(本来の住居でない場所)での投票が認められているため、同一人が2回以上の投票をした」、「選挙人への投票妨害があった」等が主な苦情だそうです。
選挙管理委員会への非難は、「これらの苦情を全く調査していない」ことだそうです。

単独2政党の動きが注目されています。
ANCが、「ANCマジックを使うのか?」も興味があるところです。
このANCマジックとは、南アフリカの選挙が比例代表制であるにもかかわらず、議員が政党を変えることが出来るため、1999年の選挙後にANCが議席数を増やしたことから付けられた名前みたいです。

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