フィクション(悪女、猫の話)

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初夢2012

三匹のブー、フー、プー
 
正月も2日の朝方、寝床で目覚めそうになっていたが、目は開かない。身体も動かない。金縛り状態。いったいどうなっているのだろうと、昨夜 (ゆうべ )を振り返ってみると、連日の飲酒でウトウトした状態で。寝間に入り、寒かったので、ロールケーキのように布団に包まって (くるまって )寝てしまったことに気がついた。こういう時は二度寝するに限ると、起きることをあきらめた。
あれから、何分か、何時間が過ぎたかは、分からないけれど、今度は目が覚めた。だが身体はロールケーキ状態のままであった。そして驚いたことに、私のいる場所は、身長の50倍ほどの高さの木の上であった。下を見ると目眩 (めまい )がするほどの高さである。しかしビックリするのはその後である。なんと私の身体は緑色のロールケーキ、いや青虫になっていた。イメージ 1
 
 
この場所には、見覚えがある。小学校の校庭だ。ブランコが見える。そう、校庭の端のカラタチの垣根だ。ところで、なんで俺は青虫に入れ替わったんだ。去年見たテレビドラマでも人が入れ替わったものが結構あったけど、江戸時代の医者だったり、極道の親分だったりで、いずれも人間の範疇だったはずだ。
 
  B「お前ら、あっちに行けよ。」
声がする方を見ると、俺と同じ形の青虫がこっちを向いて怒鳴っていた。
  F「プー兄さん、あっちへ行こうか。ブー兄さんが煩い (うるさい )から。」
 
反対側の声がする方を見ると、まったく同じ形の青虫が寂しそうな顔をして俺に声をかけていた。
 
P「君は何て言うの?」
F「プー兄さん、何言ってんの。昨日、木から落ちた時、頭の打ち所悪かったのかな。僕だよ。フーだよ。」
B「さっさとお前ら、よその枝に行けよ。3人もいたらここの葉っぱだけじゃ、どうせ足りないんだから。」
  F「プー兄さん、あっちへ行こうよ。ブー兄さんが煩い (うるさい )から。」
 
意味が分からないまま、フーと2人で違う枝に移動した。フーという弟らしき青虫は、俺の枝のさらに先の若いみずみずしい葉っぱのある枝に移っていった。
カラタチの葉はレタスやキャベツと違いかなり硬いけど、臭みはなく、平気で食べることができた。マヨネーズがあればさらに食べやすかっただろうけど。
俺はやはり青虫に入れ替わったのかもしれない。
 
カラタチの葉を1枚食べ終えたころ
  B「馬鹿スズメが来たぞ。フー、奥の枝に逃げろ!」
フーが必死で俺のいる枝の方に向かってきた。
  F「ふー、なんとか助かったよ。外側の柔らかい葉っぱは、おいしいけど。馬鹿スズメが怖いね。奥の葉っぱは硬いけど、カラタチのトゲが馬鹿スズメから守ってくれるから、安心して食事ができるね。やっぱ、奥の固い葉っぱで我慢した方がいいよね。兄さん達みたいに。」
 
ウーンこいつらの親は、賢いな。この果てしなく続く豊富なカラタチの葉、しかも身を守るトゲさえ備えている。人間と違い一緒に生活しない子供のことを考えているのかも。
 
次の日も、またカラタチの葉を食べるのかと思っていたら。
  B「プー、フー、逃げるんだ!脳タランチュラーが来たぞ!」
脳タランチュラーは、青虫の5倍、足を含めたら20倍ほどの大きさがあった。
  F「ウワーッ」
フーが逃げる時に枝から下に落ちてしまった。下を見るとフーが脳タランチュラーのネットに引っかかっていた。
  B「フーは、もうおしまいだな。昔、俺が脳タランチュラーのネットに引っかかったときは、パタパタと風が吹いてネットが切れて助かったけど。」イメージ 2
  P「ブーさんよ。助けに行こうよ。」
  B「プーよ、無理だよ。俺らもネットに絡められ、食われてしまうのがおちだよ。フーも後少しで、あの世に行けるところだったのに。」
  P「あの世って。じゃあどっちみち死んでしまうと言うことかい。」
  B「いや、あの世に行くってことは、死ぬことじゃないらしいよ。」
そんな時、パタパタと音がした。そして、脳タランチュラーのネットが切れ、フーは、その下のカラタチの葉の上に着地した。
  B「やった。フーが助かった。」
多分、あのパタパタという音とともに吹いた風は、蝶の羽ばたく音のような気がした。
その翌日から、今まであれほどガッツいていたブーの食欲が無くなっていた。
  P「フーよ。ブー兄さんは、何か悪いもんでも食ったのか?」
  F「いや多分、ブー兄さんは、もうすぐあの世に行くんだよ。友達もあの世に行く前は、食欲がなかったみたいだし。」
翌日、ブーは、葉っぱの無い枝の先でじっとしていた。次の日には、繊維に囲まれて完全に仮死状態になっていた。
  F「ブー兄さん、とうとうあの世に行くんだ!」イメージ 3
  P「あの世って、どんな処?」
  F「パタパタ風が吹いたときに、耳元で声がしたんだけど、父さんも母さんも待ってるから、身体が固くなるまで生きなきゃいけないよって。」
 
きっと、ブーは蝶になるんだと思って、じっと仮死状態のブーの方を見ていたが、とうとう俺も食欲が無くなり、身体も固くなってきた。
これで俺はきっと人間に戻れるんだと思っているうちに意識が薄れてきた。
 
そして目が覚めた。
  B「プー、逃げるんだ。糞ガキがアミ持ってこっちの方にくるぞ!」方に来るぞ!」

初夢

イメージ 1
プルルル・・・・
プー「はい。プーですが。」
相手「おー。プーか、久しぶり。」
プー「失礼ですが、どちら様でしょうか。」
相手「俺だよ、俺、俺、冷たいなあー、もう声忘れたのか。」
プー「えっ、大変恐縮ですが、俺、俺って、振込め詐欺とかじゃないですよね。」
相手「あほか。俺だよ。ティガーだよ。お前、携帯の電話帳から、俺消したんか?」
プー「消してないけど。ティガーは、3年前に亡くなってますが。」
相手「そうだよ。でも電話している俺はティガーだぜ。話をすると長くなるからすぐ来いよ。車の音がするけど、今どこ走ってるんだい?」
プー「大阪から名古屋に行く途中で亀山の辺だけど。」
ティガー「じゃあ丁度いいわ。伊勢に向かえって。それで内宮の駐車場に停めたら、橋を渡らんと反対側の山に入り蝋燭の火が点いている杉の下の石を退けると階段があるから、そこから地下に入ってそのまま蝋燭の灯りを辿って2kmほど歩いてくれ。」
 
洞窟の中を進むと、ティガーがいた。
神宮の御神前の酒樽からホースで引っ張ってきている酒で一晩飲み明かした。
 
プー「僕は君の葬儀に行ったけど、君は生きているのかい?」
ティガー「確かに俺は死んだよ。でも今、お前に見えるだろ。それでいいじゃなか。」
プー「今、一人でこの洞窟にいるのかい?」
ティガー「1月中は一人だよ。暇だから、お前呼んだんだ。」
プー「他の月は、誰かいるのかい?」
ティガー「まあな。年上の女がな。彼女1月中は日本中の神社回ってるから。」
プー「酒ばっか飲んでるから、逃げられたってところか。」
ティガー「あほか。彼女も俺以上に酒は好きさ。名前はテラスって言うんだ。」
プー「ひょっとして、外人?」
ティガー「いや、日本人やで。苗字は天のって言ってたけど。」
プー「へぇー、天のテラス、俺らより歳上なのに、変わった名前やな。じゃぁ、ティガーは、天のテラスっていう巫女さんに食わして貰ってるんだ?!」
ティガー「彼女は巫女さんじゃないけど、食わして貰ってるのかもな。そこの壷に金はあるさ。」
プー「えっ、壷の中、見た事無いほど札が入ってるけど?職業、賽銭泥棒なん?」
ティガー「いや、肖像権とか著作権みたいなもんやな。その壷には神宮のさい銭箱から一部落ちてくるんや。それよか、プー、風呂行くか!」
プー「こんな地下に風呂なんかあるの?」
ティガー「あるある。五十鈴川の中ほどに温泉があってな。岸からは見えへんけど。」
 
そんなこんなで二人で川の中の風呂へ入った
 
プー「星空の下で露天風呂とは、最高やね。」
ティガー「プーよ。少し、参拝客が川に投げた硬貨を拾っといてくれへんか。」
プー「えっ、洞窟の壷に数千万はあったのに、小銭を拾うん?」
ティガー「洞窟の壷に落ちてくるのは賽銭箱の横の穴から落ちてくる札ばっかで、小銭は落ちてこないんだ。風呂の後はビールやろ。小銭がいるねん。」
 
ティガーが、裸のまま自販機にビールを買いに行った。
 
プー「ティガー、昔から大胆やったけど、服ぐらい着てけよ。」
ティガー「お前、まだ分かってないんか。俺を見えるのはお前だけなんやで。因みに声が聞こえるのも。」
プー「じゃぁ、五十鈴川の温泉が岸から見えないって言ったのは、ティガーだけなんか。」
ティガー「そやで、第三者には冷たい冬の五十鈴川で、裸でみそぎをしているプーが映っただけやな。」
 
ヘックション、
初夢は、新年会後の、終電で。

初夢

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 昨年は、電車の中での初夢だったが今年はこれといった夢も見ないな。というより、こう忙しく金も無いと、家に帰るなり富士山麓とかいう安くて高濃度のアルコールをひっかけて眠るだけ。なんか昔聴いた山谷ブルースみたいである。北新地の響は、遥か彼方に遠のいた。家の中も屋根はあるものの、子供の参考書や新聞や何ヶ月たっても捨てない化粧品のフライヤーやらカタログ販売の冊子でスラム状態である。くつろげるのは、この会社の喫煙ルームぐらいである。ここは独房の様に周囲を壁に囲まれ入り口は鉄の扉。窓はあるものの開きはしない。さすがに正月明けの3連休にここに入って来る奴は少ない。少し腰が痛いので、2つの椅子を並べて足を投げ出したら急に睡魔に襲われた。

 身体の痛みは取れたが、身体が動かない。2、3分ウトウトしたのだろうか。気がついたら誰かが俺を運んでいる。俺を壁に立てかけている。かなり楽である。だがいっこうに身体は動かない。俺は立ったまま眠ってしまった。

 ビクッ。誰かが俺の股間をさわっている。小さい手である。外は明るく、通勤途中の人も増えたころ、何人かが私のポケットから何かを持っていく。缶コーヒーじゃないか。これはイリュージョンか。しばらくするとダンボールに腕を突っ込んだ女性が来た。私の上着の内ポケットから小銭を回収している。どこかで見た様な光景。そうか、彼女が芥川賞に出てきた自販機に缶ジュースやらを配送している水城さんか。ということは、俺は自販機になってしまったのか。そう言えば、毎年のことであるが初詣では冗談交じりでお願いする癖がある。今年は、「あまり動かなくて仕事が出来ますように」とお願いしたか。それを神さんが真に受けて、俺を缶コーヒーの自販機にしたのか。「神さん冗談はやめとくれ。」といくらお願いしても、つい先日のお願いを聞いてくれたのだから、日本人が1億2千万人もいたら、いつ聞いてくれるのか分かったものではない。

 慌てても仕方がないし、24時間経っても電気が入っているから身体は暖かい。ところが翌朝も、俺の股間を触る奴がいる。何者かと見れば二週間ほど前、会社の近くの公園でタバコを吸っていたらビニール袋に入った空き缶を持って来て「おっちゃん100円で買ってくれへんか。」と言ったガキじゃないか。こいつ多分、毎朝ここら辺の自販機のつり銭忘れをチェックして回っているに違いない。だいたい俺に空き缶を売ろうとは、ひょっとしたらこいつ俺をホームレスと勘違いしてたんとちゃうか。口がきけたら、どやしつけてやるのに。それにしてもこいつ、この寒いのに靴下も履かず、新庄のマネかいな。さっさと学校に行きやがれ。でもよく見たら靴もぼろぼろである。

 しょうがないから、水城さんには悪いが、体を思いっきり揺らして股間から100円玉を10枚ほどつり銭受けに落としてやった。もう10枚と、揺れを大きくしたとき、会社の喫煙室の鉄の扉が開いた。「Pちゃん、すまん、すまん。車のバッテリーが上がってしまって遅くなってしまったわ。」この鷹の様な声で俺は神の呪縛から解き放たれた。これが初夢。

ダ・ピンチ・コード3

イメージ 1

 そのころ、いや時と場所は変わって江戸城では、
家康「半蔵。半蔵はおらぬか。」
半蔵「家康殿、ここに参じております。なんでございましょうか。」
家康「おお、そこにおったか。あの謀(プロジェクト)はどうなっておるか。」
半蔵「ははぁ。祖国伊賀からかなり南に下った山の中を、御三家である紀州藩から借り受け、木曾の馬飼い、近江の牛飼いやらを集め、今進めておる最中でございます。周り五里には人は入れぬよう、峠には山賊もどきを配置しております。」
家康「そんなことは、いい。結果はどうだと聞いておるのじゃ。」
半蔵「夜目・遠目の利くもの、飛脚より健脚のもの、美貌を備えたものは育っておりますが、なにせ人でありまして、すべてを兼ね備えたものは、もうしばらくお待ちくだされ。」
家康「わしはもう歳だ。そんなには待てぬぞ。」
半蔵「ただ、近江の牛飼いは、とてつもなく大きな人を育てましてございます。ただその過程で、病弱で100人ほど亡くなりました。」
家康「ばかものか。わしは、強靭な兵を作れとは言っておらぬ。謀反が起こらぬよう情報を収集できる組織を秘密裏に作り平和を長続きさせよと命じたのだ。分かった、近江の牛飼いは未だ秀吉に忠義しておるのだろう。牛など食ってはならぬと御触れをだせ。」
半蔵「分かりました。」
家康「それと、言っておくが大奥からおなごを連れて行ってはならぬぞ。水戸と尾張に頼め、わしから美人をそろえるよう頼んでおこう。」
半蔵「ははあ。」
        無理やり 完

ダ・ピンチ・コード2

イメージ 1

 3回目、彼女は今、私の前にいる。私の前でタンブラーを13回転半回している。たまたま友人と新地のよく行く店に行ったら、転勤組やらの歓迎会で満席との事、しかたなく同じビルの向えの店に入った。そこで私の前に座ったのが彼女であった。さすがに、初対面の彼女にいきなり、前見たことあるでとは言えなかった。でも俺は友人をほったらかしにして彼女にばかり目を向けていた。

友人「そんなんだったら、一人でくればよかったのに。」
俺 「ごめん。ごめん。ほんとに。」
友人「それより、こう景気が悪いんじゃ、ろくな仕事もないやろ。どう草刈(ゴルフ)にでも行かへんか。少し遠いけど奈良とか和歌山まで行ったら泊まりでも結構安くいけるで。温泉もあるらしいよ。」
俺 「その温泉って、竹下景気の時に一市一町に一億円づつばら撒いて、あっちこっちの村が温泉掘ったっていうやつと違うんか。」
友人「それそれ。」
俺 「やっぱり、お前が言うゴルフパックが安いその村だったら、当時、温泉のボーリング中に人骨が出てきて警察がボーリングで抜き取られた骨を持って帰り、骨の時代を調べたっちゅうやつやろ。ただ調べた結果は江戸時代の初期のもんだったとかで、事件にならず、結局な〜んも調べんと収束、温泉掘り当てたやつやろ。」
友人「ピンポン。」
俺 「きしょく悪〜。俺ゴルフしても、温泉、遠慮しとくわ。」
友人「そんなん、どうもあらへんわ。あんまり大声で言うと、村から営業妨害で訴えられるで。ただ、骨はその後もかなりでてきたらしいよ。それも全部子供の骨だったらしい。村長が変な噂を嫌ってボーリングしたおっさんに口止め料として骨を掘った分は、カチカチの岩を掘った単価で工事費の精算したらしいで。」
女性「そうなんだ、村長とボーリング屋さんワルーッ。今度、お金もろたろ。」
友人「そんなことしたら、恐喝やで。かわいい顔して冗談やろうけど。」
女性「本気よ。ただ、その村長、わたしのおじいさんだけど。」
俺 「君、まさか、あそこから通ってるの。」
女性「冗談でしょ。あそこからはとても無理。でも今住んでいるのは、こことあそこの間ぐらいかな。」
俺 「それより、君は俺を見たことないかい。」(やっと聞けた)
女性「ごめんなさいね。記憶にはないけど、ひょっとして私を探して今日来てくれたわけ?」
友人「気〜つけや。こいつ、いつもこういう手口やから。」
俺 「あほか。俺は、間違っているかも知らないけれど、数年前、君に良く似た、でも少し知恵が・・・・・。そして少し前、近鉄難波で・・パンプスの・・・・・。」
女性「そうなの。お世話になったんだ妹が。その節は、ありがとうございました。少し前のは、多分私だけどね。近鉄でおじいさんのいる田舎に帰るところを見られたのかな。妹はその後、病気で亡くなっちゃたけどね。」
俺 「君、難波まで歩いてたの、あの日。」
女性「そうよ、結構みんな歩いてる人いるわよ。」
俺 「でも、歩くにしたら、本町から難波まで10分も経ってなかったよ。少し速すぎないかい。」
女性「本町でも私を見たの。」
友人「お前はストーカーか。まあ、彼女だったらその価値はあるかもしれないけどね。」
女性「自転車だったのかな。」
俺 「あのスカートでかい。」
友人「やっぱお前、ミニスカ追いかけるストーカーだったんだ。」
俺 「あほか、お前といっしょにすんな。」
友人「それにしても、あの温泉付ゴルフ場、いまでも周り20kmには民家なんかないけど、いったい大昔何があったって言うんだろうね。彼女地元だから、ひょっとして知ってんじゃないの。」
女性「知ってるわよ。でも私、おじいさんに口止めされているの。小判10枚で。冗談よ。」

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