|
三匹のブー、フー、プー
正月も2日の朝方、寝床で目覚めそうになっていたが、目は開かない。身体も動かない。金縛り状態。いったいどうなっているのだろうと、昨夜 (ゆうべ )を振り返ってみると、連日の飲酒でウトウトした状態で。寝間に入り、寒かったので、ロールケーキのように布団に包まって (くるまって )寝てしまったことに気がついた。こういう時は二度寝するに限ると、起きることをあきらめた。
あれから、何分か、何時間が過ぎたかは、分からないけれど、今度は目が覚めた。だが身体はロールケーキ状態のままであった。そして驚いたことに、私のいる場所は、身長の50倍ほどの高さの木の上であった。下を見ると目眩 (めまい )がするほどの高さである。しかしビックリするのはその後である。なんと私の身体は緑色のロールケーキ、いや青虫になっていた。
この場所には、見覚えがある。小学校の校庭だ。ブランコが見える。そう、校庭の端のカラタチの垣根だ。ところで、なんで俺は青虫に入れ替わったんだ。去年見たテレビドラマでも人が入れ替わったものが結構あったけど、江戸時代の医者だったり、極道の親分だったりで、いずれも人間の範疇だったはずだ。
B「お前ら、あっちに行けよ。」
声がする方を見ると、俺と同じ形の青虫がこっちを向いて怒鳴っていた。
F「プー兄さん、あっちへ行こうか。ブー兄さんが煩い (うるさい )から。」
反対側の声がする方を見ると、まったく同じ形の青虫が寂しそうな顔をして俺に声をかけていた。
P「君は何て言うの?」
F「プー兄さん、何言ってんの。昨日、木から落ちた時、頭の打ち所悪かったのかな。僕だよ。フーだよ。」
B「さっさとお前ら、よその枝に行けよ。3人もいたらここの葉っぱだけじゃ、どうせ足りないんだから。」
F「プー兄さん、あっちへ行こうよ。ブー兄さんが煩い (うるさい )から。」
意味が分からないまま、フーと2人で違う枝に移動した。フーという弟らしき青虫は、俺の枝のさらに先の若いみずみずしい葉っぱのある枝に移っていった。
カラタチの葉はレタスやキャベツと違いかなり硬いけど、臭みはなく、平気で食べることができた。マヨネーズがあればさらに食べやすかっただろうけど。
俺はやはり青虫に入れ替わったのかもしれない。
カラタチの葉を1枚食べ終えたころ
B「馬鹿スズメが来たぞ。フー、奥の枝に逃げろ!」
フーが必死で俺のいる枝の方に向かってきた。
F「ふー、なんとか助かったよ。外側の柔らかい葉っぱは、おいしいけど。馬鹿スズメが怖いね。奥の葉っぱは硬いけど、カラタチのトゲが馬鹿スズメから守ってくれるから、安心して食事ができるね。やっぱ、奥の固い葉っぱで我慢した方がいいよね。兄さん達みたいに。」
ウーンこいつらの親は、賢いな。この果てしなく続く豊富なカラタチの葉、しかも身を守るトゲさえ備えている。人間と違い一緒に生活しない子供のことを考えているのかも。
次の日も、またカラタチの葉を食べるのかと思っていたら。
B「プー、フー、逃げるんだ!脳タランチュラーが来たぞ!」
脳タランチュラーは、青虫の5倍、足を含めたら20倍ほどの大きさがあった。
F「ウワーッ」
フーが逃げる時に枝から下に落ちてしまった。下を見るとフーが脳タランチュラーのネットに引っかかっていた。
B「フーは、もうおしまいだな。昔、俺が脳タランチュラーのネットに引っかかったときは、パタパタと風が吹いてネットが切れて助かったけど。」
P「ブーさんよ。助けに行こうよ。」
B「プーよ、無理だよ。俺らもネットに絡められ、食われてしまうのがおちだよ。フーも後少しで、あの世に行けるところだったのに。」
P「あの世って。じゃあどっちみち死んでしまうと言うことかい。」
B「いや、あの世に行くってことは、死ぬことじゃないらしいよ。」
そんな時、パタパタと音がした。そして、脳タランチュラーのネットが切れ、フーは、その下のカラタチの葉の上に着地した。
B「やった。フーが助かった。」
多分、あのパタパタという音とともに吹いた風は、蝶の羽ばたく音のような気がした。
その翌日から、今まであれほどガッツいていたブーの食欲が無くなっていた。
P「フーよ。ブー兄さんは、何か悪いもんでも食ったのか?」
F「いや多分、ブー兄さんは、もうすぐあの世に行くんだよ。友達もあの世に行く前は、食欲がなかったみたいだし。」
翌日、ブーは、葉っぱの無い枝の先でじっとしていた。次の日には、繊維に囲まれて完全に仮死状態になっていた。
F「ブー兄さん、とうとうあの世に行くんだ!」
P「あの世って、どんな処?」
F「パタパタ風が吹いたときに、耳元で声がしたんだけど、父さんも母さんも待ってるから、身体が固くなるまで生きなきゃいけないよって。」
きっと、ブーは蝶になるんだと思って、じっと仮死状態のブーの方を見ていたが、とうとう俺も食欲が無くなり、身体も固くなってきた。
これで俺はきっと人間に戻れるんだと思っているうちに意識が薄れてきた。
そして目が覚めた。
B
B「プー、逃げるんだ。糞ガキがアミ持ってこっちの方にくるぞ!」方に来るぞ!」
|
フィクション(悪女、猫の話)
[ リスト | 詳細 ]
|
プルルル・・・・
プー「はい。プーですが。」
相手「おー。プーか、久しぶり。」
プー「失礼ですが、どちら様でしょうか。」
相手「俺だよ、俺、俺、冷たいなあー、もう声忘れたのか。」
プー「えっ、大変恐縮ですが、俺、俺って、振込め詐欺とかじゃないですよね。」
相手「あほか。俺だよ。ティガーだよ。お前、携帯の電話帳から、俺消したんか?」
プー「消してないけど。ティガーは、3年前に亡くなってますが。」
相手「そうだよ。でも電話している俺はティガーだぜ。話をすると長くなるからすぐ来いよ。車の音がするけど、今どこ走ってるんだい?」
プー「大阪から名古屋に行く途中で亀山の辺だけど。」
ティガー「じゃあ丁度いいわ。伊勢に向かえって。それで内宮の駐車場に停めたら、橋を渡らんと反対側の山に入り蝋燭の火が点いている杉の下の石を退けると階段があるから、そこから地下に入ってそのまま蝋燭の灯りを辿って2kmほど歩いてくれ。」
洞窟の中を進むと、ティガーがいた。
神宮の御神前の酒樽からホースで引っ張ってきている酒で一晩飲み明かした。
プー「僕は君の葬儀に行ったけど、君は生きているのかい?」
ティガー「確かに俺は死んだよ。でも今、お前に見えるだろ。それでいいじゃなか。」
プー「今、一人でこの洞窟にいるのかい?」
ティガー「1月中は一人だよ。暇だから、お前呼んだんだ。」
プー「他の月は、誰かいるのかい?」
ティガー「まあな。年上の女がな。彼女1月中は日本中の神社回ってるから。」
プー「酒ばっか飲んでるから、逃げられたってところか。」
ティガー「あほか。彼女も俺以上に酒は好きさ。名前はテラスって言うんだ。」
プー「ひょっとして、外人?」
ティガー「いや、日本人やで。苗字は天のって言ってたけど。」
プー「へぇー、天のテラス、俺らより歳上なのに、変わった名前やな。じゃぁ、ティガーは、天のテラスっていう巫女さんに食わして貰ってるんだ?!」
ティガー「彼女は巫女さんじゃないけど、食わして貰ってるのかもな。そこの壷に金はあるさ。」
プー「えっ、壷の中、見た事無いほど札が入ってるけど?職業、賽銭泥棒なん?」
ティガー「いや、肖像権とか著作権みたいなもんやな。その壷には神宮のさい銭箱から一部落ちてくるんや。それよか、プー、風呂行くか!」
プー「こんな地下に風呂なんかあるの?」
ティガー「あるある。五十鈴川の中ほどに温泉があってな。岸からは見えへんけど。」
そんなこんなで二人で川の中の風呂へ入った
プー「星空の下で露天風呂とは、最高やね。」
ティガー「プーよ。少し、参拝客が川に投げた硬貨を拾っといてくれへんか。」
プー「えっ、洞窟の壷に数千万はあったのに、小銭を拾うん?」
ティガー「洞窟の壷に落ちてくるのは賽銭箱の横の穴から落ちてくる札ばっかで、小銭は落ちてこないんだ。風呂の後はビールやろ。小銭がいるねん。」
ティガーが、裸のまま自販機にビールを買いに行った。
プー「ティガー、昔から大胆やったけど、服ぐらい着てけよ。」
ティガー「お前、まだ分かってないんか。俺を見えるのはお前だけなんやで。因みに声が聞こえるのも。」
プー「じゃぁ、五十鈴川の温泉が岸から見えないって言ったのは、ティガーだけなんか。」
ティガー「そやで、第三者には冷たい冬の五十鈴川で、裸でみそぎをしているプーが映っただけやな。」
ヘックション、
初夢は、新年会後の、終電で。
|

- >
- Yahoo!サービス
- >
- Yahoo!ブログ
- >
- 練習用
|
昨年は、電車の中での初夢だったが今年はこれといった夢も見ないな。というより、こう忙しく金も無いと、家に帰るなり富士山麓とかいう安くて高濃度のアルコールをひっかけて眠るだけ。なんか昔聴いた山谷ブルースみたいである。北新地の響は、遥か彼方に遠のいた。家の中も屋根はあるものの、子供の参考書や新聞や何ヶ月たっても捨てない化粧品のフライヤーやらカタログ販売の冊子でスラム状態である。くつろげるのは、この会社の喫煙ルームぐらいである。ここは独房の様に周囲を壁に囲まれ入り口は鉄の扉。窓はあるものの開きはしない。さすがに正月明けの3連休にここに入って来る奴は少ない。少し腰が痛いので、2つの椅子を並べて足を投げ出したら急に睡魔に襲われた。 |
|
そのころ、いや時と場所は変わって江戸城では、 |
|
3回目、彼女は今、私の前にいる。私の前でタンブラーを13回転半回している。たまたま友人と新地のよく行く店に行ったら、転勤組やらの歓迎会で満席との事、しかたなく同じビルの向えの店に入った。そこで私の前に座ったのが彼女であった。さすがに、初対面の彼女にいきなり、前見たことあるでとは言えなかった。でも俺は友人をほったらかしにして彼女にばかり目を向けていた。 |



