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22日、大阪府東大阪市の東大阪アリーナで行われたWBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦は、
ランキング1位・WBA指名挑戦者の名城信男(六島)が、
チャンピオンのマーティン・カスティーヨ(メキシコ)を10ラウンド1分2秒、
レフェリーストップによるTKOで下し、新チャンピオンに輝いた。
プロデビューからわずか8戦目で世界王者となった名城は、
辰吉丈一郎(大阪帝拳)の持つ日本人最短世界王座奪取記録に並んだ。
カスティーヨは5度目の防衛に失敗。
国歌吹奏の際、落ち着かない素振りを見せていた名城。
8戦目での世界初挑戦。その緊張感はテレビの前のわたしにも伝わってきた。
初回から得意の左右フックを振るって前に出た名城だが、
パンチにスピードがなく大振りで、易々と王者にかわされてしまう。
それでも、大きく踏み込んでカスティーヨを下がらせ、ロープに詰めるとラッシュを仕掛けた。
左フックが2発当たった。いける。名城のペースになる。
そう思った瞬間、カスティーヨの左フックがカウンターとなって
名城の顎を跳ね上げた。続けて同じパンチをもらってしまった。
よくぞダウンしなかったものだが、やはり王者は挑戦者のガードの甘さを狙っている。
考えていた中で、挑戦者にとって最悪の展開になってしまうのか・・・。
しかし、これで固さが取れたのか、2回から名城にスピードが出てきた。
なかなかパンチが当たらないが、右ストレートでカスティーヨの左目尻を切り裂く。
3回、この世界戦の為に練り上げられた右アッパーが火を吹いた。
カスティーヨが後退したところに右ストレートで追い打ちを駆ける。
やはり名城のパンチを当てるタイミングは素晴らしい。
これで主導権は一気に名城の元へ。試合開始から中間距離での攻防が多いものの、
名城は時折チャンピオンをロープに詰め、ラッシュを仕掛ける。
単発ながら右ストレート、左ボディをヒットさせ、4回もポイントを稼いだ。
そして5回になると、チャンピオンの動きに早くも陰りが見え始める。
王者のスタミナ不足は予想通りだ。挑戦者は右、右、右と次々にクリーンヒットを奪う。
6回は名城のベストラウンド。足の止まりかけたカスティーヨに襲い掛かり、
何発も強烈な右ショートストレートを打ち込んだ。
ガス欠気味の王者、目の傷も回を追うごとに大きくなっている。
このまま行けばKO奪取か、と思わせる挑戦者の猛攻だった。
だが、歴戦のつわもの・カスティーヨも意地を見せ、7回からはなんとかリズムを
取り戻そうと必死に右、左とシャープなパンチを出してくる。
前半飛ばしすぎたツケなのか、今度は名城の動きが目に見えて落ちてきた。
完全に消耗戦と化したタイトルマッチ。名城とすれば思い通りの展開と思われたが、
名城の疲労も相当のようだ。8,9回とカスティーヨは徐々に回復を兆しを見せ始め、
ペースはチャンピオンの手中へと戻ってしまいそうだった。
しかし、試合は意外なかたちで終焉を迎えることになる。
10回、何気ない攻防の中、レフェリーが名城をニュートラルコーナーへ行くよう指示。
そして、カスティーヨの傷をチェックした次の瞬間、両手を交差し試合終了を宣言したのだ。
唐突な幕切れだったが、歓喜に沸く名城陣営。
枝川会長に肩車され、雄雄しく両手を掲げる名城。
キャリア7戦ながら厳しいマッチメーク、様々な苦難を乗り越えての戴冠、
本当に、本人にしかわからない感情がこみ上げてきたことだろう。
勝利者インタビューでは
『勝ってしもうたっすね。びっくり』
と場内の爆笑を誘った新チャンピオン。
もはや肩を並べる者は出てこないと思われていた辰吉丈一郎の日本人最短記録。
アマチュアで実績があるわけではない。ボクシングセンスという意味では
カスティーヨの方が一枚も二枚も上だろう。それでも、8戦目で世界を獲った。
日本人世界ランカーとの3連戦が、名城の実力の下地になっていることは言うまでも無い。
日本タイトルや東洋太平洋タイトルをただ取ったということだけではなく、
やはり中身の濃い試合を質の高い強敵と重ねてこそ、キャリアになるのだと改めて思い知らされた。
これから世界を狙う選手、陣営にも一つの模範となったのではないだろうか。
カスティーヨ陣営もストップは覚悟していたようで、リング上での抗議などはなかったようだ。
スタミナ切れを起こし、名城の強烈な右を何発もらっても、
あからさまなホールディングをせず、正面から名城の攻撃を受け止めてくれた。
正々堂々の戦い振りを見せてくれた前王者にも、大きな賛辞を送りたいと思う。
ちなみに、わたしの素人採点では、9回までで86−86のイーブンだった。
ジャッジ三氏も三者三様。ストップが無ければ、最後まで結末のわからない試合だったことを付記しておきたい。
報道によると、9回開始前にレフェリーがカスティーヨ陣営に
ストップをちらつかせていたそうだ。インターバル中にドクターのチェックが
入っていたのかもしれないが、それでもストップが突然だったことは否定できない。
もし、逆の立場であれば、我々日本人は素直に納得できたであろうか。
今後、再戦の可能性が大きいことは間違い無さそうである。
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たしかに最後のシーンは唐突だったのでお客さんも視聴者も???だったでしょう。これは長谷川vsウィラポンに続いて再戦確実というか見たいですもう1度カスティーリョが後半からかなりペースを掴んでいただけに。次回は1時間枠でもいいのでゴールデンタイム生中継で(ディレイ放送だったんですねよみうりテレビは)1時間ちょっとあればいいボクシング中継は制作できます。
2006/7/24(月) 午前 2:48
テレビではニュースしか見てませんが、名城選手もストップに気づいてない様子でしたよね。でも気合で乗り切ったような感じですね。最近、特番をよく見ますが謙虚な選手なんですね。田中選手のお墓にベルトを持って報告して欲しいです…
2006/7/26(水) 午後 10:29 [ miki ]
prideofkansai様、いつもありがとうございます。あっけない幕切れだったのは否定できませんね。もしあれが逆の立場になっていたら・・・。にしてもカスティーヨは5・6回であれだけ息切れしながら、8回からポイントを取り返したりして、スタミナあるのかないのかよくわからんボクサーでしたね(笑)。正直、亀田選手のように話題性がなければ生中継は厳しい現実がありますね。ディレイ中継でも、何とか全国ネットで中継してもらえるようになるのが、とりあえずの目標でしょうか。
2006/7/28(金) 午後 11:25 [ spa*ky*h ]
MIKI様、いつもありがとうございます。王座奪取した翌々日の月曜日、関西ローカルの『なるとも』という番組にゲスト出演してたんですが、もう本当に気の良さそうな兄ちゃんという感じでした(笑)。服装もロンズデールの白タンクトップでしたし・・・ロンズデールの服はかっこいいんですが、あまりにラフすぎという感じでした(星野チャンピオンもロンズデール好きでしたよね)。MCの陣内智則からは、『名城さん、あなた世界チャンピオンなんですから!!』と何度も突っ込まれてましたわ(^^;)
2006/7/28(金) 午後 11:30 [ spa*ky*h ]