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『ジョジョの奇妙な冒険』などで知られる荒木飛呂彦が、1984年に発表した漫画。 主人公は、生物兵器「バオー」へと改造された青年「橋沢育朗」と予知能力を持つ少女「スミレ」の2人。バオーの超人的能力を狙う、政府系の秘密組織「ドレス」からの逃避行を中心に、2人の成長と相思をつづった物語。(Wikipediaより) 「グロさ」と「切なさ」を併せ持った非常に稀有な漫画でした。 そもそも「バオー」とは寄生虫の名前。 ”生物兵器「バオー」へと改造”とありますが、実際は秘密組織「ドレス」が生み出した寄生虫「バオー」を実験として被験者に寄生させた、と言う方がいいと思います。 逃避行中に宿主である「橋沢育朗」が危険を察知すると、寄生虫「バオー」から分泌液が出され、「バルバルバル・・・」という擬音と共に”生物兵器バオー”に変身(変態と言った方がいいかも)します。 これを「バオー武装化現象(バオー・アームド・フェノメノン)」と秘密組織「ドレス」は名づけています。 「橋沢育朗」は”生物兵器バオー”になると自我を失っていましたが、物語終盤になるとバオー・アームド・フェノメノンを自らの意思で制御できるようになります。 ただ、そこには”生物兵器”に「させられた」悔しさ、”生物兵器”になった時の自分の醜い姿、守りながら戦っていく辛さ、という「橋沢育朗」としての”苦悩”と、それらを乗り越えてきた”心の強さ”がありました。 最後は、自分を生物兵器にした秘密組織「ドレス」を壊滅させますが・・・。 この『バオー来訪者』、コミックスでは全2巻、文庫版では全1巻と非常に短いものです。 なぜなら、『銀魂』や『バクマン。』でも語られているように「ジャンプシステム」により人気が無かったため「連載打ち切り」になってしまったからです。 しかしながら、この『バオー来訪者』は「連載打ち切り」を全く感じさせません。 まるで、元々短編で終わるように「なっていた」かのごとく、キッチリ話が完結しています。 今では”大河ドラマ的な長編”になってしまった『ジョジョの奇妙な冒険』ですが(それでもオモロイんですけどネ)それと違い、短編であるこの『バオー来訪者』は1話1話の密度が非常に濃いんですが、それを感じさせない程テンポよく話が進められ、それを読者はアッという間に読めてしまう・・・ ここに荒木飛呂彦の”ストーリーテラーとしてのスゴさ”を思い知らされました。 週刊少年ジャンプの数ある漫画の中で、個人的に好きな順位を挙げるとするなら、かなり上位(一桁代)に入れたい作品です。 荒木飛呂彦の作品は『ジョジョ』しか知らない方、もしくは、荒木飛呂彦の作品を全く知らない方は是非一度読んでみてください。 荒木飛呂彦の描く”絵”を受け入れられない方は、OVAが出ているのでそれを見るのもいいと思います。ただ、話が若干改変されているので(私は”改悪”だと思っています)、そのつもりで見てください。 決して、見て損はないと思います。 |
漫画
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『20世紀少年』などで今をときめく浦沢直樹が1994年に発表したサイコサスペンス漫画。 1986年、西ドイツ(当時)・デュッセルドルフのアイスラー記念病院に、頭部を銃で撃たれた重傷の少年ヨハンが搬送されてくる。天才的な技術を持つ日本人脳外科医・ Dr.テンマは、院長の命令を無視してオペを担当し、ヨハンの命を救う。院内の政治力学によって、テンマの順風な状況は一変。医師として自分は正しかったと信じるテンマだが、苛立ちを隠せない。そんな中、院長、外科部長らの殺害事件が発生。同時に入院中だったヨハンが失踪する。 1995年、テンマの前に現れたヨハンは、美しい青年に成長していた。テンマの患者ユンケルスを目の前で何の躊躇もなく射殺し、過去の殺人を告白するヨハン。自らの責任を感じたテンマは、怪物ヨハンを追跡する。(Wikipediaより) ぶっちゃけ、難しい漫画でした(^^;) 漫画としてはものすごくオモロいんですが、話を理解しようとするなら一気に読まないといけないし、若干の知識も必要です。 私の1Hzの脳では、 「知恵熱でるわっっ」 メインのストーリーに絡んでくる”要因” その”要因”に絡んでくる”伏線” その”伏線”に絡んでくる”人物” その”人物”のバックボーンから来る”認識・思考の違い” そこに冷戦時代の東西ドイツの「ベルリンの壁」を挟んだ構造〜現在までの”時代”が加わる、という”絡みまくり”で話が進みます。 その”絡みまくったモノ”を主人公テンマが、もがきながら1つ1つ解いていきます。 そこには、『浦沢直樹(が設定した人物・ストーリー)vs読者』という”対決の構図”さえ感じ取れます。 ラストについては、賛否両論あるみたいですが、私は「これでもエエんとちゃうかな」と思います。 若干の消化不良感はあるような気はしますが。 この『MONSTER』を楽しむためには、登場人物の「人となり」を理解する必要が「多分に」あります。 これを理解しないと、この漫画の面白さは分らないと思います。 ”一気に読まないといけない”と先述したのは、久しぶりに出てきた登場人物について「誰やったっけ?」とか、読むのをしばらく中断していたりとかすると、もう話がチンプンカンプン。 「また一から読まなアカンのかい」 となりがちです。実際、私がそうでした orz そして、メインのストーリーの”伏線”の1つである「(米ソ・東西の)冷戦構造」。 この辺りの知識は持っていた方がいいと思います。登場人物の内の何人かのバックボーンが分ります。 アニメで見た人もいるかと思います。ちゃんと原作をなぞっていましたが、それでも私は原作の方が良いと思います。 もし未読の方がいらっしゃるなら、ぜひ一度 「鬼のような人物設定の渦」 を体験してください。
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小学館の雑誌「月刊IKKI」で連載されている『金魚屋古書店』。 地下に膨大な在庫(登場人物をして”ダンジョン”と呼称)を抱えた伝説の『金魚屋古書店』という古本屋(漫画のみ)を舞台に、店長代理と居候、常連客や周りの人間が繰り広げる物語を1話完結型で描く。 その物語は、登場人物が「マンガ」で癒されたり、救われたり、勇気付けられたり・・・。 「マンガ」の『漫画』 というものだ。 そのジャンルは『Dr.スランプ』などの”少年漫画、『千津美と藤臣君シリーズ』などの少女漫画、外国漫画「バンド・デシネ」、『ゴルゴ13』などの青年漫画・・・と多岐に渡り、それらが全て「実名」で出てくる。 ただ、出てくるマンガはあくまで”脇役”だ。 この漫画のメインテーマは「人間模様」。 その話の主人公は、その「マンガ」に特別な”感慨”、”思い出”、”憎悪”を持った人間である。 ストーリーの進め方も、良く計算されていて1話の中でちゃんと「起承転結」があり非常に読みやすい。 その「マンガ」を知らなくても、全く問題なし。 1つの『漫画』として成立している上に、何の苦もなく読み進められる。 気が付いたら、1冊読み終えていた・・・という感じ。 絶大なインパクトはないが、何となく心に残る秀逸な『漫画』。 それが、この『金魚屋古書店』である。 『金魚屋古書店』、うちの近所にあったら絶対入り浸ってしまう・・・・・(^^;)
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中学生の頃、ひょんな事からある映画を見た。 その映画は、 「汚れた英雄」 と題されていた。 主演の草刈正雄がカッコよかったのもあるが(女の裸の露出も多かったけど)、何よりバイクスタントシーンが中学生の私には強烈に印象に残った映画だった。 (当時、現役のレーサーだった平忠彦・木下恵司がバイクスタントをしていた。) それから、しばらくして本屋で週刊少年マガジンを立ち読みしていたら、漫画であるにも拘わらず「汚れた英雄」に匹敵するほどの疾走感に溢れた漫画が目に飛び込んできた。 その漫画は 「バリバリ伝説」 といった。 「汚れた英雄」の影響で、バイクに興味を持ち始めていた私はすぐにのめり込んだ。 主人公「巨摩 郡(こま ぐん)」はホンダCB750Fを通学に使う高校2年生。 休みの日には峠に”誰よりも速く”なるため走りに行っていた。 そのライディングは「アグレッシブに攻めまくる」スタイル。(カメッ!) 級友の比呂、同じく級友でレーシングチームオーナーの娘の美由紀、ライバルで奇妙な大阪弁を使う秀吉、後輩の伊藤歩惟と出会い、やがて美由紀から「鈴鹿4耐」に誘われサーキットに足を踏み入れていく・・。 という内容だ。 一応3部作になっていて、 第1部:「高校生活」と「鈴鹿4耐」 第2部:「全日本ロードレース選手権」 第3部:WGP(現MotoGP) が舞台となっている。 第1部では高校で友人と出会い「鈴鹿4耐」に出場し優勝、いがみ合っていた秀吉とその実力を認め合い和解するも、その秀吉は事故死してしまう。その秀吉との約束だった「国際B級ライセンス」を取ろうとするところまでを描いている。 第2部以降はグンはプロレーサーになりレース主体になる。日本GPで優勝し、第3部WGPに舞台が移ると、エディ・ローソン、ケニー・ロバーツなど実在の選手、監督が多数出てきて、その彼らと勝負していく。 この漫画の魅力は「リアルなバイク描写」・「スピードを感じ取れる漫画」・「主人公が紆余曲折しながらも成長していく」所だと思う。 特に漫画でスピード感・疾走感を描かせたら、この人の右に出る人はいない。擬音の使い方も特徴的(ヴァウッ!とか)なところもスピード感・疾走感を出す一助になっている。 また、3部には実在の人物がでてくるなど従来のバイク漫画とは明らかに違った面白さを提供してくれた漫画だった。 忘れられないエピソードは、第一部の秀吉のバイクを公道で燃やすシーン。 あの時のグンの呟きは、未だに覚えている。 「持ってけよ秀吉。最後まで、お前とカタナを抜けずじまいか・・・これじゃ勝ち逃げじゃねーかよ。バカヤロウ おれはおまえのことなんか思い出さねえぜ。すぐに忘れてやらあ・・・ あばよ秀吉」 「あの世で鬼でもぶっちぎれ」 これを週刊少年マガジンで見て泣いて、単行本で見て泣いた。 その後本当に秀吉のことを忘れていたようだが、第3部でヤル気を失くしたグンが、「鈴鹿4耐」チームのガレージで佇んでいたとき、秀吉が出てきて回想するとともにグンを叱咤激励する・・・というシーンがある。 ここでもちょっとウルッときた。 (ちなみにノリックの追悼でも誰かが「あの世で鬼でもぶっちぎれ」と述べたときもウルッときた) 物語の最後に、ただ一人抜くことができなかったライバルであり親友でもあった秀吉を思い出すエピローグがあり、ここもちょっと・・・。 私にとって秀吉関連のエピソードはそれくらい思い入れの深いものだった。漫画を見て泣いたのは後にも先にもこの「バリバリ伝説」だけだ。 結局、私はバイクより車の方に興味が移ってしまい、バイクには乗らなかった。 でも最近、「バイクの免許取っといたらよかった」と後悔している。特にこの「バリバリ伝説」の完全版が出たと知って余計にそう思うようになった。 おれも年取ったなぁ・・・・
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さて、「超人ロック」である。 1967年、大阪で結成された漫画家集団”作画グループ”より同人誌として発表されてから42年。 未だに新作が発表されている漫画である。 著者は「聖 悠紀」氏。線の細い作画だが、著者は男性である。 主人公の「ロック」は、不死身で永遠の命(歳老いると、肉体を若返らせる能力)と強力なラーニング能力(相手の能力をコピーし、より強大な力で自分の力としてしまう能力)を持つ伝説の超能力者。 自身の不死の体に苦悩し、世界や歴史を達観しつつ隠遁生活をしているが、ロックの命や力を狙う者・連合政府の依頼・親しい友人を守るためその力を使って戦いに身を投じて行く…。 というのが、主なあらすじになる。 渡り歩いた連載誌は14(同人誌含む)。その連載誌はほとんどが休刊・廃刊。「これこそ”超人ロック”最大の超能力。」と揶揄されている。 各エピソードは、単行本1〜1.5冊くらい。話はそれほど深くないが、読むのにはちょうど良いボリュームである。 この「超人ロック」という漫画、話の全体像を掴もうとすると、とんでもないことになる。 インターネットなどで作中年表があるが、この漫画の中では1300年以上の時間が流れている。そのため周りの人間は年老い、もしくは戦いで傷つき、亡くなっていく。 「ロック」だけが各エピソードを結ぶのである。 しかも、その単行本1〜1.5冊くらいの各エピソードは作中時間を追って「巻」が進む・・のではなく、時間が前後するのである。 1巻から読まないと・・・という方は、読み進めていくうちに混乱するかもしれない。 この漫画の見どころは、現在のところ、「1300年の歴史の積み重ねを垣間見る」ということになる。 なぜ”現在のところ”なのか・・・・未だ新作が出ているからである。 各々のエピソード”単品”でも文句なく面白い。 ロックの苦悩、ロックと戦うことになる超能力者の背景や事情、ロックの友人が”友人”となる過程、政治的な駆け引きなどを過不足なく描いている。 また、『ロード・レオン』との戦闘シーンなどは日ごろの線の細い作画から一転し重圧に描いている。 面白くないとここまで続いているはずがない。 ただ、とんでもないことだが作中の時間の流れを掴むともっと面白くなる。 例えば、ある巻で共闘した友人と別の巻で年老いた友人と再会したり、ある巻で共闘した友人の子供が別の巻で成長した状態で共闘したり・・・ 単なる「歴史(事象)の積み重ね」ではなく、「人類の営みの積み重ね」も垣間見ることができる側面を持った漫画になる。 まるで、映画「スター・ウォーズ」シリーズのような”スペース・オペラ”である。 (「超人ロック」の方が先に世に発表されてますが。) もし手に取る機会があれば、ぜひ読んで「1300年の歴史」を垣間見てください。 一部のエピソードを抽出したOVA(『ロードレオン』『新世界戦隊』『ミラーリング』)も出ているので、どの巻から読んだらええのか分からん人はとりあえずこれを見るという手もあります。 まァ、主人公が「不死身」やから、この漫画終われへんでェ〜。
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