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私は30歳の時にフリーになったから年金などはほとんど頼りにしていない。自業自得であるが、逆にそれが私のチャレンジ精神を育てて行ってくれているものと良い方に考えている。おかげで私はこの歳になっても世間的には比較的高給の仕事をいただいているのだ。
とはいえそれは贅沢して暮らすようなものでもない。自分の過去と比べたらまあまあ快適な生活が営めるという程度である。フリーになった頃はお金の管理は自分でしていた。当時はそのような人はあまりいなかったのではないかと思う。しかし今頃の男性はそういう人も多いようで、いわゆる西洋化しているのかも知れない。入ってきたお金を自分が管理して生活に必要なだけを妻に渡すというスタイルである。 今頃の女性も社会に進出して自分もお金を稼ぐから果たしてそれで良いのかも知れないが、私の妻は結婚してからずっと専業主婦だったから、私のやり方に疑問を持っていたのかも知れない。いずれにしても私たち夫婦はそういう風にやって来て子供たちを育てどうにかやりくりしてきた訳である。 その子供たちも成長し、結婚して独立すると私たちと同じように娘たちは専業主婦となった。そして娘が管理する場合もあるし又は夫の方がするようであった。つまり子供たちの世代では両方のスタイルを実践しているようである。しかし私の方は娘たちの結婚に刺激を受け、それまで長いことやってきたスタイルを捨て収入は全て奥さんに渡すようになった。 これは奥さんが喜んだかも知れないし、またはそうでないかも知れない。お金を自由に使えるから嬉しいと思うかも知れないし逆に責任が出来て嫌がっているかも知れないのだ。しかし私としてはもうすっかり渡したのだから又元に戻そうとは思わないし、そうしない方が良いと思う。奥さんの方が「私、やっぱり嫌だわ、貴方がやって」と言わない限り奥さんに任せた方が良いと思っている。正確に言えば、任せるというよりも奥さんにあげちゃうという感覚の方が良いと思っている。 奥さんにお金を渡してから私の小遣いは奥さんの方から貰うようになった。そういう意味では新婚のような気分になったものである。悪い気はしなかった。一緒にいる時は妻が何でも払ってくれるから貰った小遣いも使わないで済む。財布は中々減らなかった。こうしてある程度の時間が過ぎた。 しかし最近私の中で又新たな感覚が芽生えて来ているのを感じる。何十年も一家の家計のやりくりをやって来た私としては自慢ではないが私には金銭感覚、経済感覚があると自負している。だから単に妻から小遣いを貰っているだけでは何となく楽しくなくなったのである。これはきっと単なる金銭欲なんかではない、自分で稼いだものを自分で自由に使いたいという感覚なのだと思う。 だからと言って現在働いている職場で稼ぐ給料は以前のまま奥さんに全部渡すのは変えない。職場以外の場所でお金を稼ぎたくなったのである。これは欲というよりも遊びに近いものだと思う。奥さんに渡すお金は与えられた職場から流れ、自分でシナリオを書いて自由に創作して行く仕事から入って来るお金を手にしてみたくなったのである。これは私の心が30代の頃に若返っているのかも知れない。 家族、妻への責任は今の職場で果たす。それはきっちりと守る。そうでなかったら妻や娘たち、またはその夫たち、または全部の親族からの信頼を失ってしまう。それは絶対に避けなければならない。この世に生きてる価値がなくなってしまう。その義務は完全に果たしつつ、更に自由に自分を広げようと思っているのだ。これこそ私たち中高年がこの世界をダイナミックに生きて行く生き方だと思っているのだ。 |
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