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”「慈悲深き聖母の伝道団」に暮らしながら彼は地元の公立学校に通っており、なかなか頭が良かったようである。
南北戦争の歴史に興味を持ち、各地の戦闘における死傷者数について教師と論争している。
しかしこの時期、危惧すべき病的兆候が現れ始めた。「ちょっと変だ。口や鼻、のどが奇妙な音を立て、他の子供たちに嫌がられる」
とある。そして「キチガイ」というあだ名をつけられたのもこの施設に暮らしている時だった。更にいちぢるしい感情障害の兆候があった
に違いなく、一連の医学的検査を受けたあと、ヘンリーは知的障害児の施設に移された。
イリノイ州リンカーンという小さな町の近くにあるこの施設で約7年間を過ごすことになったのだが、彼は精神遅滞ではなかった。”
”その後、50年以上、シカゴ市内にあるあちこちの病院で社会の最下層の仕事を続けることになるのだが、悲しいことに
「キチガイ」という名前はここにもついて回る。勤める先々でそう見られていたということだろう。彼の外見や立ち居振る舞い
他人と人間関係をうまく結べないことが彼を「変わっている」と印象付けたに違いない。”
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ヘンリー・ダーガー
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