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わずか10日間の滞在だった。
しかし10日で親しくなった人たちもいる。
パン屋の店主、ゲームセンターのおばさん。陽気なホテルマン。そして彼女・・・。
帰国の日、僕はリュックに少ない荷物を詰め込んでいた。すると仲良くなったホテルマンが「今日帰る〜!?」と入って来た。
僕「ハイ、色々ありがとう!!」とお礼を言い、寝酒用に買っておいたビール数本を彼に差し出した。
ホテルマン「ありがと・・・昨日女の人が尋ねて来た・・・モ・テ・ル・ネ!」ってニヤニヤ言う。
僕は直ぐに彼女だと分かった。
連絡を・・・と思ったが、変な下心があると思われるのもイヤだ。
僕は彼に「もし又彼女が尋ねて来たら、『ありがとう!通訳の勉強頑張って!!』って伝えて」とお願いした。
リュックを背に「それじゃっ!!」と部屋を出た。
ホテルマン「おっ・・・お金・・・!!」
僕「ハイハイ^^;」こんなジョークを最後に彼と別れ、相変わらず人気の無い路地を歩きだした。
すると、見覚えのある車が・・・「彼女だ」
彼女「今日、私休みです。ソウルを案内するよ!!」
僕「昨日ホテルに来てくれたんですね!?」
「実は今日帰るんです・・・。せっかくですが・・・色々ありがとうございました。」
彼女は、一瞬顔を曇らせ、←(僕の思い過ごしかも^^;)「じゃぁ・・・空港まで送る。」
僕は内心、助かる〜っと思ったが、「いいよ、せっかくの休みなのに・・・タクシー拾うから」
彼女「いいから乗って!!渡したい物もあるから・・・」
渡したい物?いったい何だろう・・・?ひょっとして・・・ラブレター!?
そんな事を考えながら「休みなのに・・・悪いね・・・」って車に乗り込んだ。
韓国に降り立った時、不安と緊張で乗ったタクシーを思い出す。
帰る今、ここで出会った女性の車に乗って空港に向かう。
遠くに思えた空港も思いのほか早く着いた。
もぅ彼女に会う事も無いだろう・・・少し感情的になってきた僕は、出発時間までかなりあったが、早々に別れを切り出した。
僕「本当に色々ありがとう。通訳の勉強頑張って!」
彼女「・・・ハイ、これ・・・」と紙袋に包まれた物を僕に手渡した。
僕「何!?これ!?」
彼女「食べて・・・」そして韓国語で「・・・・・・・・」
彼女はニッコリ笑い、手を振りながら去って行った。
渡したい物ってこれか・・・。ラブレターじゃなかったのね。^^;
??しょっぱくて酸っぱいこの匂い・・・。もしや・・・。
正午過ぎ、飛行機は飛び立った。
彼女は最後僕に何って言ったのか・・・??そんな事を考えながら、小さくなっていくソウルの街に手を振った。
(あとがき!?)
雑文をお読み下さってありがとうございました。深夜特急に憧れてなどと、大袈裟な題で恥ずかしい限りです。
(彼女がくれた物は一体何だったのか!?)気になりますか?
「それは・・・
タッパ一杯のキムチ!!」
機内はキムチの匂いが充満。
僕は冷や汗で寝た振りを・・・。
深夜特急に憧れて・・・(完)
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