Ashley事件から生命倫理を考える

世の中は想像していたより、はるかにコワイ・・・

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以前のエントリーで紹介した話題の続報。

オーストラリアの田舎町の医師不足を助けるためにやってきて、
そのまま永住したいとのドイツ人医師の希望を
ダウン症の息子が財政負担になるとの理由で
オーストラリア移民局は却下しましたが、

その後、国民からの非難の声を受けて移民大臣が介入。
決定が覆って、医師一家は永住権を獲得したとのこと。

その移民大臣いわく、
「Moeller医師とご一家がお住まいの地域に大変貴重な貢献をしておられることは
私には明白でしたからね」

「Moeller医師は地域に大いに必要とされるサービスを提供しておられるし
ご一家も地域にとても馴染んでおられる。
地域の人たちからの支持もある」

「ご一家がオーストラリアを自分の国にと選んでくださって嬉しい」



しかし……なんだか、なぁ……

当初このニュースを知った時に
原則論を離れた世論とメディアの感情論で
こういう話の捻じ曲がり方になるのではないかという点が私には一番気がかりでした。

「医師のこれまでの貢献に対して恩知らずだ」とか
「ダウン症はそんなに手間も金もかからない障害で、社会貢献だってできるのに」
という目の前の批判を、とりあえずはかわすための、
大臣にすれば“例外”決定のつもりなのかもしれませんが、

たちまちオーストラリアに医師不足の問題があるからOK。
親が医師だったからOK。
障害がダウン症だったからOK。

オーストラリアは、この決定をもって障害児のいる移民については
その障害の種類や程度と
親が社会にどれだけ貢献できるかという点との
コスト・ベネフィット計算によって
受け入れを検討するというルールを敷いたことになりはしないでしょうか。

「地域の人々からの支持」に触れられていることも気になります。
地域へのコストは財政負担だけではないし、
地域住民に大小様々な迷惑(これも一種の負担でありコストですね)をかけそうな障害なら
認められる可能性が低くなるということでは?


国連障害者権利条約の監督委員会の関係者から
家族の障害を理由に永住希望を却下したことそのものが
国連障害者権利条約を批准した国でありながら
障害者を差別するものだとの批判が出ていたのですが、

そこでは、どんな障害であれ、どんな親であれ、
障害が永住権拒否の理由になることが差別であると指摘されていたわけで、

これでは決定が覆ったために、
むしろ余計に差別的な判断となったのでは……?

閉じる コメント(2)

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そりゃ違うだろう!!
何だか釈然としない感じですね。

2008/12/4(木) 午後 1:01 megumi

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そうなんですよ。釈然としませんよね。
もう少し問題を整理してから対応してもらわないと。

こういうニュースを読むといつも不思議に思うのですが、
国連の障害者人権条約って、じゃぁ、一体なんなんだろう????

2008/12/4(木) 午後 4:03 [ spi*zi*ar* ]

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