Ashley事件から生命倫理を考える

世の中は想像していたより、はるかにコワイ・・・

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3日ほど出掛けていました。
その間に日本における尊厳死法制化の問題を考える集まり2つを覗いて、
多くの方のお話を聞き、共に語り、また多くの方々と新たな出会いをいただきました。

深く考えさせられるお話が多かったので、
まだ頭の中はぐるぐるしていて整理して書けるところまでは行きついていないのですが、

いくつかお聞きしたお話の中で書きとめておきたいものを
私自身のメモとしても。

筋ジスの方のお話。

15年前に筋ジスになって、将来、呼吸器をつけるかどうかを考えた時に、
呼吸器をつけたら家族への負担が大きいし共倒れになってはいけないと思って、
母と兄に「つけないで」と頼んだ。

その後、酸欠状態になって意識不明となった時に医師が家族に言ったのは、
「呼吸器をつけても、植物状態だから二度と意識は戻りませんよ」だったそうだ。

それでも兄と母は「つけてください」と言ってくれて、
人工呼吸器をつけたら6時間後に意識が戻った。

自分は意識が戻ってみたら呼吸器をつけていた、ということになったけど、
もともと「つけないで」と家族に頼んだのは死を望んだのではなくて、
家族への負担になりたくないという思いで言ったことだった。

もしも15年前に、今準備されているような尊厳死法ができていたら、
私は今ここにいなかった。

今、呼ネットでは呼吸器をつけてからのサポートが大切だという運動をしている。


障害当事者の方が家族を亡くされた直接体験から投げかけられた疑問。

・家族として延命治療はどうするかと意思決定を求められても、
延命と救命は本当にきっちりと線引きができるものだろうか、と疑問だった。

・3ヶ月で転院を求められるという話はよく聞くが、
実際には入院から1カ月くらいから他を探せと言われて、
転院する時には「もうここへは戻ってこないように」とまで言い渡された。

・高齢者だから、もうこの辺りで積極的な治療はいいでしょう、みたいな
雰囲気が医療サイドにあるように感じた。

・そういう体験から、映画「終の信託」には納得できなかった。

この方の発言の趣旨は、御本人のブログにとても丁寧に書かれているので、
ぜひ、読んでください  ↓

救命と延命…「終(つい)の信託」考
ブログ「ポケット小僧の気まぐれダイアリー」(2012年11月25日)

大事なことがたくさん書かれているブログなので、
他のエントリーもこれから読ませていただこうと思っています。


『逝かない身体』の川口有美子さんのお話

12月4日、早稲田大学でのこちらの講演会

『逝かない身体』は読んでいるので、
その内容以外でのお話のポイントをいくつか。

・議連の「終末期の医療における患者の意思の尊重に関する法律案(仮称)」の
ポイントは医師の免責と自己決定。
実際に作ったのは日本尊厳死協会と厚労省医政局。
どうすれば良い看取りができるかを知らない人たちが作っている。

・現場の医師が疲れ切っていることと、医師が介護やケアに興味がないことから
医療の倫理感が崩れ、治せないなら楽に死なせてあげようという発想になってしまうが
社会資源をうまく利用し、良いケアをすれば良い生き方をして良い死に方はできる。
そのためにどうすればいいかは『逝かない身体』の最終章に書いてある。

・母がトータル・ロックトインになり自分も介護で疲れ果てた時に
母を殺そうと思ったことがあったが、当時3歳の息子の寝顔を見て思いとどまった。
殺せないなら、母が快になる語りかけをし続けようと思った。
孫がどうしたなど日常的な語りかけを続けていると、
それが母の顔色の変化となり肌の状態の変化となって表れてくることに気付いた。

人間は必ずしも能動的な存在でなければならないわけではないのでは、と考えるようになり、
欄の花を育てるように母をケアしようという家族の思いに繋がっていった。

・日本ではALSの患者で呼吸器をつける人の割合が他の国よりも高く、
他には2人ヘルパーの体制を整えているデンマークでも高いが、
それ以外の国ではALSを「恐ろしい病気」として描くキャンペーンを張っている。
病気がどう表現されるかによって、患者の選択は影響される。

例えば、
英国ALS協会によるキャンペーン・ビデオサラの物語
カナダALS協会によるキャンペーン・ビデオHead and Shoulder


次のエントリーに続きます。

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