Ashley事件から生命倫理を考える

世の中は想像していたより、はるかにコワイ・・・

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当ブログは2007年5月に
アシュリー事件を追いかけるために立ち上げたものでした。

いつのまにかアシュリー事件からその周辺へと興味関心が広がり、
それから、ざっと6年あまりになります。

元より「世界ではいったい何が起こっているのか」
「こんなことが起こっている世界はこれから
いったいどこへ向かっていくのだろう」という
自分自身の興味・関心に引きずられてやってきたブログでしたが、
多くの方々との出会いに恵まれて時を経るうちに、


同事件を追いかけながら見えてきた、もうちょっと「大きな絵」についても、今回
『死の自己決定権のゆくえ: 尊厳死・「無益な治療」論・臓器移植』にとりまとめることができました。

シノドスの新刊著者インタビュー
何ごとか1つのことだけは「言い尽くした」気分にさせてもいただき、
なにやら、このブログも一段落したのではないか、という感じがしております。

それ以前からも、
「世界はこうなっていくのではないか」と懸念してきた通りが次々に現実となっていくこと、
その変化の速度がどんどん加速していると思えることが、あまりに恐ろしくて、
もうこれ以上、知りたくない、見たくない、という気持ちを
どこかにずっと抱えてきました。

昨日、今日と、続けてアップしたエントリーが
正しく、そうした「今後」を象徴しているようにも思え、
この先は、個々の事象で何が起こっているかを追いかけることには
あまり意味がないのではないか、とも思えてきました。

すでに私の生活の一部となっていますので、
ブログのない生活というのは考えられず(それって、実際どうよ?)
しばらく充電した後にまた今の形のままで再開するかもしれませんし、
別の形で続行することにするかもしれませんが、

しばしお休みし、これからこのブログをどうするか、
すこし落ち着いて考えてみたいと思っています。

いつもご訪問くださる方々には突然の休載でご迷惑をおかけしますが、
どうぞよろしくお願いいたします。

なお、2冊の拙著への訂正、追加説明、その他については
それぞれの書庫で必要に応じてアップしていくつもりです。
23日に刊行になった拙著
『死の自己決定権のゆくえ:尊厳死・「無益な治療」論・臓器移植』について
シノドスに、新刊著者インタビューが掲載になりました。



タイトルは
共鳴する「どうせ」で、いのちの選別を行わないために

ずばり、見事にツボをついた
タイトルをつけていただきました。

25日から29日の間に
編集者の金子さんとメールでやりとりしながら、
そのやり取りから次々に触発されて、考えや表現がさらに深まり、
本に書いたことの、もう一つ先に手が届いたという気がしています。

もちろん、インタビューには書ききれていないことのほうが圧倒的に多いので、
よかったら、両方を読んでいただけると幸いです。

よろしくお願いいたします。

2013年8月31日の補遺




英国のスポーツ・キャスター Jonathan Agnew氏が、ALSになった身内にディグニタスへ連れて行こうかと提案したことを明かし、話題に。
http://www.telegraph.co.uk/sport/cricket/10265125/Jonathan-Agnew-I-offered-to-help-my-stepchildrens-ill-father-die.html

WA州のホスピスの看護師が担当患者の「尊厳死法」による死を巡って書いた文章。「誰かがどういう死に方をするかは私が決めることじゃない。それは分かっている。それは分かっている。わかっている」。
http://www.geripal.org/2013/08/a-hospice-nurses-experience-of-assisted.html

豪のDr. Death, Nitschke医師がキャンベラ・タイムズに論考。The cost of living when a dying wish is denied.
http://www.canberratimes.com.au/comment/the-cost-of-living-when-a-dying-wish-is-denied-20130815-2rzfb.html

テキサスの「無益な治療法」改正法案、またも通らず。せめて転院まで生命維持の続行を求める法改正が何度も試みられてはつぶれている。TX州の「無益な治療」法改正法案、“死す”(2011/5/5) でも拾ったけれど、その後も補遺で拾ってきたように、何度か提出されている。
http://medicalfutility.blogspot.jp/2013/08/texas-futility-law-protects-clinicians.html

英国の介護者にフレキシブルな労働の権利を呼びかける声。
http://www.telegraph.co.uk/health/healthnews/10265134/Andrew-Marr-calls-for-flexible-working-rights-for-carers.html
映画”Short Term 12”、グループ・ホームの生活を描く。スタッフの視点で。
http://movies.nytimes.com/2013/08/23/movies/short-term-12-delves-into-life-at-a-group-home.html?_r=0

米国のナーシング・ホームで抗精神病薬の過剰投与が減ってきている、との調査結果。
http://health.usnews.com/health-news/news/articles/2013/08/27/us-nursing-homes-reducing-use-of-antipsychotic-drugs


未熟児への酸素療法における酸素の適量を模索する臨床実験で、リスクがあることを知らされていなかったとDagen Patt君の両親が訴えたのを機に、新しい治療法の実験では当たり前になっているリスクの説明が旧来の治療で実験では行われていない問題が浮上している。米。
http://www.washingtonpost.com/politics/2013/08/29/7ae65ca2-10e6-11e3-85b6-d27422650fd5_story.html

ビル・ゲイツが米国の新たな統一テスト教育カリキュラム、Common Coreを「購入する」ために使った費用を調べ上げた学校の先生がいる。:ビル・ゲイツが自分路線の公教育改革実現に“投資”したグラント一覧(2013/6/15)を作ったのは、WPのValerie Strauss。もうトラッキングなど無理だろうけど、他にもいろいろ、カネと人をばら撒くことで「購入」されているものもある。
http://www.huffingtonpost.com/mercedes-schneider/a-brief-audit-of-bill-gat_b_3837421.html

でも、米国民の大半はCommon Coreについて知らない。:大半の国民が知らない間に、でもいつのまにか進められていることが、ずいぶん多い。米国だけじゃない。
http://www.washingtonpost.com/local/education/poll-most-americans-unfamiliar-with-new-common-core-teaching-standards/2013/08/20/ffacc0d6-09b9-11e3-8974-f97ab3b3c677_story.html

日本語。米主要都市でスト=ファストフード従業員ら:この記事はまったく触れていないけれど、この背景には8月6日の補遺で拾ったように、「ゼロ時間契約労働」の広がりという深刻な問題がある。これは日本にも実際には来ているんじゃないかと思うのだけれど。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130830-00000031-jij-n_ame

キング牧師の「私には夢がある」演説から50年。それでも今も人種間格差は埋まらない。上の記事の写真、集まった人々に圧倒される。下は、FBIが演説後に監視を始めた、というWP記事。
http://www.washingtonpost.com/business/economy/50-years-after-the-march-the-economic-racial-gap-persists/2013/08/27/9081f012-0e66-11e3-8cdd-bcdc09410972_story.html
http://www.washingtonpost.com/politics/mlks-speech-attracted-fbis-intense-attention/2013/08/27/31c8ebd4-0f60-11e3-8cdd-bcdc09410972_story.html
5月にフィラデルフィアで誕生した Connor Levy君については
以下のエントリーで紹介しましたが、



その続報のような形で書かれたWPの記事があり、
こうした次世代シーケンシング(NGS)による着床前診断技術の
ポテンシャルについて語られている。

この技術の先駆者である
オックスフォード大の Dagan Wells医師は、

30代前半の女性では胚の4分の1、
40代前半の女性では4分の3が異常なのに、
それらは顕微鏡では正常に見えてしまうので、
「着床させるのはどの胚にするべきか見極めるための、もっと良い方法が必要なのです」

「40代前半の夫婦が選ぼうと思ったら健康な胚が一つもない、
ということになる可能性もあるので、
生殖力が年齢とともに落ちる問題を
NGS技術が解決するわけではない」が、
若い女性ではIVFの着床率を上げるだろう、と。

スタンフォード大の法・生命科学センターのHank Greely氏は

「あまり遠くない将来の、ある時点で、
子どもを持とうとする人たちは自分の胚のゲノムを見て
病気になるとか、外見がどうかとか、どういう行動をとるか、男か女かといった
特性に基づいて胚を選ぶ技術的な能力を手に入れることになるでしょう」

世界中でこうした選別を禁じたとしても意味はない。なぜなら
「世界にはざっと200の国があります。
仮に199の国で禁じたとしても、
それは200番目の国にとって多大なビジネス・チャンスとなるだけですから」



WPには同じ日にもう一本、
こちらは新型出生前遺伝子診断技術に関する記事もあり、

こちらでは専門家の次のような発言が引用されている。

「手に入る情報はできる限り手に入れればいいじゃないですか」
前もって問題が分かっていれば、中絶を選ぶとか、
障害児をケアするための準備をあらかじめしておくことも含め、
親が選択肢を比較検討するのをhelpできるし、
子宮内胎児手術で子どもの生存率や予後を改善することもできる。

一方、この記事で紹介されているのはDenise Bratinaさんの事例。

Bratinaさんは4年前の37歳の時に、
羊水検査で胎児の染色体15にDNAの欠損があると言われた。
その欠損から起こる問題の可能性として、てんかん発作、心臓の奇形、発達の遅れのほか
多数の病気や障害を挙げられた。

通常なら、そんな小さな欠損までわかることはない。
が、Bratinaさんは染色体マイクロアレイ分析の研究の被験者だったので、
羊水検査で採取したサンプルのDNA検査で分かったのだった。

しかし同時に、その小さなDNAの欠損では
何も問題のない子どもが生まれる可能性もある、とも言われた。

5ヵ月後、健康な女児が生まれた。

研究チームがフォローアップの検診を提供してくれ、今のところ正常に発達しているし、
「将来、問題が起こってきたとしても、なぜかというのは分かるから」
検査でDNAの欠損が分かったことは喜んでいるというが、

中には健康な子どもが生まれた後にも、
心配がとまらない親もいる。

あまりに多くの情報は
病気や障害の直接の原因とは限らない遺伝子異常まで指摘してしまい、
親を混乱させるのではないか、と懸念する専門家も。

「検査を受ける人は、白黒はっきりつくと思っているし、
結果が不透明なことだってあると説明されても、その意味がちゃんと分かっていない」ために、

結果が不透明だった時に、
いつか病気になるんじゃないかと頭にこびりついて
子どもの健康や発達段階に過敏になる人もいる。



ちなみに、この記事に出てくる microarray検査を検索した時に引っかかってきたのが、
以下のレポート。

市場調査レポート 出生前診断の世界市場
Global Industry Analysts, Inc.  2012年7月1日 税抜きで439,971円

当たり前ですが、このレポートでは各種検査は「製品」です。

199の国で禁じたとしても、
それが200番目の国のビジネス・チャンスになるだけ――。
 

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