Ashley事件から生命倫理を考える

世の中は想像していたより、はるかにコワイ・・・

父親をめぐる疑問

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整理しなければ、と思いながら
数ヶ月間フリー・メールの受信トレイに置いたままになっていた
Ashley事件関連のいただきもの情報があって、

このままトレイのメールが溜まると消えてしまう可能性に思い至ったので、
取り急ぎ、メモ的に、以下に。

といっても、これ、かなり重要な情報なのです。

こちらのエントリーに書いたように、
ゲイツ財団からシアトル子ども病院へのグラントの流れの概要は2007年の段階で掴んでいたのですが、
当時の私は概要だけで十分だと考えて、他に調べるべき案件に追われてしまいました。

つい最近になって、
その詳細情報をゲイツ財団のサイトで収拾してくださった方があって、
思いがけず、以下の情報をいただきました。

それによると、
1997年から2004年までのゲイツ財団から子ども病院へのグラントは



ここで特に興味深いのは2002年の2000万ドルで、
これはこちらのエントリーで紹介しているゲイツ夫人の音頭によるキャンペーンのこと。

しかも、6年間の分割で支払われている。02年から07年の6年間。

つまり、Ashleyの両親が子ども病院に対して「うちの子にこんなことをしてほしい」と願い出た2004年は
巨額のグラントがゲイツ財団から病院に支払われていた真っ最中だったというわけです。

それから、その2004年になって、それまでの一般支援が1万ドルから6万ドルに増額されている。

なんと興味深い事実でしょう……。

            −−−−−−−−

このサイトを見ていて気づいたのだけど、右上にキャッチフレーズが書いてあって
All lives have equal value. 全ての命に等しい価値がある。……だって。

じゃぁ、なんでゲイツ財団は IHME に Dr.Murray なんかをつれてきて、
障害者の寿命時間は健常者の8掛け……とかって、やってんのかなぁ……。

(詳細は「ゲイツ財団とUW・IHME」の書庫に)
昨日、2008年1月のDiekema講演の資料をリンク集としてまとめる作業をした際に、
たまたまシアトル子ども病院の現在の理事会(board of trustees)メンバー一覧に行き当たった。

つい先日読んだミステリーで
臓器移植の順番を金の力に明かせて、すっ飛ばした大金持ちをめぐって
「病院の理事会には彼の金持ちの友人がそろっているんだから」
一人の医師が言ったセリフが思い返されたので、

面白半分に一人ひとりネット検索で当たってみたところ、
すぐに面白半分ではすまなくなって、ヒーヒーいいながら結局、全員を検索してしまった。


右に肩書きが入っているのは病院職員。たぶん。
最後の2人は理事会の副会長と会長。

そのほか21人の理事のうち、
明らかにGates財団・Microsoftの関係者と分かる理事が3人いて、

まず、Libby Armintrout という人は、
びっくりしたぁ……。なんとBill Gates氏 の妹御


次に、Laurie Oki さんはOki財団の理事長夫人
夫はMicrosoftの草創期に国際戦略を担った立役者で、ITで億万長者になったから、
Bill Gatesと同じようにOki財団を作って慈善事業をおこなっている。

3人目はMike Delmanさんで、この人は Microsoftの役員

あと、この人も、関係筋から来ている人かも……と
可能性を考えたくなるのが、弁護士のPat Charさん。
なにしろ所属の法律事務所の名前は K&L/GATES という。

他に目に付く大物では、Mona Locke・Washington州知事夫人。

それからGloria Northcroftという人は生命科学コンサルタント、遺伝子・薬学研究分野の人らしい。
それ以外のことは分からないけど、1月のObama大統領の就任式に
シアトルからGates夫妻らと共にDC入りした1人だというから、
それなりの大物なんじゃないかと想像される。


そのほかは、ほぼ意味はないけど、せっかく調べたので分かった範囲を以下に。

Dean Allen 不動産とバイオ関係
Rhoda Altom ワシントン女性会議メンバー
Robb Bakemeier 弁護士
Joel Benoliel Costcoの法務管理部門の副社長
Jane Blair 不動産会社副社長
Julia Calhoun 小児癌の支援団体Laurel 財団の会長
Bob Flowers もと投資会社社長、妻は地元テレビ局KIRO-TV勤務
Linda Mattox 地域のボランティア
Resa Moor NPO活動、嚢胞性繊維症関係も


科学とテクノロジーと慈善資本主義によるゲイツ王国の世界制覇に向けて
子ども病院は、もう、すっかり右手……いや、左手。

やっぱ右手はワシントン大学の方だよね――。


              ――――――――


Ashley事件に関していえば、
2004年の理事会メンバーは探しきれなかったものの、
2006−2007年度のメンバーを年次報告書で見ると
Okiさんは入っていますが、Gates氏の妹君もDelman氏も入っていません。

さらに、もちろん2008−2009年度の理事会メンバーに
ゲイツ財団・マイクロソフトの関係者が入っているからといって
だからAshley事件でどうだと言えるわけではありませんが、

当ブログが検証してきた
2006年のダウンタウンの建物取得とその後のリサーチセンター設立に向けた
Gates夫人の陣頭指揮による資金調達キャンペーン。
(Oki夫妻もリーダーとして、このキャンペーンに加わっています)

2007年のGates財団の資金提供によるGAPPSの立ち上げ
その後の早産・死産撲滅キャンペーンでのパートナーシップ

そして2008年のワシントン大学における
ゲイツ財団の私設医療経済学研究機関に等しいIHME創設。
(詳細は「ゲイツ財団とUW・IHME」の書庫に)

それら機関を通じての、グローバル・ヘルスにおける
ゲイツ財団・ワシントン大学・シアトル子ども病院のパートナーシップ……

……といった、大きな絵の中に、現在の、この理事会メンバーを置いて考えると、
両者の関係の深さが思われるというもの。

こうしたパートナーシップが一朝一夕に出来るものではないことを思えば、
そして、当ブログが詳細に検証してきたAshley事件の数々の矛盾・不可解を思えば、
やはりAshley事件がシアトルで起こったということの大きな意味を考えざるを得ません。
まず、去年の記事から。

Taking steps to ease economic burden of early birth
The Puget Sound Business Journal (Seattle), July 25, 2008


米国の新生児の8人に1人が未熟児で生まれ、そのうち毎年1万人が死亡。
そのため、早産が米国の乳児死亡率を上げる主因となっている。

ワシントン州でも毎年8000人、新生児の1割以上が早産で生まれており、
1994年以降、その割合は23%も増加している。

2007年のInstitute of Medicineの報告書によると
米国の未熟児にかかる社会経済的負担は1人当たり51600ドル。
ワシントン州全体では4億ドル以上がかかっている計算になる。

そのほかにも、早産の女性は出産時の入院期間が長くなるし、
出産後にも両親が病院で過ごす時間が長い、
その後も子どもの病院通いの頻度が高い、
母親が産後の休暇を長く取るなど、
社会経済に与える影響も大きい。

しかし現在の医療戦略には早産の抑止や予防が含まれていない。

そこでシアトル子ども病院が
早産・死産の原因を突き止め、予防するべく
2007年にスタートさせたプロジェクトが
The Global Alliance for the Prevention of Prematurity and Stillbirth(GAPPS)。

GAPPSは UNICEFF、First Candle, Save the Children, CDC, WHOなど
世界の関連機関と協働しつつ

またthe Washington Global Health Alliance(WGHA)を通じて
州内の研究資源を動員し、早産・死産の原因解明に努める。

そして世界の早産・死産研究の中枢として
2009年には国際会議をシアトルで開催する。

で、
ここに書かれている国際会議が5月7−10日にシアトルで開催される、という4月の記事がこちらで、
UNICEFから出されたプレスリリースを元にしたもの。



ただし出席は招待者のみ。

GAPPSは4月24日、
以下の組織と協働して早産・死産の原因究明と効果的介入に向け努力することを公にした。

ゲイツ財団、
March of Dimes、
PATH、
Save the Children,
UNICEF, WHO

GAPPAは現在、ゲイツ財団の資金によって、早産・死産に関する研究を徹底調査をおこなっており、
その研究成果は5月7−10日の国際会議後に発表される、とのこと。

Lancetの周産期救命シリーズからの統計では
生まれて28日以内に死亡する新生児の死因の第一位は早産で、

2005年の Institute of Medicineの試算では
米国の医療費の中で早産関連のコストは260億ドルを超える。

また未熟児は救命できても、脳性まひ、脳損傷、呼吸障害、発達障害が起こりがちである。
(はっきり書いてないけど、もしかして言いたいのは「死ぬよりもゼニがかかる」?)

そこでGAPPSのexecutive director Craig Rubens 医師は
「早産・死産によるご家族の大きな苦悩を放っておくことはできない。

 早産・死産撲滅に向け、
科学、公衆衛生、研究、施策の各分野の第一人者が集まったことを
GAPPSとしては誇りに思う。

シアトル子ども病院は
多くの患者が早産に関係した障害に苦しんでいることに気づき
この問題を我々の研究の最優先課題と位置づけた」。


ちなみに、こちらのSeattle Timesの記事によると
2007年に GAPPS が立ち上げられた際にゲイツ財団から150万ドルが出ています。


       ―――――――

今回の記事のタイトルは
グローバル・ヘルスのリーダーたち、早産と死産の危機に取り組む」と謳っており、

すなわち、シアトル子ども病院とゲイツ財団とは
“グローバル・ヘルスのリーダー”であり、パートナーでもあるわけですね。

「ご家族の苦悩」に触れられているのは、わずか一回だけですが
2つの記事では、ともに医療費へのburden(負担)という言葉は何度も繰り返されており、

ここに見られるのは、
ワシントン大学のIHME がゲイツ財団、Lancetと協働で進めている
DALYによる世界の保健医療施策の見直し Global Burden of Disease プロジェクトと
まったく同じ考え方。

命を奪う病気や状態だけでなく、
命が助かっても障害に結びつく病気や状態は
医療費コストに負担を強いているので撲滅しなければならん……と。

“Ashley療法”の概念図

5月8日にAshleyの父親がブログThe Ashley Treatmentを更新しました。
といっても、新しく文章を書き加えたということではなく、
去年の暮れに彼は、いわゆる“Ashley療法”について一枚にまとめた概念図をアップしたのですが、
この概念チャート「“枕の天使ちゃんたち”の幸福のための“Ashley療法”」に手を加えたようです。

1月にチャートをプリントアウトしたのですが、
ここ数日探しているのに、それがどうしても見つからないので、
すぐには前のヴァージョンと比較することができないのですが、
彼がいかに本気でAshley以外の重症児にこうした措置を広げていこうとしているか、
このチャートから伝わってくるので、紹介しておこうと思います。

更新された概念図 The “Ashley Treatment” for the wellbeing of “Pillow Angels”は、こちら

チャートはまずAshleyの状態を整理し、
それをPillow Angelsと彼らが呼ぶところの重症児の定義へと拡大していきます。

Pillow Angelsの定義には6項目があり、

・ 最近の医学の発達によって命が助かるようになった子どもたちという新しい障害カテゴリー。
・ 障害児の1割にも満たない、社会で最も非力な子どもたち。
・ 介護者への依存度が非常に高く、家族にとってとても大切な存在である。
・ 家族の愛情に満ちたケアを受けるほうが“人間扱いされない施設に入れられる”よりQOLが豊か。
・ 家族と介護者の大半は体重と身長の伸びが最悪の敵だと考えている。
・ 家族の手による個別の選択肢を必要とする極度の障害である。

最後の行の「個別の選択肢」が矢印で「“Ashley療法”」という囲みにつながり、
さらに「“Ashley療法”」の囲みが矢印で
「乳房芽の切除」「子宮摘出」「健康のためのサイズ調整」の3つに分かれていきます。

上記4つの囲みそれぞれの下に整理されているのは以下のような
「解説」「Ashleyへの主な利点」「Ashleyへの追加の利点」。

“Ashley療法”
解説は「予防的医療ケア」
主な利点は「QOLの改善」
追加の利点は「介護がしやすくなる(介護者と一心同体だから)」

乳房芽の切除
解説は「思春期に大きくなる腺の切除。思春期前なら単純な手術」
主な利点は「横になっている時や支持ベルトに大きな胸は不快、それを取り除く」
追加利点は「繊維症や癌予防」と「介護者に対して性的な存在となることを避ける」

子宮摘出
解説は「小さなうちに子宮を摘出」「選択肢検討するもこれほどの効果なし」
主な利点は「生理痛を取り除く」
追加利点は「出血しなくなる」「妊娠の可能性がなくなる」「癌予防」

健康のためのサイズ調整
解説は「骨端線の閉鎖を加速する2年間のエストロゲン・パッチ」
   「体重と慎重をそれぞれ40%、20%の削減」
主な利点は「介護者によって動かすことが増える(可動性、血行、ストレッチ)」
     「(施設ではなく)家で暮らせる可能性が高くなる」
追加利点は「側わんの手術と褥瘡の可能性を下げる」と「自己の認知と身体を近づける」


また「乳房芽の切除」と「子宮摘出」の間に別の色で追加的に「盲腸摘出」が加えられており、
この3つを○で囲んで以下の2つの注がつけられています。

1) 扁桃腺を取る程度のリスクの2時間の手術
2) エストロゲン療法の3つの作用(省きます)を防ぐために、これらはエストロゲン投与前に行う

なお、上記の“Ashley療法”からは、もう一つの矢印が出て
“Ashley療法”についてのコメント欄につながっており、
いかにAshleyのような子どもたちに有効であるか、
いかに多くの賛同の声があるかという話ですが、
最後の1つが大変気になるところで、

世界中で何十人というPillow Angelの親が我が子のために同療法を検討中」だと。

        ――――――――

以上について、指摘しておきたいこととしては、

・ 「成長抑制」が「健康のためのサイズ調整(”Sizing for Wellness”)」に言い換えられました。

・ 「家で暮らせる時期を延ばす」という点を前年の医師らの論文が主たる目的としていたのに対して、Ashleyの父親は去年元旦の立ち上げ時のブログでも1月のメディアによるインタビューにおいても、これを繰り返し強く否定していたのですが、その後同じような子どもの親たちと連絡を取り合ううちに、彼はこのメリットを認めるようになったといいます。そのために、このチャートでは「主要な利点」の中に入っていますが、それによって親が当初主張していた成長抑制の目的を医師らが論文で偽って報告したとの疑惑が変わるものではありません。

・ 開腹手術のリスクが「扁桃腺切除と同じ程度」という箇所について、医師らの意見を聞いてみたいところです。

・ 当初は我が子のためを思って考え付いたことかもしれませんが、このチャートを作る彼の思考回路は既に会社の事業計画や新型ゲームの販促のプレゼン作成時のようです。今、彼が情熱を注いでいるのは実は自分が生んだ“Ashley療法”という商品を世に認知させることなのでは? 利点の部分ではeliminate(排除する)という単語がずらりと並んでおり、それを見ていると、我が子の身体のことについて、こういう書き方ができる親って……? eerieという英単語が頭に浮かびました。Stephan King の読みすぎかもしれませんが、「どう考えても普通じゃないものを感じて背筋の辺りがちょっと冷たくなるような感じ」?

・ しかし、彼の現在の動機がどうあれ、それによってこんなことが広がっていくのは困るのです。シアトル子ども病院の医師らは、こうした父親の行動をどう眺めているのか。あなたたちは、このチャートの責任を取れるのか、と問いたい。


【関連エントリー】
Ashley父のブログ更新(2008/1/20)
Ashley父がやりたいのは実験?(2008/1/21)
久しぶりにAshleyの父親のブログを覗いていたら、
いわゆる“Ashley療法”の詳細について1枚にコンパクトにまとめた概念図のタイトルの右肩に
著作権マークのⒸが……。

気づかなかっただけで、これまでにもあったのかもしれませんが、
いや、びっくりしました。

自分が考案した“Ashley療法”を広く重症児たちに広げていこうと
彼が本気で考え、それに向けていろいろ計画を進めているらしいことは
常々知っているつもりではいたのですが、
まさか、概念図に著作権を取るとは……。

さすがにMicrosoftの幹部、そつがないと言うべきでしょうか。

もしかしたら、
自分の目論見どおりに“Ashley療法”が普及した暁を夢に見て
考案者として“Ashley療法”の特許なんかも申請していたりしてね。

去年の5月のUWのシンポ以降、
Deikema医師ですら“Ashley療法”という括り方は否定しているのですが、
彼は今なお“Ashley療法”という括り方とネーミングにこだわっているようだし。

        ―――――

この概念図は去年の暮れにブログにアップされたと思われるもので
当ブログでも1月に簡単に触れていますが、
5月8日に更新されているので、これを機に、
近く内容などを紹介するつもりです。

【追記】
ちなみにブログ本文は、2006年元旦の立ち上げ段階から著作権が付与されていることが明記され、
出展を明確にしリンクを貼る限りにおいて本文・写真共に使用を認める、とされています。

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