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89歳の元美術教師の英国人女性が
3月27日に姪に付き添われてディグニタスで自殺。

加齢に伴う健康の悪化はあったものの
終末期でもなければ障害があったわけでもない。
(この記事の書き方に、少なくとも記者の頭の中では
すでに「障害がある」が「死ぬ権利行使」の資格に含まれていて
社会通念としてもそうだと、少なくとも記者が思い込んでいることが歴然)

新たな動機ヴァージョンが登場しており、
IT技術で直接的な人間関係が希薄になった世の中についていけない、
人々が疎遠になり、まるでロボットみたいだ、と。

もう何をするにも昔のやり方ではなくなって、
みんな、適応できないなら死ね、と言っている。

私の年齢では適応できるとは思えない。

私のような子ども時代を経て大人になったら、
とうてい理解できるような時代じゃない。
なにもかもが手抜きだらけで。


女性は結婚したことがなく子どももいない。

英国海軍で働いたこともあり、
70歳まではテニスをしていたが、
加齢とともに健康状態が悪化し、
最近11日間の入院を最悪の体験だと語り
ナーシング・ホームに入ることになるのでは、という不安を抱いていた。

女性のディグニタスでの死は、
何かと物議を醸しているDr. Death、Michael Irwin医師の手引きによるもの。

Irwin 医師は
「判断能力がしっかりしていれば、
自分の身の回を眺め渡して、こういう生活は嫌だと思ったら、
自分で人生を終わりたいかどうか、合理的に考えることができる」



思い出すのは、このエントリー ↓
スイスの自殺ほう助の実態に関する調査報告(2014/2/19)

一人暮らしや、離婚した人に高率であることには
幇助を受けない自殺でのリスク要因として挙げられている社会的孤立や孤独が
幇助自殺でも同じく要因となっている可能性がうかがわれる。


それにしても
この女性の言う「この時代に適応できないなら死ね」というのは、

「科学と技術で簡単解決バンザイ」文化と“コントロール幻想”と
そこに連なる利権構造の世界に乗っかれないなら、滅びよ、死ね……という
まさしく今の時代からのメッセージを
この人は聞いたのかもしれない。


例えば、あのSavulescuが
「遺伝子診断で高い知能の子どもを産むのは道徳的な義務」と説いて
またまた物議をかもしているのだけれど、


こういう、なんというか人間に対する深い洞察力を欠いたシンプルなマインドの
「科学とテクノで簡単解決バンザイ」文化の人たちの言うことが
世の中の進む方向を誘導しているのを目の当たりにすると、

私だって、この女性と似たような絶望を感じるもの。


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