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PAS合法化法案が審議中の英国で、

英国老年医学会(BGS)から
個々のメンバーには様々な考え方があるが、
学会としての立場を明確にするとして、
以下の声明が出されている。



要点のみをざっと。

1. 患者が治療を選択する権利を認め、終末期に症状管理の困難な事例がある事実も認めつつ、患者が死ぬことを医師が幇助する方針は認められない。最弱者こそ可能な限り症状を軽減するサービスを利用でき、自分で選んだ場所で尊厳のある死を迎えられるようにすべき。

2. 我々の仕事はなんとしてでも生を引き伸ばすことではなく、死が不可避であることを受け入れつつQOLを維持向上すること。会員は「死なせてほしい」と患者から言われた経験から、それは本心から死を望んでいるというよりも助けてほしいというメッセージと知っている。時間をかけて患者と語り合い、その言葉に耳を傾けて個々のニーズに応えようと務めれば、死にたいと考えなくなる。

3. 高齢者は、家族の影響を受けやすい。老年医の経験からも、死なせてほしいという直接間接の要望は本人より家族からくることが多い。排泄や抑うつや耐え難い痛みの問題の軽減によって、それらの訴えはなくなる。

4. 国民がPASを求める気持ちの多くは、死に時間がかかれば障害が重くなることや、望みもしない負担の大きな医療をされるのではないか、という不安が原因。生を引き伸ばす医療ではなく、個々の患者の優先順位と症状管理を中心とし、緩和や終末期医療に長けた医療職の関与によって解決可能。

5. PAS合法化が社会にとって広い意味での利益だとの考え方をBGSは受け入れない。政治家は個々人の権利だけでなく、社会全体のことや、合法化が社会の成員全員に与える影響を考慮すべきである。BGSは現状でも他者への負担になっているから生きることを諦めろというプレッシャーを感じている高齢者と障害者の利益を守ることを重視する

6. 推進派はどちらも苦しみを取り除く医師の役割として治療もPASも違いはないと主張するが、死が避けがたいと認めることと、患者の死を幇助する行為の一線を越えることは、医師と患者の関係性を変え、社会における医療の役割を変える。QOLが人間の生命の価値を測る指標となってしまえば、社会で最も弱い人たちには、さほどの保護が提供されなくなる。

7. 患者には、終末期であるかどうかを問わず、症状をコントロールしてもらう権利がある。症状管理を目的にした行為と自殺幇助を目的とした行為の区別が臨床においては最重要。同様に、BGSはその結果がどのようなものになるにせよ、患者が治療を選択したり拒否する権利を強調する。事前指示についても同様。

8. “assisted dying”という概念は、死に対する社会の態度、医療職の態度を変える。意図的に殺すことの禁止は社会の試金石。すべての命が大切という考え方を維持することが大事。それによってごく少数の人の自己決定権が否定されるにせよ、社会としての、より大きな善との間でバランスを取る必要がある。高齢者の医療と福祉を改善し、高齢者の智恵と経験を以前のように尊重すること。

9. 社会が変わり、いつどのような死に方をするかは個人の権利だという考え方に変わりつつあるのは事実。PASが合法化された場合には、可能な限り高齢者や弱者を保護する、しっかりしたセーフガード整備のため、具体的な規制検討に参加し、建設的な役割を担う所存。

(ゴチックは spitzibara)

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