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BioEdge の Cookも書いているけど、
昨年6月に安楽死法が施行されて、
12月にはMedical Ethics誌に安楽死後臓器提供を提唱する論文が掲載されたというんだから、
本当にカナダのすべり方はすさまじい。

しかもケベック州はこんな状況 ↓
ケベックの安楽死者、想定の3倍に(2016/11/7)


問題の論文の著者は
モントリオール大の Julie AllardとMarie-Chantal Fortin。

BioEdgeが引用しているのは以下の箇所。

“MAID (medical aid in dying) has the potential to provide additional organs available for transplantation. Accepting to procure organ donation after MAID is a way to respect the autonomy of patients, for whom organ donation is an important value. Organ donation after MAID would be ethically acceptable if the patient who has offered to donate is competent and not under any external pressure to choose MAID or organ donation”.

MAID(死における医療的援助)には移植に使える臓器の数を増やすポテンシャルがある。MAID後に臓器提供を認めるのは、患者の自律を尊重する一つの方法である。なぜなら、その場合、患者にとって臓器提供は重要な価値なのだから。提供を申し出た患者に意思決定能力があり、MAIDも臓器提供も外からのプレッシャーなしに選択したことであるなら、MAID後の臓器提供は倫理的に妥当であろう。


正当化の論拠は患者の自律。自己決定。

ただし、
自分はお荷物でしかないと感じている人が、
臓器を提供することによってのみ誰かの役に立てると考える可能性はあるので、
安楽死と臓器提供はそれぞれ独立した意思決定であることが必要。


It will be difficult to disentangle patients' motivations for requesting MAID, but the complete separation of the two decisional processes should help to ensure that the MAID request is motivated by unbearable suffering, as required by law, and not by the feeling that one's value is limited to one's organs.

MAIDを要望する患者の動機を解き明かすことは難しいだろうが、安楽死と臓器提供の2つの意思決定プロセスを完全に別のものとすることによって、MAIDの要望の動機が法の求めるとおり耐えがたい苦痛によるものであり、自分の価値は臓器にしかないという気持ちによるものではないことを担保できるだろう。


また臓器移植に対する社会の信頼を損ないかねないので、更なる研究が必要、とも。


なんと、ケベックの臓器移植団体とケベック州政府の倫理委員会からは、
すでに立場表明が出ているらしい。

後者が昨年5月に出した声明には以下のように書かれているということなので、
上記の論文どころじゃなくて、もう明らからに推進の構え。

Considering that a request for medical help in dying is a right, that organ donation is socially acceptable and it is an express request of the patient, and considering that the Commission [Commission de l'éthique en science et en technologie] has always praised organ donation in preceding position statements, the Commission recommends that all the institutions responsible set in place the necessary conditions for making these two requirements compatible.

死に際して医療の援助を要望することは権利であること、
また臓器提供は社会的に容認されており、提供が患者の明示的な要望であることを考え、
また科学とテクノロジーの倫理委員会はこれまでの立場表明において
臓器提供を常に賞賛してきたことを考えると、

委員会としては、
両者を担う全ての機関がこれら2つの要望を両立させるべく必要な条件を整備することを
提言する。


なお、この記事が
ベルギーとオランダの安楽死後臓器提要ドナー数を更新してくれており、

ベルギーの安楽死後臓器提供ドナーは2005年から2015年までに21人。
オランダではこれまでに希望者が15人とのこと。

ただ、昨年3月に同じジャーナルに掲載されたオランダの学者の論文では
ベルギーとオランダで既に40件以上となっており、合わない ↓
オランダの研究者らから「臓器提供安楽死」の提言:「安楽死後臓器提供」はベルギーとオランダで既に40件以上(2016/3/31)



関連情報として、


その後、こちらの情報によると、2015年3月段階で安楽死後臓器提供ドナーは17人 ↓
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara2/64546842.html


この記事に


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