どうする、利根川? どうなる、利根川? どうする、私たち!?

八ッ場ダムを中心としたダム・河川の話(工学、法律、歴史)。なお、緑色がリンクです。

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 八ッ場ダムにおける違法行為の1つ、虚偽公文書作成罪の話をしようと思います。まずこの「違法行為」については既に告発状がでています。

 さて、虚偽公文書作成罪というのは、公務員が虚偽の公文書を作ることを罰する罪で、「公文書」にしかない犯罪類型です。一般市民が普通に文書を書いて、それが内容虚偽だったとしても、罰せられません。それだけ公文書というのは社会的に重要だという訳です。「公文書には真実が記載されている」という社会生活の前提を守る(保護法益)ために、これを犯罪として規定しました。
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 八ッ場ダムにおける虚偽公文書作成罪に話を戻しましょう。
 事件はさいたま地裁においてでした。八ッ場ダムは住民訴訟として事件が争われています。住民訴訟というのは、地方自治法に定められた特別の訴訟形態で、住民が居住する自治体の公金支出について、差止めを求めたり、或いは支出が違法だった場合に損害賠償を求めたりできる訴訟形態で、米国の納税者訴訟(Tax Payer's suit)をモデルに戦後定められたものです。
 その目的は、「自治体財政の健全性の確保」あり、公益確保を目的とします(客観訴訟)。日本の訴訟は、基本的に私益の調整(主観訴訟)ですから、裁判の当事者(原告・被告)として裁判所に認められるのは、紛争により損害を被っていること/被る恐れがあることが、条件となってきます。法律用語では、原告適格といいまして、これが環境訴訟などで大きなハードルになってきます。特に原発訴訟では、この原告適格が大きなハードルです。
 これ以上、この話を書くと八ッ場ダムから離れるので、住民訴訟というには「原告適格」というハードルが殆どない、特殊な訴訟類型だということだけ、ここでは理解しておいてください。
 
 話を戻します。
 八ッ場ダム訴訟は住民訴訟であり、事件が自治体の公金支出の違法性を対象としています。なので、相手となる被告も自治体なんです。具体的には、八ッ場ダム事業の費用負担をしている1都5県(群馬、栃木、埼玉、東京、茨城、千葉)です。そして、話は埼玉県を被告としていた、埼玉訴訟でおきました。
 住民訴訟なので、直接の当事者は埼玉県です。しかし、埼玉県が八ッ場ダムの根拠となる様々な資料を作成している訳ではありません。資料作成は当然、国の担当機関、具体的には関東地方整備局でした。なお、各自治体は資料作成はしていなくても、最低限、国・関東地整から示された資料を吟味・再検討し、本当に事業参加・費用負担をする必然性、必要性があるかどうか確認する義務があるはずです(地方自治法232条1項=法令遵守義務)。しかし、この再検討をどれだけやっているか、はなはだ怪しいものがあります。国の言うところだからとして、全く鵜呑みにして、治水・リス以上の負担に応じているように見えます。
 このように、件の当事者(原告・被告)以外の者が、事件・紛争解決に重要な証拠を有している場合があります。そうした時に、非当事者の所有する証拠を裁判手続きとして、裁判所に提出させることが必要になってきます。その方法の1つが、今回の「調査嘱託」(民事訴訟法186条)でした。
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 この調査嘱託という手続きを使って、出てきた資料が下記のものです。八斗島上流を54流域に分割し、その分割図をもとに流出解析をするわけですが、この時の数値が「全流域で1次流出率0.5、飽和雨量48mm」だというのです。
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 この数値には4つの嘘があります。
【嘘その1】 全流域で同一値はありえない。
 まず、全流域で同じ数値というのが異常なことです。そもそも流域分割というのは、自然的特性が異なる流域を同一に扱えないから、流域分割という作業をするのです。
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 ちょっと薄くて読みづらいと思いますが、このように八斗島上流を54の小流域に分割しているのです。それは、治水計画の基準となる数値(基本高水流量、想定洪水)を正確に割り出すためです。それなのに、全流域で同一の数値です。じゃぁ、なんのために「流域分割したの?」と聞きたくなってしまいます。したがって、これは明らかな嘘です。
 しかも嘘の目的は、洪水計算の数値が大きくなるように―想定洪水が大きなものとなり、「それゆえ治水計画上、ダムが必要だ」という論拠とするためについた嘘であることは明らかです。
 なぜか。それを、次の「嘘その2」「嘘その3」でお話します。

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