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しばらく、さぼっていたランニングと腹筋と腕立てふせを、久しぶりにやった。走った後のすっきり感がクセになり意外に続いている。
昨日、過労死を労災認定するというテーマで、社会保険労務士対象の勉強会に参加してきた。
昨今、サラリーマンの過労死や精神疾患が増加している。実際、従業員の心の病に対する対策をとろうとしている企業も増えてはいる。
サラリーマンであれば、長時間の残業は当たり前。うつになるなんぞ、根性がないからだ。という意識をもっている経営者や管理職は非常に多いが、仮に、自分の部下や従業員が過労死や精神疾患を発症した場合、冷静にいられるものかとも思うし、自分自身がポックリいってしまう可能性もないわけではない。
自分自身のことを考えても、たとえば、人件費予算をつくった時などは、土日返上、平日でも毎晩夜12時ごろまでやっていた経験があるし、日常的にみても、残業せずに帰社するというのは滅多にない。
しかし、例えば予算であれば、人件費予算がまとまれば終わるわけで、これが恒常的な状態ということになるともたないだろうと思う。
実際には月100時間超の時間外をやっている人は多いし、休みなしで働いている人は多い。
現在の労災過労死認定基準は、おおよそ3つのパターンに分類されている。
・異常な出来事があった場合に、脳心臓疾患を発症
・短期の過重労働(おおよそ1週間の過重な労働により脳心臓疾患を発症
・長期の過重労働(おおよそ1ヶ月から6ヶ月間の過重労働により脳心臓疾患 を発症)
もともと、労災の過労死認定基準は、発症当日叉は前日に異常な出来事(通常とは異なる異常な出来事に遭遇)にあった場合という基準しかなかった。
その後、1週間の過重労働をみるようになり、現在では6ヶ月間の過重労働をみるようになっている。
具体的には、1ヶ月100時間超。6ヶ月間で平均80時間超あたりの時間外労働が基準になっている。
1ヶ月の時間外労働時間が45時間に満たない場合(時間外労使協定の一ヶ月の限度時間が45時間である)は、業務と過労死との因果関係は、ほとんどないとされている。時間外労使協定の1ヶ月の時間外労働時間限度は45時間とされている理由は、45時間であれば、1日の睡眠時間が8時間確保できるだろうという逆算的な計算による。
したがって、45時間を越えるほど、過労死と労働時間の因果関係が深くなっていくわけで、60時間であれば、過労死認定されないかというと、そういうわけではない。
もちろん、労災というのは業務と疾病との間に相当因果関係がなければいけないが、いくつかある原因(例えば、タバコや酒をよくやるとか)そういう原因とみられるものと比較して、過重労働が最も有力な原因であろうと考えられる場合に認定される。
但し、ここでいっているのは、あくまでも「行政の基準」であり、裁判所では別の判断を下すこともあることに注意すべきである。
あくまでも、行政の基準と裁判所の判断は別物であり、裁判所は当然、行政の判断基準には拘束されないし、例えば、再審査請求での労働保険審査会などの裁決も行政基準には拘束されない。
労働保険制度は、審査請求前置主義をとっているから、訴訟提起する前に、必ず、行政処分に、労働保険審査官と労働保険審査会に審査請求しなければならない。労働保険審査官は、あくまでも行政基準に拘束されるから、ここで覆ることは滅多にない。しかし、昨今、こういった基準は、日々変わることがあるから、タイミングよく基準を変えてくれれば、以前ダメだったとしても、覆ることがありえる。
社会保険労務士は審査請求の代理もできることになっているが、こういった制度があることを知らない人が多いので、あまり利用する人はいないかもしれない。
行政の処分に不服がある場合は、こういった審査請求を使うか、訴訟を起こすしかないのだが、なにしろ時間がかかりすぎ、審査請求であっても結果がでるまで数年かかる可能性が高いし、却下されれば、なんだったんだ。ということになってしまう。
よって、労災認定させるには、「労働基準監督署への請求」の段階できっちり
カタをつけなければいけない。ということになるし、「過労死認定基準にも該当するのか」ということも、ここで、ある程度は判断しなければならない。
ここで、通常は提出しないような、同僚等への聞き取り、医者の詳細な意見書、詳細な勤務状況。等、大量の書類が必要となる。
労災の請求は被災労働者が申請主体だが、これを個人でやることは不可能に近い。だから、ここで、弁護士や社会保険労務士が請求代理人としてやっている。現状では、そういった業務をやるのは弁護士が主だが、東京では、社会保険労務士も、そういったことを専門にやっている方も結構いる。
ここで問題になるのは、事業主との関係である。通常の怪我くらいであれば
労災を利用しても、たいしたことはない。すぐに認定されるし連絡もない。
しかし、死亡とか障害状態になった。となると話は別である。
労働安全衛生法違反や労働時間管理の面で、事業主の責任が追求される可能性もでてくる。
労働者個人の問題と企業との間にたたなくてはいけなくなってしまう可能性がある。個人的には事業主の良心に期待したいところだが、そうもいかないだろう。
社会保険労務士や企業の人事労務担当者、そういったことが起こらないようにしておく。ということが最も重要な仕事になってくる。
仮に、家族を残して主人が過労死したとしたら、残された家族は、まず収入面で大きなハンデを背負うことになる。労災が認定されれば、遺族年金や労災の他の制度もあわせれば、本人の給与額や遺族の数にもよるが、日常生活上、やっていける程度の補償は受けることができるから、社労士としては、そういった制度もあわせて全ての手続きを請負うことになる。
単に労働法的側面よりも、社会保険制度の運用という意味でも、社会保険労務士が実務レベルでは最も詳しい範疇にあるといえるのだが、最も重いテーマであるともいえる。こういったことが実際に起こった場合、自分としては、どう対応するのか。という答えはみつかっていない。
現実には企業によっても、こういった問題に対する認識というのは、かなり差がある。自分達はまさかそうならないだろう。という妄信的な理解によるのだが、企業という閉鎖的空間に、ずっと身をおいていれば、感覚が麻痺してくることは致し方ないのだろうか・・・
いずれにしても、個人レベルでは、過労死しないように普段から、ランニングでもして、ストレスをためないように身体を鍛えるのが第一歩なのかなという気がしているので、ランニングは、これからも続けていこうと思うのである。
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