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君は少し恥ずかしそうに 暗闇から現れた
いつもは髪を束ねてるのに 今日は、全部おろしてて
その、ひまわりの花が画いてある浴衣に 良く似合っていたよ
僕の頬は赤に染まった
【女子群もそろったし、さー行くか!】
他の誰かが言った 皆、女の子と交渉してる
僕が君の隣に行こうとすると 君にはもう先客がいて
僕は、ため息をついた
皆、楽しそうに歩いてく 君も笑顔だったから
僕は耐え切れなくなって 小走りで、ここを立ち去ろうとした
すると、誰かが裾を引っ張る 僕が後ろを向くと
恥ずかしそうにしてる君がいた うつむきながら君は
【一緒に行こう】
たった一言 交わした言葉 僕はとても嬉しかった
君の髪の毛から ほんのりと香るいい匂い
今、君と二人で歩いてる事が 僕にはとても信じられない
君は夏が来ると共に現れた
【広末 夏海です 親の転勤で、福島から来ました。卒業まで、とても短い間ですが
みんなと仲良くなりたいです。 よろしくお願いします】
黒くて長い髪、スラーっとした足で 女の子らしく背は小さい。
目は、茶色くて 僕は一瞬で、恋におちた。
【たかし君?ねぇたかし君ってばー!!】
【ぇっ!?あっ!!ごめんごめん】
【もう たかし君ずーっと喋んないんだもん】
【ごめんごめん】
そんな喋るなんて 僕は君といるだけで精一杯なのに
【・・・あっ!!私あれやりたい!!】
指差したのは綺麗な入れ物に入った、花火の束だった
【お、おぅ】
まったく可愛い奴だ。隣の君に目を向けた
君の顔がゆがむ。足が痛いのだろうか さっきからずっと足を引きずってる
【・・・そこで待ってろよ】
【えっ?】
僕は 全速力で花火を買いに行った
いっぱい入った束を手に取ると
真っ先に君のもとへ 走って行った
君の姿がない
僕は 焦って君の姿を探した
途中で涙が出てきて
何やってんだ俺、、、と何度も心に言い聞かせた
すると 目の前には、足を手で押さえて
倒れこんでいる君がいた。
僕はすぐ君のもとへ駆け込んで
【ごめんな】
僕には そぅ言うのが精一杯だった
多分、その時の僕の顔は 最高にぶさいくだっただろう
涙を目にため 汗でびっしょりになって
【私の方が悪いの たかし君のとこに行こうとしたら 誰かに押されて・・・】
君の目にも涙が
本当は 君を1人にさせた僕が悪いのに
【静かなところに行こう】
僕は手を差し伸べた 君は少し恥ずかしそうに
僕の手を握ると 立ち上がって
この通りを一緒に抜けた
神社の裏で 僕らは 花火を広げると
一本ずつ好きな花火を 手に取った
さっき買った虹色のマッチに 火をつけて
僕達は 笑いあいながら 花火に火をつけ続けた
最後の2本 線香花火が残った
一瞬 楽しさが寂しさに変った
【なー。 俺さー、お前の事・・・ずっと前から好きだった】
真剣な顔で僕は 線香花火に火をつけた
【何よ 急に】
笑いながら君が言った
【本気だよ? まぢ俺 お前がいないと生きてけない】
今思えば 良くこんな事言えたなと恥ずかしくなる
【私も。 だけどね ダメなんだ】
バーン
花火が打ちあがった
【えっ・・・?】
僕にはよく 意味が分からなかったのだろう
【私ね 明日、、、また福島に戻る事になったの】
【・・・】
僕は 何も言えなかった
ただ バーン バーン と花火の音が鳴り響くだけで。
君の目からは ひとすじの涙が流れた
【私もね、たかし君のこと好きだった。転校してすぐ、たかし君の隣になってさ・・・
笑顔で『よろしくな』って言ってくれた時は、本当に嬉しかった
私、ここに来る前も色々転々としてて 落ち着ける場所がなかったんだ。
友達もね ろくに出来なくて、頼れる人だっていなくて・・・。
でもたかし君の隣では安心できた。
私の悩みとか聞いたり、いつも私に笑顔でいてくれてありがとう。
お父さんから、初めてまた福島に戻るって聞かされた時は 悲しかったけど・・・
たかし君。あなたの事・・・忘れないから】
【ぢゃあ行くなよ 俺、本当お前がいないと・・・】
【・・・ごめんなさい】
君は、泣き崩れてしまった。
僕には 何も出来ない事を悔やんだ たった一言、君に伝えたい言葉・・・。
【好きなんだよ】
僕は、君を抱きしめた。これからも、ずっとずっとこうしてけたらいいのに・・・。
何分たっただろう。 時計は もう11時をさしていた。
僕等は、手を握り締めあいながら最終電車に間に合うよう 駅に急いだ。
ずっと一緒にいたかった。でも、電車はすぐ来て君をさらって行こうとする。
扉が閉まる最後まで僕等は手を離さなかった
・・・発車の鐘が鳴る
【あなたの事忘れない】
【僕も、絶対絶対忘れないよ】
僕は、強引に君を引っ張ると 君のその綺麗な唇にキスをした
扉が閉まる
君はドアを叩いて 泣き崩れた
僕に何かを訴えかけている
口の跡をたどってみた・・・
・・・大・・・好・・・き・・・
僕は、最後まで電車を追いかけた
行くな! 行かないでくれ!! と叫び続けながら。
こうして僕の初恋は、幕を閉じたんだ
楽しくも寂しげな15の夏
君と愛を誓い合った事は この先ずっと忘れないよ・・・。
by.星
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