すた・ばにら

すたは現実世界の私、ばにらは気ままに野山を駆けめぐる野ウサギ…

全体表示

[ リスト ]

廃された採石場【上】

記事タイトルだけで、何処のことか想像つく方がいらっしゃるかも知れない。
 
国道316号を厚狭から北へ向けて走り、JR美祢線湯ノ峠駅を過ぎた先、厚狭川を渡る右手に、薮の中へ埋もれたコンクリート構造物を観ることができる。
 
 
この場所である。
国道への取り付け部分が広くなっている。
 
イメージ 1
 
 
反対側から撮影。
かつては出入りもあったのだろうが、現在は巨岩と鉄骨の部材がバリケード代わりに置かれている。
 
イメージ 3
 
 
その先に、激藪へ呑み込まれつつあるコンクリート構造物が見えかけているのである。
イメージ 2
 
 
 
地図で位置を確認しておこう。
 

 
最近はあまり国道を走らないものの、ここは通過するたびに気になっていた。
 
車を機動力優先で軽四に買い換え、この日は以前からやってみたいと思っていたじでんしゃ&ドライブのハイブリッド方式を試行すべく、北へ向かっていた。その途中でこの遺構の存在に気付き、帰りに立ち寄ることに決めていた。
 
 
幸い、取り付け部分の幅に余裕があり、車を留め置くのに全く問題ない。
国道のこの付近は駐車禁止区間でもなさそうである
じでんしゃが活躍する場面など皆無だから、ポケットにデジカメを突っ込んで単身乗り込んでみることに。
 
 
入口の様子。
茶色に錆びまくったベルトコンベアーだろうか。ゴムベルト部分は撤去され、鋼製の部材だけをバリケード代わりに横置きしている。
 
 
イメージ 4
 
 
このコンベアの存在だけで、採石場の跡地ではなかろうかと推測された。
 
内側の様子。
かつては国道の取り付け部分までアスファルト舗装されていたようだ。今は古タイヤやペットボトルなど、ゴミの投げ込みが酷い。
その奥には、かなり大きなコンクリート壁が見えている。
 
イメージ 5
 
 
ズーム撮影。
左側のコンクリート壁の脇には、巻き上げ機らしきものが見えかけていた。
 
イメージ 6
 
 
十数年前、元の仕事関係で週に一度子どもの家庭教師をしに美祢まで車を走らせていた。仕事を終えて国道316号をひた走り、途中腹ごしらえするためにウドン店へ立ち寄っていた。(今はその店は閉鎖されている
この採石場跡は、そのウドン店から少し美祢寄りに進んだ右手にある。記憶は薄れつつあるものの、当時から既に稼働終了してこの状態だったと思う。
 
採石場跡であることはかなり確からしいから、これは一体何だろうという好奇心を煽るインパクトに欠ける。何よりも目立った遺構はそんなにないだろう。詰め所などが撤去されていたなら、残るのは採取した資材を貯留したり加工したりするコンクリートの建て屋くらいのものである。
 
民間企業の所有物であり、私有地立ち入りとなるかも知れない点も気にはなった。しかし現地にはこの先の進行を強硬に阻止する物理的障壁も警告もなく、一般の公地と同様”望む探索者の接近は阻まない”というレベルのようだ。違いは、危険があるとしても自己責任で…という付帯条件が課せられる点である。
 
しかしこの付帯条件は、決して鼻で笑って済まされるものではなかった。
アスファルト路面が消えるあたりから雑草の繁茂が酷くなり、進路取りに迷った。そして確かに危険が潜んでいるかも知れない場所で立ち往生した。
 
 
まだ100m程度離れている。
この先に道形が見当たらず、かなり深い沢のような地形で分断されていたのだ。
 
イメージ 7
 
 
見下ろしたところ。
写真で観る限りでは、大した高低差でなさそうだろう。低い沢地は今も砂利が残っているせいか、目立った草が生えていない。
 
イメージ 8
 
 
実際には視座からこの原っぱまでの高低差が10m近くあり、しかも斜面は足を捉えるツタ性の植物がびっしり蔓延っていて、安全に降りられる自信がなかった。仮に降りることができても、帰りに怪我もなく登って来れるか分からない。
 
後から思えば、先に掲げた地図の航空映像には元の道形が見えている。ダンプトラックさえ行き交っていたのだから、草木の障害はあっても平坦性は保証される筈だ。しかしひとたび足を踏み入れれば、地面の状況などまるで分からないのだ。
 
 
国道を振り返って観ている。
これほどの荒れようだ。背伸びしなければ、国道を行き交う車もよく見えない。
 
イメージ 9
 
 
他に安全な経路がないか、この斜面を降りるべきか判断がつかず、最初の数分くらいこの近辺を右往左往していた。
進入道がある筈だとは思ったものの、至る所で低木や藪に分断されていて、探すのに酷く苦労させられた。先の平場を求めて藪に突っ込み、諦めて引き返し別の場所へ突っ込み…の試行錯誤を強いられた。
 
 
何度かの試行後、比較的広い平場に行き着いた。
重厚なダンプによって十分に突き固められた進入路には、さすがの灌木も根を下ろすことが出来ない部分があるらしかった。
 
イメージ 10
 
 
ひとたび平場へ到達すれば、意外に安泰な道となっている部分もあった。これらは今や下界の何処にも繋がっていない道の一部として遺っているようだ。
 
 
その平場は、国道が厚狭川を渡る手前で90度山の手へ向きを変え、あの遺構を目指していた。ここまで来れば、もう射程距離に入ったも同然だ。
 
 
イメージ 11
 
それにしても…
 
イテテテテ...(汗)
 
何処の遺構でも、到達への本気度を試される藪漕ぎという障壁。
ここでは先方を視認できるのはいいとして、他の場所には見かけない凶暴な奴が根を下ろしていた。
 
イメージ 12
 
こいつが主犯格である。
算盤の珠のような黄色い実を沢山つけている灌木で、ちょっと見たところピラカンサによく似ている。実際、ピラカンサの仲間であるタチバナモドキのようだ。
 
イメージ 13
 
 
枝に少しばかりトゲを隠し持っていて、不用意に突っ込むとシャツやズボンの目に刺さってくる。もちろん素肌など露出していようものなら、流血の事態になるだろう。
夏場のどんなに暑い盛りでも半トレで踏査に出歩くのが論外な理由の一つ
あまり見かけない灌木なのに、この地では主役となっていた。水が得にくい痩せた土地でも育つ灌木なのだろう。
 
一つずつ丁寧に枝を振り払い、あるいは枝が跳ねないように踏みつけて前進した。危ない箇所はなかったが、かすり傷も負いたくないなら、枝跳ねを避ける慎重さと辛抱強さが必要となるような場所だ。
 
 
こうして漸く目的の遺構の足元へ到達することができた。
なかなかに巨大だ。
 
イメージ 14
 
 
さて、何処から眺めようか…
さほど時間を費やすほど、多くの魅力あるものは望めないとも思えるのだが…
 
(「廃された採石場【下】」へ続く)

閉じる コメント(2)

顔アイコン

私も10年ぐらい前に探訪してますが、当時とあまり変わってない様子ですね。
操業中の写真でもあれば感動モノなんですがね〜

2010/11/3(水) 午後 9:05 [ - ] 返信する

アバター

やはり廃墟好きには一度は訪れる場所のようですね♪
現地を観る限りまだ採掘は可能なように思えたのに…閉鎖された理由があるんでしょうね。

2010/11/3(水) 午後 11:31 sta_vanilla 返信する

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事