すた・ばにら

すたは現実世界の私、ばにらは気ままに野山を駆けめぐる野ウサギ…

過去の投稿日別表示

[ リスト | 詳細 ]

全1ページ

[1]

市道を更に北上し、先の排泥桝らしき場所から100mちょっと離れた場所に、やはり常盤用水路のものと断定される奇妙な構造物が存在する。この構造物は私が自力で見つけ出したものではなく”こんなものがあった”という情報を頂いた上での現地踏査だった。

広瀬高架橋がかなり近くに見える。前方右側に見える民家の上方に厚東川1期導水路のNo.25が存在する。

イメージ 1


ここは田畑と竹藪の境目であり、厚東川の方へ向かうあぜ道が存在する。

イメージ 2


少し入った竹藪の手前に、こんなコンクリート桝のような構造物が潜んでいたのだった。

イメージ 3


この場所を訪れたのは、私自身はこれで2度目である。前回来たときよりは周囲の竹がよく刈り取られている印象を受けた。初めて来たときは酷い藪に囲まれていて接近が困難だった。

問題の構造物。
地上に出ている部分の高さは60cm程度、桝はおよそ1m角のサイズだ。上部に厚さ10cm程度の蓋が載っている。


イメージ 4


市道との位置関係
道路よりはむしろ厚東川の方が近い。


イメージ 7


さて、この桝だが
なんとも理解に苦しむ構造をしている。蓋の中央に日の丸弁当を思わせる丸い穴があり、内部を覗けるようになっている。しかし蓋とは言いながら鉄格子のような鉄筋が埋め込まれているだけで、取っ手はない。


イメージ 5


桝の蓋にしては奇妙だ。厚さ10cmもある取っ手のないコンクリート蓋なら重くて動かせないだろう。経常的に開閉するなら、きちんと取っ手をつけるか、先に見たような軽い縞鋼板製の蓋にする筈だ。

格子部分から中を覗き込む。
竪坑は隅切りした八角形構造になっていて、水が溜まっていた。溜まり水までの深さは推測で3m程度。水の動きは見られなかった。

イメージ 6


この構造物も常盤用水路に関するものと考えて間違いない。
そのことを裏付ける境界杭が近くにあったからだ。


イメージ 8


これは常盤用水路の施工にあたって宇部興産(株)が買い上げた土地の境界を示している。同じ杭が常盤用水路の開渠部分の全線にわたって設置されている。この下を管渠が通じているのは疑いない。

しかし桝の構造に大きな疑問が湧く。
先に見つけた排泥桝と比べて異質な点が多いのである。

(1) 小川や沢など排水可能な場所に面していない。
(2) 蓋が容易に開閉できる構造ではない。
(3) 蓋に穴が空いており大気中に開放されている。

これらの特性は、今まで見つけてきた常盤用水路の排泥桝にはい。溜まった泥を排出するのなら蓋は軽いものにする筈だし、桝の縁がこんなに高くては作業に困る。したがってこの構造物は排泥桝ではない。

では、何のための構造物なのだろうか?

点検用の人孔ではないかと思われたが、これも恐らく違う。内部の壁に昇降用のタラップが取り付けられていない。現在なら被覆付きの足掛金物を使うし、昭和初期・中期なら鎹を取り付ける。この深さの竪坑でタラップが存在しないなら、当初から人が内部へ降りる用途は想定されていなかったと考えられる。

推測だが、この竪坑は管渠区間の送水変動を吸収するサージタンクのような役割を持たせるための桝ではないかと考えている。

ダムの水を導水管で導き別の場所から水圧鉄管で落とすタイプの水力発電所には、かならずサージタンクが付属する。送水量が大きく変化したとき導水管にかかる圧力変動を緩和するためである。サージタンクは上部が大気中に開放されているので、内部の水が上下動することでそこから下流側への内圧変動が抑えられる。

常盤用水路に限らず呼び径一杯で送水する管構造物では、送水量が変動すれば内部に圧力変動が起こる。送水を開始・停止する際には流速が一定の数値からゼロまで変動する。不測の事態による経路の急遮断など短時間に大きく変動すれば、管渠内部に大きな圧力がかかる。常盤用水路の場合、管渠のジョイント部分から漏水する原因にもなるだろう。
漏水による田畑や敷地の陥没といった被害は恐らく過去にあったはず

一定区間毎に上部が大気に開放されている部分があれば、そこから下流側の管渠内部は上流からの流量変化の影響を吸収できる。この構造物はそういった意味で「サージ桝」とも言えるべきものではないかと考えている。管渠区間が長く続く部分があれば、これと同様の構造物が他にも見つかるかも知れない。

市道側から撮影。
田畑に利用されず荒れ地となっている部分が社有地で、恐らく管渠を布設した当時のままと思われる。

イメージ 9


導水路と言えば、並走している厚東川1期導水路はその殆ど全線が暗渠である。しかし周知の通り、沢地を渡る場所など至るところに点検桝が設置されているので、これ自体が流量変動を吸収するサージ桝も兼ねているのではと思われる。

さて、広瀬高架橋を過ぎた先で正体不明の構造物を見つけている。一つは痕跡程度しか確認できないもののかなり確実そうだ。他方、もう一つ市道沿いに見られる物件は未だに正体が分かっていない。

開く コメント(2)

全1ページ

[1]


.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事