すた・ばにら

すたは現実世界の私、ばにらは気ままに野山を駆けめぐる野ウサギ…

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個人対個人、あるいは会社対個人でトラブルが起きたとき、一方に非がある場合はまず謝罪し、生じた損害を賠償します。損害の程度が迷惑をかけた程度に軽微なとき、負担にならない物品を持って謝罪にあがることは現代でも一般的です。詫びを言いに行くのに手ぶらというのも変な話だ…それでささやかなものだけど持参した、それ程に私は今回あなたに迷惑をかけたことを済まなく思っている…という誠実な気持ちを示す昔からの習慣です。
 
ところが玄関先で相手に持参した物品を手渡して謝罪するとき、こんな風に付け加えるのはどうでしょうか。
 
「菓子折を持って来たんだけど、甘いもの嫌いなら返してよ。
甘いもの好きな人のところへ持っていくからさ。」
 
まったく有り得ない話で、もはやギャグの世界です。まるっきり謝る気がないのが明白で、謝罪を兼ねた訪問はむしろ逆効果になるでしょう。
 
ところが…
この漫画みたいなことを地で行く謝罪をやってのける企業があるようです。それも片田舎の零細企業ではなく、東証一部上場企業、(株)ベネッセホールディングスコーポレーション9783)です。
 
こんな記事を見つけました。
 

「500円金券」か「500円寄付」か…ベネッセが繰り出したまさかのお詫び作戦

ベネッセによる情報漏洩事件は多くの人の知るところで、身の回りで実際に漏洩された方を幾人も知っています。私は該当者ではないのでまったく他人事でしたが、該当者には一律500円を迷惑料として支払う話は聞いていました。
上の記事によると、500円相当の電子マネーギフトか電子図書券のどちらかを選択できるようにしているようです。情報漏洩の代償が500円という水準について議論はありますが、受け取れるサービスの方法を選択可能にしている点に違和感はありません。
 
ところが個別に送達された文書には、こんなことが書かれていたようです。
 
「上記のおわびの品にかえて、別紙にてご説明しております『財団法人ベネッセこども基金』へのご寄付をお選びいただくことも可能です」
 
この骨子は、情報漏洩で迷惑をかけた弊社の社会的責任に鑑み、子どものための基金を作りたいので、500円分を財団法人への寄付という形も選択できるようにした、ということらしいです。
子どものための財団法人を作ることについては恐らく誰も意は唱えないでしょう。しかし大いに疑問な点は、寄付に関する次の一言に集約されます:
 
「何故に、今のタイミングで?」
 
被害者へ一律500円という、高くもない金額だけどキチンと詫びたいという姿勢が霞んで見えます。財団法人はまったく自前の組織なので、被害者へ支給すべき迷惑料を「要らないなら返してよ。基金に回すから。」と言っているも同然です。
 
財団を立ち上げ、必要だから寄付を募りたいという考え自体に問題はありません。いいと思うことは積極的にやればいい。しかしそれをやるなら、今回の情報漏洩に関する謝罪の件とはまったく切り離して行うべきものです。どうして情報を漏洩された当事者へ謝罪文を送る「そのついでに」財団基金の話を持ち出し、あれだったら500円分寄付してよみたいなことが平気で言えるのでしょうか?
 
まったく、君たちは頭がどうかしているよ。
 
一体、誰の発案で謝罪文書を送る中に財団寄付の話を盛り込もうなんて愚かな考えが通ったのでしょうか。実際、漏洩被害に遭った契約者に聞いてみたところ本当なら500円如きで幕引きをはかられること自体に納得いかないって方も相当あるのです。Yahoo!が以前にやらかし、そのとき500円だったから「情報漏洩の迷惑料は500円が相場」なんて勝手に決められても困るという声もあるのです。
 
まあ、個人情報についてそれほど重視していない契約者なら、500円如きでお茶を濁されてもあれだから寄付しますという方もあるでしょう。したがってある程度は財団基金の足しになる筈です。しかしその代償として、多くの契約者と私のような部外者に対して金銭的に算定できないこんな負のイメージを持たれてしまうことでしょう。
 
「ほら…ベネッセってそういうセコい会社なんだ。」
「およそ空気が読めていない…典型的な大企業病だな。」

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