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今回取り上げるアルバムは、ジャズファンのみならずポップスファンからの支持も多い、
大ベテラン・アーティスト「ナンシー・ウィルソン」が3年前にリリースしたアルバムです。

今年でジャスト70才を迎え、巷では引退説まで流れていますが、
そんな彼女が自身の音楽生活50年という、節目の年にリリースしたこの記念アルバムの中では、
そんな心配など全く不要な、変わることのない見事な唱いぶりで満たされています。

タイトルは「NANCY WILSON/R.S.V.P.〜RARE SONGS, VERY PERSONAL」
と云う、深い意味をも込めたアルバム・タイトルです。

タイトルの深い意味とは、次の3点を意味します。

1.今迄にレコーディングしていないナンバーで構成。
  つまり、ナンシーにとっても、リスナーにとっても、初めて接する唄となります。

2.豪華多彩なゲスト・アーティストとのコラボレーション。

3.多彩なバンド編成

この様に、レアーでパーソナルなナンバーで全てが構成されています。

ナンシー・ウィルソンについては、もはや小生なぞが語る必要もないと思いますので、
ここでは各曲の解説を手短に書いてみます。

01)AN OLDER MAN IS LIKE AN ELEGANT WINE

  ナンシーのバースから始まるバラード・ナンバー。
  ピアノ・トリオをバックにしっとりと唱い上げていますが、二人のゲストが一層盛り上げます。
  一人はハーモニカの巨匠「トゥーツ・シールマンス」、もう一人はこれまたジャズ界の巨匠
  サックスの「フィル・ウッズ」です。
  それぞれの素晴らしい、オブリやソロが堪能出来ます。

02)DAY IN, DAY OUT

  ガラリと変わり、オールスター・ビッグバンドによる、スインギーなナンバー。
  サックス・ソロはアンディー・スニッツァー。
  ナンシーも快活に伸びやかに唱っています。

03)WHY DID I CHOOSE YOU

  バーバラ・ストライサンドのヒット曲。
  フルオーケストラをバックに情感タップリに唱っています。
  2コーラス目からはゲストのR&Bアーティスト「ケニー・ラティモア」が加わり、
  素晴らしいデュオを聴かせてくれます。

04)I WISH I'D MET YOU

  この曲のゲストはニューヨーク・ヴォイセスの「キム・ナザリアン」と
  ベテラン・ギタリストの「ジョー・ネグリ」。
  イントロからエンディングまでニューヨーク・ヴォイセスのコーラス・アンサンブルで
  満たされ、コーラスをバックにしたギター・ソロは泣かせます。
このアルバムに独自の味わいを醸し出しています。

05)I LET A SONG GO OUT OF MY HEART

  変わっては、オールスター・ビッグバンドによるスインギーなナンバー。
  リラックス&エモーショナルな歌声に加え、ここでも「フィル・ウッズ」のサックス・ソロ
  が堪能出来ます。

06)GOODBYE

  ベニー・グッドマン楽団のクロージングテーマでも有名な曲ですが、
  今まで唱っていなかったとは思いませんでした。
  ピアノ・トリオをバックに、お馴染みのナンシー節を最も堪能出来るナンバーでは。

07)HOW ABOUT ME

  ここでは、ピアノトリオ+木管編成というユニークなアンサンブルを聴かせてくれます。
  ゲスト・クラリネット奏者は「パキート・デリヴェラ」、木管でしか表現し得ぬソロやオブリを
  聴かせてくれます。また、ナンシーの語りかけるような唱いぶりも絶品です。

08)MINDS OF THEIR OWN

  この曲のゲストでもある、ブラジルを代表するアーティストの一人、
  「イヴァン・リンス」のオリジナル曲。
  アレンジは王道のジャズ・バラード仕立て。ピアノトリオ+ギターをバックに、
  イヴァン・リンスとの実に雰囲気一杯のデュオを聴かせてくれます。

09)LITTLE GREEN APPLES

  ナンシーのバースから始まる、しっとりとしたナンバー。
  ピアノトリオをバックに、見事なまでに抑制を効かせた素晴らしいヴォーカルを
  聴かせてくれます。

10)YOU'LL SEE

  この曲もしっとりとした、ピアノトリオによるバラード・ナンバー。
  ゲスト・トローンボーン奏者「ビル・ワトロス」の、実に味わいのあるソロが堪能出来ます。

11)THAT'S ALL

  ヴァイブのイントロから始まる、ミディアム・ナンバー。
  ゲスト・ヴァイブ奏者はジャズ界の巨匠「ゲイリー・バートン」。
  何と、二人のコラボレーションはお初となりますが、見事にシンクロされています。
  勿論、ゲイリーのヴァイブ・ソロ、オブリなど聴きどころ満載です。

12)BLAME IT ON MY YOUTH

  最後を彩る曲は、これまたジャズ界の巨匠「ジョージ・シアリング」とのピアノ・デュオによる、
  美しいバラード・ナンバー。
  聴いている時は勿論、聴き終えてからも、何とも云えぬ余韻に浸されます。

ザット、こんな感じで構成されていますが、
ナンシーの歌声には全く年齢などは感じられません。
ここらが日本人アーティストと大きく異なるところでもあります。

が、欲を云えば、もう少しアップテンポなナンバーがあっても良かったかな、
などと感じますが、バラードに拘った事も「VERY PERSONAL」というニュアンスからすれば、
納得も出来ます。

〜END〜

  
  

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