|
AORと言えば、「ボズ・スキャッグス」「ボビー・コールドウェル」らが有名ですが、
AORファンには何を今更の、もう一人の隠れた祖を忘れてはいけません。
アーティスト名は「NED DOHENY/ネッド・ドヒニー」
チャキチャキのL.Aっ子、それも大変裕福な家庭に生まれた、由緒正しきアーティスト?でもあります。
ロスに行かれた事のある方ならキッと覚えていると思いますが、
ハリウッドにある「ドヒニー・ストリート&邸宅」こそ、彼の家系のシンボルでもあります。
但しこれらの事は、決してネタミや皮肉で述べたのではなく、彼の音楽の根幹に根付いている
重要なファクターと思っています。
全員とは言いませんが、多くのアーティスト達の音楽的バックボーンには、
こうした家庭環境や地域環境などの自身に纏わる様々な環境などが、
実は大きく影響を及ぼしていると云えます。
そこでネッドの音楽とは?ですが、
一言で云えば「大らかさと優しさとセンスの良さ」や「多彩さと純粋さ」であり、
加えてその歌声は爽やかであり、清々しいものと云えます。
つまり、彼のその後のアーティスト人生をみても、前述のような「育ち環境」の強い影響を
感じてしまいます。
良くも悪くも、ハングリーなアーティストからは生まれ得ぬ音楽と断言出来ます。
さて、今回紹介のアルバムは、73年にリリースされたネッドのファースト・アルバムであり、
且つ伝説のレーベルとなっている「アサイラム・レコード」からのリリースです。
このアサイラムは、ジャクソン・ブラウン(ネッドと同期同胞)、J.Dサウザー、イーグルス、
リンダ・ロンシュタッドなどのスーパー・アーティストを輩出したレーベルです。
話は戻りますが、ネッドのベスト・アルバムは76年にCBSよりリリースされた
「Hard Candy」・・・実際セールスは良かったが・・・と云われますが、
ネッド自らの立ち位置を示し、その後に影響を与えたという意味からも、
このファースト・アルバムを挙げぬ訳にはいきません。
ハード・キャンディーは当時のAORブームを意識してプロデュースされたアルバムでもあり、
ネッド自身が望んで制作にあたったものではありませんでした。
その為もあって、(プライヴェートな出来事も重なったり)その後のネッドは
自身のレコード活動を89年まで封印する事となり、その間は作家活動に没頭していました。
そのあたりも、音楽に対する純粋性を優先させ、自身の音楽スタンスを曲げてまで音楽で稼ぐ、
などという考えは毛頭なかったと思われます。
しかし、自然体で臨む作家としての才能は勿論秀でていた事もあり、
数々のビッグ・ヒット曲やアーティスト達を誕生させました。
さて、このアルバムの全10曲は全て彼自身の作詞・作曲・編曲によるものであり、
冒頭で述べた、音楽センスの良さや多彩さが発揮されています。
具体的には、フォーク・テイストの雰囲気をベースとしながらも、ロックなブルースなギター、
R&Bテイストなオルガン、モダンなコーラスワーク、管楽器の参加などによる、
AORルーツとなるサウンドを構築した事です。
もう一つ、ここで弾いているギターは全てネッド自身の演奏であり、
アコギ、エレキ共々、中々良い味を聴かせてくれます。
最後に、ジャケットの中で微笑えんでいるネッドの写真、
見事に人間性が表れているとは思いませんか!
〜END〜
|