月読通信

1年近く放置すると、帰ってき難いねぇ^^;

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最近読んだ本2008.01〜03

 今年に入って読んだ本のリストを、備忘のために。……それにしても、もう桜も満開だっていうのに、たったこれだけの本しか読めていないとは(T^T)
 年明けから(正確には去年の夏頃から)この3月にかけて、実に様々なことが重なり、それこそ怒濤のような日々でした。ようやく一段落、と思ったら、もう新年度が目の前……あー実感。「忙しい」とは、まさに「心」を「亡」くすことであるなぁ。

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?H2>恩田陸『いのちのパレード』  これはまた、見事なまでに「恩田陸らしい」短編集でしたね。どの作品も『異色作家短編集』へのオマージュに相応しい奇想ぶりでしたが、個人的には「走り続けよ、ひとすじの煙となるまで」が一番かな。あのビジュアルイメージは圧倒的です。「蝶遣いと春、そして夏」「SUGOROKU」が次点。

?H2>『唐詩選』上(岩波文庫版)  仕事上の都合で読みました。漢詩をまともに読むのは大学時代以来かも^^;しかし、漢詩を読むと、漢字って表意文字なんだなぁって、改めて思いますね。あたりまえのことですが。それと、声に出して読んでみると、なんだか教養がついたような気になるから不思議です(笑)

?H2>恩田陸『木洩れ日に泳ぐ魚』  「記憶」によって支えられている人間の「自我」と「心理」。でも「記憶」ほどあやふやで頼りないものはありません。この作品、元々は戯曲として構想されたのかもしれませんね。雰囲気的には『夏の名残りの薔薇』に通じるものもあるかな。

?H2>『荘子』  これも、仕事上の都合で読んだ(というより、目を通した)もの。一時期「老荘思想」とか「道(タオ)」とか「無為自然」とか、そういうタームが流行ったことありましたよね。でも考えてみたら、その原典たる『老子』も『荘子』も読んだことありませんでした。そもそも「荘子」を「そうじ」と読むことすら知らなかったというオソマツ。まぁ何となく「穏やかで万物に逆らわない」というような漠然としたイメージを持っていたんですが、読んでみたらもっとずっと過激な思想でした^^;

?H2>ネビル・シュート『パイド・パイパー 自由への越境』  ネビル・シュートといえば『渚にて』。SFファンなら誰もが知っている古典的名作の作者です。でも、本書はSFではありません。フランスの片田舎に釣りに来ていたイギリス人老弁護士が、様々ないきさつから、幼いこどもたちを連れて、ドイツ軍侵攻下のフランスを脱出し、イギリスへと帰るまでの物語です。淡々として地味な展開なのですが、読み終えたとき、ゆっくりとこみ上げてくるものがありました。オススメです!

?H2>新城カズマ『サマー/タイム/トラベラー』上下  以前パンダさんの記事を見て以来、気になっていた本。たまたま本屋で見かけたので、買ってみました。……いやもう、SF、それもタイムトラベルものの百科事典といっても過言ではありません^^これでもかとばかりに出てくる古今東西の名作SF! 存分に堪能しました。個人的には、大野安之『ゆめのかよいじ』が登場していたのがツボでした。それにしても新城カズマって、あの「蓬莱学園」のノヴェライズでデビューした人だったんですね! 前は名前の表記が「一馬」だったような記憶が……

?H2>米澤穂信『春季限定いちごタルト事件』  あちこちで評判のよいこのシリーズ、ようやく縁あって手に取ってみました。なるほどキャラも立っているし、ミステリとしてきちんと成立しているし、文章は読みやすいし、品よくまとまっている印象です。ただ、『サマー/タイム/トラベラー』の直後に読んだので、どうしても比較してしまうところがありまして。どちらも「ものすごく頭のいい」「でも種々の事情を抱えている」「高校一年生」が主人公なので……。どちらかというと『サマー〜』のほうが好みかなぁ。『夏季限定〜』を読んだら、また違うのかな?

?H2>森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』  これはもう、楽しい本でしたね^^「記事」を書いたので、詳しくはそちらを。なむなむ!

?H2>村上春樹『またたび浴びたタマ』  タイトルでお分かりの通り、回文の本です。それも、限りなくくだらない脱力形の回文ばかりが集められています(笑)村上春樹の解説も、力が抜けていていい。息子Kと一緒に爆笑しつつ読みました。中でも一番のお気に入りは、「裸体が渋い武士がいたら」です^▽^

?H2>五味文彦『徒然草の歴史学』  国文学と歴史学って、同じ過去の事象を取り扱っていながら、割と疎遠な感じがしますよね。例えば『徒然草』も、古来より連綿と読み継がれてきた名随筆ですし、古典文学としての研究史にも、ぶ厚い蓄積があるわけです。けれど、その内容を歴史学的に捉え直すという試みは、あまりなされていないようです。その意味で、日本中世史の著名な研究者が、『徒然草』のテキストを緻密に読み解いていく様は、実に面白い。『徒然草』を単に処世訓としてではなく、作者・登場人物の出自や立場、鎌倉末から南北朝初期という時代背景を視野に入れて読むと、見慣れた「つれづれなるままに…」の書き出しも、なんだか新鮮に見えてきます^^

?H2>梶尾真治『精霊探偵』  中高時代をSFファンとして過ごした私にとって、梶尾真治(カジシン)の名前はやはり輝かしいものです。でも、『おもいでエマノン』を読み返すことはあっても、梶尾真治の最近の作品を読むことは、ほとんどありませんでした。映画化された『黄泉がえり』も読んでないし、ある意味久しぶりの梶尾作品だったわけです。
 本書の主人公は「背後霊が見える」という特殊能力を持つ男。帯の惹句は「ちょっと不思議でほんわり切ないスピリチュアル・ミステリー」とかいう、いかにも売れセンをねらったものになっていますが、私の印象は、「カジシンはやっぱりSF作家だ!」でした^^

?H2>ポール・ギャリコ『猫語の教科書』  物語に登場する猫というのは、どうしてああも魅力的なのでしょう。やはり、本書の作者である猫が言うように(ちなみに、ポール・ギャリコはあくまでも翻訳者であり、執筆者=タイプライターをたたいたのは猫なのです)、古来より人間を骨抜きにする方法を身につけているからでしょうか。本書は、猫による猫のための「人間操縦術」読本です。写真もふんだんに使われているし、解説は大島弓子だし、まぁ猫好きにはたまらない本なんじゃないでしょうか^^
 ところで私は、猫は嫌いではありません。ただ、積極的に近づいたり、ましてや自宅で飼うなどということはしません。なぜなら「猫毛アレルギー」だからです。もう、膝の上に乗られたりすると、てきめんです。目は真っ赤に充血して猛烈に痒くなり、鼻水が滝のように出てクシャミが止まらなくなるという……。そんなわけで、私にとって猫は、本で見るのが一番いいみたいです^^;


 やれやれ、今後もこんな風に、週に一冊のペースでしか本が読めなかったら、脳が干上がってしまいそうです>_<。。。
 願わくは4月以降、もう少し本を読む時間(と記事を書く時間)が取れますように!!

 「古本市の神様」にでもお祈りしてみるかなぁ……。 
 一応読書系のブログをやっていて、本楽家協会・本楽大学に所属しているワタクシメではありますが、これまで一度も「年間ベスト」的な記事を書いたことがありませんでした。まぁ、そもそも他の方々に比べて、読んでいる本の数が圧倒的に少ないので、その中からわざわざ選ぶまでもないよなぁ、というのが記事にしなかった理由なんですが。
 でも今年は、ブログを始めて3回目の年末ではあるし、何よりお近づきになった皆さんのおかげで読むことができた本が何冊もあるので、ささやかながら、個人的に印象に残った本をここに記録しておくことにしようと思います。あ、もちろん自分が今年読んだ本の中でってことですよ。私の場合まず新刊を読まない(というか読めない)ので、新しい本はほとんどありません、悪しからず。ちなみに順位はつけてません。順番は、著者名の五十音順です。

芦原すなお『ミミズクとオリーブ』『嫁洗い池』

 しろねこさんはじめ、面白いと評判の高かったシリーズ。芦原作品を読むのは初めてでしたが、とても楽しめました。これ、コタツに入って読みたいですよね^^もちろん、酒と旨い肴つきで(笑)

ラルフ・イーザウ『ファンタージエン 秘密の図書館』

 最近読んだんですが、いや〜面白かったです。そうかそうか、こうしてあの「はてしない物語」が……。イーザウについては、Tommyさんオススメの『ネシャン・サーガ』もまだだし、『盗まれた記憶の図書館』も未読だし、楽しみです。

伊坂幸太郎『アヒルと鴨のコインロッカー』『チルドレン』

 『チルドレン』は面白かったなぁ。ある意味実に伊坂幸太郎らしい作品だった。そいうえば『フィッシュストーリー』も読んでないんだよな^^;早く読まなくっちゃ。と思いながら、先に『ゴールデンスランバー』買ってしまいました! これから読みます!!

上橋菜穂子『精霊の守り人』『闇の守り人』『狐笛のかなた』

 今年後半の収穫といえば、なんといっても上橋・荻野の二大国産ファンタジー作家を読み始めたことです。上橋作品については、とにかく『狐笛のかなた』にたましいを鷲掴みにされました。「物語の力」ってスゴイ。めにいさんもお墨付きです!

荻原規子『空色勾玉』『白鳥異聞』『薄紅天女』『これは王国のかぎ』『風神秘抄』

 こちらも、最近ようやく読み始めたんですが、いやもう、驚愕しました。あまりのすばらしさに「勾玉三部作」一気読みしてしまったくらいです^^ この人のストーリー・テリングの才には、舌を巻きますね。特に『空色勾玉』は出色の出来です。これがデビュー作と知って二度ビックリ! あ〜もっと早く読んでおけばヨカッタ!!

恩田陸『チョコレート・コスモス』『朝日のようにさわやかに』『中庭の出来事』

 どちらも、恩田陸の代表作にあげていい作品だと思います。『チョコレート・コスモス』は、小説という表現形式で、演劇の臨場感を極限まで描ききった傑作です。『中庭の出来事』は、恩田陸道上級者向けですが、読み終えた後の酩酊感がたまりません。『朝日…』も比較的上級者向けかな。私は好きです。ホント、こういうのを読ませてくれるから、恩田ファンはやめられないのだよなぁ♪ あぁ!いつのまにか『いのちのパレード』が出てる!!

E・L・カニグスバーグ『スカイラー通り19番地』

 『クローディアの秘密』を借りようとして図書館になく、たまたまあったこちらを借りたのですが、大当たりでした。正しくアメリカの小説であります。裏庭に建つ「塔」の姿を想像するのが、なんだかとても楽しかった^^

北村薫『詩歌の待ち伏せ1』『詩歌の待ち伏せ2』『ひとがたながし』

 『詩歌の待ち伏せ』は素晴らしい企画ですね。選ばれている作品自体のもつ力ももちろんですが、そこに北村薫の「読み」が加わることで、何層倍にも厚みが増している印象です。作品を「読む」ということ自体が創造的な行為であると、実によくわかります。『ひとがたながし』は……泣きました>_<。。。

北森鴻『花の下にて春死なむ』『蛍坂』『桜宵』

 『花の下にて春死なむ』に始まるシリーズ、いいですねぇ^^本当に、「香菜里屋」が近くにあったら、三日にあげず通ってしまいそうです。このシリーズのおかげで、本楽大学付属図書館の地下に、ビアバー「月読酒房」がオープンできました。最近店主不在で申し訳ありません(笑)

小泉喜美子『弁護側の証人』

 もねさんの巡回ライブラリー企画で回していただき、読むことができたのが『弁護側の証人』です。小泉喜美子といえば、個人的にはクレイグ・ライスなどの翻訳者として知っていたのですが、ミステリ作家でもあったんですね。もねさん、その節はありがとうございました。本はまだ、私の手元にあります^^

桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』

各所で大絶賛の嵐だった『赤朽葉家の伝説』。そうした評判を知らなければ、手に取ることはなかったでしょう。実際、なかなか面白かったです。皆さんとは、やや違った感想になりましたが、印象に残ったことは確かです。有川さんは一冊でお腹いっぱいですが、桜庭作品については、別のも読んでみようかな、と。

酒見賢一『泣き虫弱虫諸葛孔明』

 図書館でたまたま手に取ったのですが、これはもうけものでした。三国志ファン、わけても孔明ファンは必読!?です^^もう、笑いが止まりません。これがあの天才軍師諸葛孔明か! 続編も出てるらしいので、早く読みたいです♪

佐藤多佳子『サマータイム』『しゃべれども、しゃべれども』

 『サマータイム』は素敵でしたねぇ。なんだか空気の温度とか光の具合とか雨の匂いとか、そういうものが行間から立ち上ってくるような、そんな小説です。読み終えた後、キラキラした余韻が残ります。『しゃべれども…』も面白かったな^^落語を題材(というか媒介)として、あそこまで読ませるというのは、並大抵の実力じゃあありません。『一瞬の風になれ』を読むのが楽しみ。

朱川湊『花まんま』『わくらば日記』

 この人は文章がとても上手いですね。ほとんどの作品が一人称単視点ですが、読者を違和感なく語り手の視点に溶け込ませるというか、作品内空間に引き込むというか。で、そのことを意識させないあたりが、すこぶる上手い。

戸板康二『團十郎切腹事件』『家元の女弟子』

 前々から読みたいと思っていて、ようやく今年読むことができた中村雅楽シリーズ。案に違わず、素敵な作品群です。歌舞伎にしろ他の伝統芸能にしろ、元々芸談的なものを読むのは好きな方で、その上それがミステリになってるんですから、面白くないわけがない。文庫の全集が刊行されているので、少しずつ読み進めていこうと思ってます。

梨木果歩『裏庭』『家守奇譚』『ぐるりのこと』

 『裏庭』と『家守奇譚』は、ファンタジーにおける洋の東西という点で、ちょうど対になるような作品です。それを一人の作家が書いているというのが面白いし、イギリスで学んだ梨木果歩ならでは、と思わされるところでもあります。そのあたり、エッセイである『ぐるりのこと』を読むと、腑に落ちる部分が結構ありましたね^^
 ところで、先日『家守奇譚』が某大学の現代文の受験問題として出題されていたのを発見しました! もちろんごく一部の抜萃なので、そこだけ読んでもまったくピンと来ないわけで、ちょっと複雑な心境になりましたね^^;

フィリパ・ピアス『トムは真夜中の庭で』

 これぞまさに「12才までに読んでおきたい傑作ファンタジー」第1位候補の最右翼! 12才どころか3倍以上の年齢となった今年、初めて読んで、それこそ「子供の時に読みたかった!!」と歯噛みしたものです。ついでに地団駄も踏みました(笑)あ、そうだ。今度ファンタジー学部で「12才までに読んでおきたいファンタジー投票」とかやってみようかな〜。

宮本昌孝『藩校早春賦』『夏雲あがれ』『こんぴら樽』

 今年読んだ、ただ一人の時代もの作家が、宮本昌孝です。月野さんオススメだったことが頭にあって、図書館で見かけたとき迷わず手に取りました。これは、正統派、正攻法の面白さですね^^ずんずん読めるし、読後感も爽やか! ワタクシからもオススメします。

柳広司『百万のマルコ』『はじまりの島』『饗宴 ソクラテス最後の事件』

 こちらも、皆さんの評判を知って手に取った作家です。特に『百万のマルコ』は好きだなぁ。こういうホラ話集みたいなのって、今時の小説としてはありそうでない形式ですよね。しかもミステリになってる。ニヤニヤしながら読める一冊でした^^


 というようなわけで、だらだらと書き連ねてきましたが、こうしてみるとブログをやってたからこそ読むことができた本ばかりですね。ありがたいことですm(_ _)m
 それにしても、今年は後半リアルに忙しくなってしまったため、単体での感想記事が全然書けなかったことだなぁ……それと、ファンタジー何冊かを除くと、翻訳物をほとんど読んでないなぁ……そうそう、コミ研に入ってるのに『のだめ』以外まったく新刊漫画を読まなかったなぁ……などなど、年の瀬に思うことは色々ありますね(笑)

 ともあれ、来年もよい本に出会えますように!

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 いささかゆっくりながら、今年の秋も深まりつつありますね。暖かい伊豆でも、随分と秋らしい風景を目にするようになってきました。ということで、秋の風情三景。「秋の空」「秋の花」「秋の樹影」です。あまり出来のよい写真ではありませんが、ちょっとした記録まで。ちなみに、花の名は「ホトトギス」です。職場の入口脇に咲いてます。

 さて、秋晴れの日中も、秋の夜長も、読書にはうってつけのよい季節です。もっとも、当ブログにお越しの皆さまの場合は、秋と言わず一年中が「読書の秋(とき)」ではありましょうが^^
 私も、仕事のピークが過ぎて、多少なりと本を読む時間がとれるようになってきました。で、例によって読んだ本、読みかけの本のメモをば。


小川洋子『ブラフマンの埋葬』
 ある日迷い込んできた、傷ついた小動物。語り手の青年は、その小動物を「ブラフマン」と名付けて、共に暮らすようになるのだが……。
 何とも静謐で、透明な空気を感じる一冊。読んでいる間ずっと「村上春樹的」だなぁ、という印象を持っていたのですが、最近ヒデジぃさんのブログで、小川洋子が村上春樹の大変なファンであると知り、ある意味とても納得したのでした^^

柄刀一『時を巡る肖像』
 イタリアで修行を積み、ミケランジェロの「最後の審判」修覆にも携わった絵画修覆士が主人公の連作短編ミステリ。様々な名画にまつわるエピソードや、修覆技術に関する知見も得られ、さらに柄刀一らしい本格ミステリの仕掛けも施されていて面白いのですが。…主人公の性格にもよるのでしょうか、なんとなく生硬な感じが否めません。ちょっと乗り切れなかったかなぁ。

E・L・カニグスバーグ『スカイラー通り19番地』
 初めて読むカニグスバーグ。『クローディアの秘密』が図書館になかったので、こちらを借りてきました。これはもうたまりません。カニグスバーグの作品、もっと読まなければ!という焦燥感をおぼえるほど、面白かったです。

戸板康二『團十郎切腹事件』
 今読んでます。短編集なので、電車の中で一編、寝る前に一編と、愉しみながら少しずつ読み進めています。この人の文章は、実にこう読みやすく、かつ品があって、それでいて軽味もあって、とてもいいですね。ミステリを読むというより「歌舞伎界・演劇界の歴史や内幕を知る好個の資料」として読んでる感じです。

荻原規子『これは王国のかぎ』
 平行してこれも読んでます。最近、上橋菜穂子の作品を続けて読んだので、並び称される国産ファンタジー作家、荻原規子も試してみることにしました。図書館には何冊も作品が並んでいましたが、とりあえずタイトルの訴求力が高かったこの本を。
 予想に違わず、素晴らしい滑り出し、ほんの数頁で、あっという間に読者を現代の日本から灼熱の砂漠、アラビアンナイトの世界へと連れて行く手腕には舌を巻きました。読書好きの15歳の女の子は、必読ですね^^

荻原規子『空色勾玉』
 今更ながら、やはり読んでないとなぁ、と。『これは王国のかぎ』を読み終えたら、早速取りかかるつもりです。楽しみ、楽しみ^^

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 例によって記事を書く暇がないので、最近読んだ本のリストを、備忘のために。
?H2>三津田信三『凶鳥の如き忌むもの』  導入部分の民俗学的な蘊蓄は、なかなか面白かったし、よく調べてるなぁと感心しました。物語自体についても、古い因習、秘密の儀式、孤島、殺人、密室からの人間消失とミステリ的なギミックてんこ盛りで、楽しませてもらいました。いやもうホント、「なるほどねぇ〜」と。でも、どこか書き割りというか作り物めいた印象も拭えず(特に儀式を行わねばならない必然性にどうも得心がいかず)……。ひょっとして、読む順番が悪かったのかな?
?H2>戸板康二『家元の女弟子』  中村雅楽シリーズは、ずっと前から読んでみたかったんです。そうしたら、地元の図書館になぜかこれ一冊だけあったので、飛びついてしまいました^^
 なんというか、素晴らしく面白かったです。探偵役である老優中村雅楽のキャラクターもさることながら、歌舞伎界のしきたりや舞台裏、芸談といった話が無理なく織り込まれているのも楽しい。その上、シリーズものの短編集というのは、私の一番好きな小説の形態なのです。これは、文庫で出たシリーズも読まなきゃいけませんね。
 ところで、雅楽は「がらく」と読むんですね。私、てっきり「うた」だとばっかり思ってました^^;
?H2>高橋葉介『夢幻紳士』  ※再読。私の怪奇小説遍歴のきっかけになった漫画。コミ研記事用に再読しました。
 詳しくはこちら
?H2>芦原すなお『嫁洗い池』  『ミミズクとオリーブ』の続編。相変わらず、奥さんの料理は美味そうです。各短編の間には、結構な時間が流れているんですが、続けて読むとなんだか毎日河田刑事が郷土の食材を手みやげにやってきているようで、ちょっと可笑しかったです^^胃を痛めて禁酒しているときの、作家の切なさがリアルでした(笑)
?H2>山田章博『紅色魔術探偵団』  ※再読。これも、コミ研用に再読。改めて、まったく絵柄が古びていないことに軽い驚きを覚えました。美しいものというのはいいものです。何によらず。
?H2>諸星大二郎『孔子暗黒伝』  再読。山田章博とは別の意味で、まったく絵柄の変わらない人。この人の絵は、逆立ちしても「上手い」とは言えませんが、ものすごく強烈なインパクトがあります。絵だけではなく、話のスケールも突き抜けてますね。
?H2>宮本昌孝『藩校早春賦』  久しぶりに、面白い時代小説を読みました。東海の小藩に仕える下級武士の子弟らが主人公の短編集ですが、なにしろ読後感爽やかです。これぞ日本の正しい青春群像!南伸坊の挿絵も絶妙。この余白と間合いは、普通の挿絵画家には出せません(笑)
?H2>宮本昌孝『夏雲あがれ』  上記『藩校早春賦』の主人公たちの、その後の成長と友情を描いた長編。確か月野さんもオススメだったような。で、感想ですが……嗚呼、これぞ時代もの、これぞ青春!!(って同じこと言ってますが)。結構長い話なのですが、一気に読んでしまいました。本を読むって、楽しいなぁ!!
?H2>梨木果歩『ぐるりのこと』  梨木果歩のエッセイ集。この人は、著者近影もないし、あまりインタビューなども受けない人らしいですね。作品を、純粋に作品として受け取るためには、むしろその方かいいのかもしれませんが、やはり好きな作家の言葉というのは、聞いてみたいものです。
 折々の事件や時事問題などについて、梨木さんがどのように感じているのか。闇雲に批判したり賛同したりするのではなく、自分自身の「ぐるり」つまり目の届く周辺と世界とが地続きであるという認識に立って、ゆっくりと考え、言葉にしていく様子が、強く伝わってくるエッセイでした。読みながら、とても深い、井戸の中をのぞき込んでいるような気がしたものです。
 ちなみに、文庫版の解説は最相葉月です。
?H2>上橋菜穂子『闇の守り人』  このシリーズは、文庫化を期に読み始めました。第一作『精霊の守り人』の時にも思いましたが、非常に深く、よくできた物語です。25年ぶりに故郷カンバル王国の土を踏んだ女用心棒バルサ。その心に消えがたく刻まれた傷と、向かい合い、突き抜けるための帰郷……。闇の底でバルサが相対したものとは?
 シリーズはこの先も長く続いているので、先を読むのが楽しみです^^
?H2>村上春樹・佐々木マキ『不思議な図書館』  春樹・マキといえば羊男ですよね(笑)これは小型の絵本(しかも装幀が菊地信義!)です。迷宮のような図書館に迷い込んでしまった少年が主人公ですが、もちろん羊男も出てきます。それ以外の、へんてこりんな者たちも。とても素敵な本なので、誰か、好ましい人へのプレゼントにしたらいいかな、なんて気もします。
?H2>村上春樹『東京奇譚集』  今読んでます。時々ね、ものすごく村上春樹の小説を読みたくなることがあるんです。それも長編ではなく、短編を。小石でテーブルをコツコツとノックするみたいな、乾いてヒンヤリとした、あの感触を味わいたくなるんですよね。
?H2>吉田兼好『徒然草』(岩波文庫版)  これも今読んでます。いやその、ちょっとした事情がありまして^^;恥ずかしいことに、実はこれまで徒然草をきちんと通して読んだことなかったんですよ。だからまぁ、いい機会かな、と。で、読んでみると、なかなか面白かったりします。さすがに長年にわたって読み継がれてきた古典だけのことはある。しかしこの坊さん、一体誰に読ませるために書いてたんでしょうかねぇ。
?H2>宮本昌孝『こんぴら樽』  これから読みます。なんだか、タイトルを見ただけで面白そうな予感が(笑)

とりあえずの読書メモ

 このところ忙しすぎて、まったく記事を書く時間がとれず(泣)

 例によって読書メモでお茶を濁しておきます〜。まずは、読んだ本。


小泉喜美子『弁護側の証人』

 もねさんの巡回ライブラリーで貸し出していただいた本。真っ先にお送りいただいたのに、なかなか記事が書けず申し訳ありません^^;とりあえず一言だけ感想を。文章の小気味よさはいい感じです。でも一番感じたのは「昭和っていう時代があったんだなぁ」っていうことでした♪ちなみに、とても面白かったです。もねさん、ありがとうございました。記事はもう少ししたら書きますね。

恒川光太郎『夜市』

 これはよかったです^^もう、素晴らしく雰囲気が出てましたね。設定も面白かったし、後味も悪くないです。個人的な好みとしては、もっとタイトに削って、短いながらも奇妙で心に残る短編という感じにしてくれれば、もっと嬉しかったかも。

芦原すなお『ミミズクとオリーブ』

 郷土料理って憧れるなぁ(笑)語り手である作家の「ぼく」と、探偵役である奥さんの距離感がまた心地よい。原稿を書くのに「ワープロ」に向かうあたり、初出時の時代を感じるわけですが、でもこういうほのぼのとした作風は得難いものですね。あ、芦原作品初めて読みましたが、いい感じです。

有川浩『図書館戦争』

 あはは。今頃読んでみましたけど(笑)結論から言えばとても面白かったです。ただ、かなり面食らったのも事実。なぜって、私いわゆる「ライトノベル」(ライトノベルを略してラノベっていうのにすら違和感が^^;)を読んだことなかったんですよ。で、思ったこと。そうか、これがライトノベルの文体なんだ!と目から鱗が落ちました。設定は緻密だし、ストーリーも達者だし、悪くないです。まぁ印象としては漫画のネームを読んでる感じでしたが^^ていうか(笑)有川さんて女性だったのね。

佐藤多佳子『サマータイム』

 月野さんの記事でも高評価でしたが、実際に読んでみて、ビックリしました。……本当にキラキラしてます。夏とピアノとジャズと姉弟と初恋と。とりあえず読んでおかなきゃいけない本だと思いました。もう、解説とかあんまり必要じゃありません。いいから、読んどこうよ。

                                   ***

 今読んでる本はコレです。

フレドリック・ブラウン『天の光はすべて星』(再読)

 実はゆきあやさんに読んで欲しいと思っているんですが、自分自身も長い間再読していなかったので、改めて読んでみることに。原作は1953年刊行。舞台は1997年から2001年にかけて。当時の遠い未来が、今や過去のことになってしまってるんですよね。でも、ストーリー自体は、とても素敵です。これを書いたのがブラッドベリでなくブラウンだというところが味です。

                                   ***

 そうそう、これから読む本も紹介しておきます。

ジョイス・マンスール『充ち足りた死者たち』

 エジプト生まれでレズビアンでシュールレアリスム(何しろ、本書の献辞が「アンドレ・ブルトンに捧ぐ」ですから)の詩人、マンスールの本。CAVEさんにお教えいただいて、読みたいな〜とか言ってみたらなんと!お手持ちの本を譲ってくださいました^^CAVEさん、ありがとうございました!しかも訳者が巖谷國士!!さらに出版社が薔薇十字社!!……色々な意味で濃いです^^

北村薫『紙魚家崩壊』

 実はこれ読んでなかったんですよ。北村薫といえば長編や連作ですが、こういう短編集もいいかも、と思って。図書館で見かけたのを機に、手に取ってみました。これから読むのがとても楽しみです♪


 というようなわけで、ひさびさの更新、なんだか中途半端な報告になってしまいました。
 でもまぁ、とりあえず、ご挨拶代わりにアップしておきます。

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