読書記録
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一応読書系のブログをやっていて、本楽家協会・本楽大学に所属しているワタクシメではありますが、これまで一度も「年間ベスト」的な記事を書いたことがありませんでした。まぁ、そもそも他の方々に比べて、読んでいる本の数が圧倒的に少ないので、その中からわざわざ選ぶまでもないよなぁ、というのが記事にしなかった理由なんですが。 でも今年は、ブログを始めて3回目の年末ではあるし、何よりお近づきになった皆さんのおかげで読むことができた本が何冊もあるので、ささやかながら、個人的に印象に残った本をここに記録しておくことにしようと思います。あ、もちろん自分が今年読んだ本の中でってことですよ。私の場合まず新刊を読まない(というか読めない)ので、新しい本はほとんどありません、悪しからず。ちなみに順位はつけてません。順番は、著者名の五十音順です。 芦原すなお『ミミズクとオリーブ』『嫁洗い池』しろねこさんはじめ、面白いと評判の高かったシリーズ。芦原作品を読むのは初めてでしたが、とても楽しめました。これ、コタツに入って読みたいですよね^^もちろん、酒と旨い肴つきで(笑)ラルフ・イーザウ『ファンタージエン 秘密の図書館』最近読んだんですが、いや〜面白かったです。そうかそうか、こうしてあの「はてしない物語」が……。イーザウについては、Tommyさんオススメの『ネシャン・サーガ』もまだだし、『盗まれた記憶の図書館』も未読だし、楽しみです。伊坂幸太郎『アヒルと鴨のコインロッカー』『チルドレン』『チルドレン』は面白かったなぁ。ある意味実に伊坂幸太郎らしい作品だった。そいうえば『フィッシュストーリー』も読んでないんだよな^^;早く読まなくっちゃ。と思いながら、先に『ゴールデンスランバー』買ってしまいました! これから読みます!!上橋菜穂子『精霊の守り人』『闇の守り人』『狐笛のかなた』今年後半の収穫といえば、なんといっても上橋・荻野の二大国産ファンタジー作家を読み始めたことです。上橋作品については、とにかく『狐笛のかなた』にたましいを鷲掴みにされました。「物語の力」ってスゴイ。めにいさんもお墨付きです!荻原規子『空色勾玉』『白鳥異聞』『薄紅天女』『これは王国のかぎ』『風神秘抄』こちらも、最近ようやく読み始めたんですが、いやもう、驚愕しました。あまりのすばらしさに「勾玉三部作」一気読みしてしまったくらいです^^ この人のストーリー・テリングの才には、舌を巻きますね。特に『空色勾玉』は出色の出来です。これがデビュー作と知って二度ビックリ! あ〜もっと早く読んでおけばヨカッタ!!恩田陸『チョコレート・コスモス』『朝日のようにさわやかに』『中庭の出来事』どちらも、恩田陸の代表作にあげていい作品だと思います。『チョコレート・コスモス』は、小説という表現形式で、演劇の臨場感を極限まで描ききった傑作です。『中庭の出来事』は、恩田陸道上級者向けですが、読み終えた後の酩酊感がたまりません。『朝日…』も比較的上級者向けかな。私は好きです。ホント、こういうのを読ませてくれるから、恩田ファンはやめられないのだよなぁ♪ あぁ!いつのまにか『いのちのパレード』が出てる!!E・L・カニグスバーグ『スカイラー通り19番地』『クローディアの秘密』を借りようとして図書館になく、たまたまあったこちらを借りたのですが、大当たりでした。正しくアメリカの小説であります。裏庭に建つ「塔」の姿を想像するのが、なんだかとても楽しかった^^北村薫『詩歌の待ち伏せ1』『詩歌の待ち伏せ2』『ひとがたながし』『詩歌の待ち伏せ』は素晴らしい企画ですね。選ばれている作品自体のもつ力ももちろんですが、そこに北村薫の「読み」が加わることで、何層倍にも厚みが増している印象です。作品を「読む」ということ自体が創造的な行為であると、実によくわかります。『ひとがたながし』は……泣きました>_<。。。北森鴻『花の下にて春死なむ』『蛍坂』『桜宵』『花の下にて春死なむ』に始まるシリーズ、いいですねぇ^^本当に、「香菜里屋」が近くにあったら、三日にあげず通ってしまいそうです。このシリーズのおかげで、本楽大学付属図書館の地下に、ビアバー「月読酒房」がオープンできました。最近店主不在で申し訳ありません(笑)小泉喜美子『弁護側の証人』もねさんの巡回ライブラリー企画で回していただき、読むことができたのが『弁護側の証人』です。小泉喜美子といえば、個人的にはクレイグ・ライスなどの翻訳者として知っていたのですが、ミステリ作家でもあったんですね。もねさん、その節はありがとうございました。本はまだ、私の手元にあります^^桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』
各所で大絶賛の嵐だった『赤朽葉家の伝説』。そうした評判を知らなければ、手に取ることはなかったでしょう。実際、なかなか面白かったです。皆さんとは、やや違った感想になりましたが、印象に残ったことは確かです。有川さんは一冊でお腹いっぱいですが、桜庭作品については、別のも読んでみようかな、と。
酒見賢一『泣き虫弱虫諸葛孔明』図書館でたまたま手に取ったのですが、これはもうけものでした。三国志ファン、わけても孔明ファンは必読!?です^^もう、笑いが止まりません。これがあの天才軍師諸葛孔明か! 続編も出てるらしいので、早く読みたいです♪佐藤多佳子『サマータイム』『しゃべれども、しゃべれども』『サマータイム』は素敵でしたねぇ。なんだか空気の温度とか光の具合とか雨の匂いとか、そういうものが行間から立ち上ってくるような、そんな小説です。読み終えた後、キラキラした余韻が残ります。『しゃべれども…』も面白かったな^^落語を題材(というか媒介)として、あそこまで読ませるというのは、並大抵の実力じゃあありません。『一瞬の風になれ』を読むのが楽しみ。朱川湊『花まんま』『わくらば日記』この人は文章がとても上手いですね。ほとんどの作品が一人称単視点ですが、読者を違和感なく語り手の視点に溶け込ませるというか、作品内空間に引き込むというか。で、そのことを意識させないあたりが、すこぶる上手い。戸板康二『團十郎切腹事件』『家元の女弟子』前々から読みたいと思っていて、ようやく今年読むことができた中村雅楽シリーズ。案に違わず、素敵な作品群です。歌舞伎にしろ他の伝統芸能にしろ、元々芸談的なものを読むのは好きな方で、その上それがミステリになってるんですから、面白くないわけがない。文庫の全集が刊行されているので、少しずつ読み進めていこうと思ってます。梨木果歩『裏庭』『家守奇譚』『ぐるりのこと』『裏庭』と『家守奇譚』は、ファンタジーにおける洋の東西という点で、ちょうど対になるような作品です。それを一人の作家が書いているというのが面白いし、イギリスで学んだ梨木果歩ならでは、と思わされるところでもあります。そのあたり、エッセイである『ぐるりのこと』を読むと、腑に落ちる部分が結構ありましたね^^ところで、先日『家守奇譚』が某大学の現代文の受験問題として出題されていたのを発見しました! もちろんごく一部の抜萃なので、そこだけ読んでもまったくピンと来ないわけで、ちょっと複雑な心境になりましたね^^; フィリパ・ピアス『トムは真夜中の庭で』これぞまさに「12才までに読んでおきたい傑作ファンタジー」第1位候補の最右翼! 12才どころか3倍以上の年齢となった今年、初めて読んで、それこそ「子供の時に読みたかった!!」と歯噛みしたものです。ついでに地団駄も踏みました(笑)あ、そうだ。今度ファンタジー学部で「12才までに読んでおきたいファンタジー投票」とかやってみようかな〜。宮本昌孝『藩校早春賦』『夏雲あがれ』『こんぴら樽』今年読んだ、ただ一人の時代もの作家が、宮本昌孝です。月野さんオススメだったことが頭にあって、図書館で見かけたとき迷わず手に取りました。これは、正統派、正攻法の面白さですね^^ずんずん読めるし、読後感も爽やか! ワタクシからもオススメします。柳広司『百万のマルコ』『はじまりの島』『饗宴 ソクラテス最後の事件』こちらも、皆さんの評判を知って手に取った作家です。特に『百万のマルコ』は好きだなぁ。こういうホラ話集みたいなのって、今時の小説としてはありそうでない形式ですよね。しかもミステリになってる。ニヤニヤしながら読める一冊でした^^ というようなわけで、だらだらと書き連ねてきましたが、こうしてみるとブログをやってたからこそ読むことができた本ばかりですね。ありがたいことですm(_ _)m それにしても、今年は後半リアルに忙しくなってしまったため、単体での感想記事が全然書けなかったことだなぁ……それと、ファンタジー何冊かを除くと、翻訳物をほとんど読んでないなぁ……そうそう、コミ研に入ってるのに『のだめ』以外まったく新刊漫画を読まなかったなぁ……などなど、年の瀬に思うことは色々ありますね(笑) ともあれ、来年もよい本に出会えますように!
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いささかゆっくりながら、今年の秋も深まりつつありますね。暖かい伊豆でも、随分と秋らしい風景を目にするようになってきました。ということで、秋の風情三景。「秋の空」「秋の花」「秋の樹影」です。あまり出来のよい写真ではありませんが、ちょっとした記録まで。ちなみに、花の名は「ホトトギス」です。職場の入口脇に咲いてます。 さて、秋晴れの日中も、秋の夜長も、読書にはうってつけのよい季節です。もっとも、当ブログにお越しの皆さまの場合は、秋と言わず一年中が「読書の秋(とき)」ではありましょうが^^ 私も、仕事のピークが過ぎて、多少なりと本を読む時間がとれるようになってきました。で、例によって読んだ本、読みかけの本のメモをば。 小川洋子『ブラフマンの埋葬』 ある日迷い込んできた、傷ついた小動物。語り手の青年は、その小動物を「ブラフマン」と名付けて、共に暮らすようになるのだが……。 何とも静謐で、透明な空気を感じる一冊。読んでいる間ずっと「村上春樹的」だなぁ、という印象を持っていたのですが、最近ヒデジぃさんのブログで、小川洋子が村上春樹の大変なファンであると知り、ある意味とても納得したのでした^^ 柄刀一『時を巡る肖像』 イタリアで修行を積み、ミケランジェロの「最後の審判」修覆にも携わった絵画修覆士が主人公の連作短編ミステリ。様々な名画にまつわるエピソードや、修覆技術に関する知見も得られ、さらに柄刀一らしい本格ミステリの仕掛けも施されていて面白いのですが。…主人公の性格にもよるのでしょうか、なんとなく生硬な感じが否めません。ちょっと乗り切れなかったかなぁ。 E・L・カニグスバーグ『スカイラー通り19番地』 初めて読むカニグスバーグ。『クローディアの秘密』が図書館になかったので、こちらを借りてきました。これはもうたまりません。カニグスバーグの作品、もっと読まなければ!という焦燥感をおぼえるほど、面白かったです。 戸板康二『團十郎切腹事件』 今読んでます。短編集なので、電車の中で一編、寝る前に一編と、愉しみながら少しずつ読み進めています。この人の文章は、実にこう読みやすく、かつ品があって、それでいて軽味もあって、とてもいいですね。ミステリを読むというより「歌舞伎界・演劇界の歴史や内幕を知る好個の資料」として読んでる感じです。 荻原規子『これは王国のかぎ』 平行してこれも読んでます。最近、上橋菜穂子の作品を続けて読んだので、並び称される国産ファンタジー作家、荻原規子も試してみることにしました。図書館には何冊も作品が並んでいましたが、とりあえずタイトルの訴求力が高かったこの本を。 予想に違わず、素晴らしい滑り出し、ほんの数頁で、あっという間に読者を現代の日本から灼熱の砂漠、アラビアンナイトの世界へと連れて行く手腕には舌を巻きました。読書好きの15歳の女の子は、必読ですね^^ 荻原規子『空色勾玉』
今更ながら、やはり読んでないとなぁ、と。『これは王国のかぎ』を読み終えたら、早速取りかかるつもりです。楽しみ、楽しみ^^ |
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例によって記事を書く暇がないので、最近読んだ本のリストを、備忘のために。
?H2>三津田信三『凶鳥の如き忌むもの』 導入部分の民俗学的な蘊蓄は、なかなか面白かったし、よく調べてるなぁと感心しました。物語自体についても、古い因習、秘密の儀式、孤島、殺人、密室からの人間消失とミステリ的なギミックてんこ盛りで、楽しませてもらいました。いやもうホント、「なるほどねぇ〜」と。でも、どこか書き割りというか作り物めいた印象も拭えず(特に儀式を行わねばならない必然性にどうも得心がいかず)……。ひょっとして、読む順番が悪かったのかな? ?H2>戸板康二『家元の女弟子』 中村雅楽シリーズは、ずっと前から読んでみたかったんです。そうしたら、地元の図書館になぜかこれ一冊だけあったので、飛びついてしまいました^^ なんというか、素晴らしく面白かったです。探偵役である老優中村雅楽のキャラクターもさることながら、歌舞伎界のしきたりや舞台裏、芸談といった話が無理なく織り込まれているのも楽しい。その上、シリーズものの短編集というのは、私の一番好きな小説の形態なのです。これは、文庫で出たシリーズも読まなきゃいけませんね。 ところで、雅楽は「がらく」と読むんですね。私、てっきり「うた」だとばっかり思ってました^^; ?H2>高橋葉介『夢幻紳士』 ※再読。私の怪奇小説遍歴のきっかけになった漫画。コミ研記事用に再読しました。 詳しくはこちら。 ?H2>芦原すなお『嫁洗い池』 『ミミズクとオリーブ』の続編。相変わらず、奥さんの料理は美味そうです。各短編の間には、結構な時間が流れているんですが、続けて読むとなんだか毎日河田刑事が郷土の食材を手みやげにやってきているようで、ちょっと可笑しかったです^^胃を痛めて禁酒しているときの、作家の切なさがリアルでした(笑) ?H2>山田章博『紅色魔術探偵団』 ※再読。これも、コミ研用に再読。改めて、まったく絵柄が古びていないことに軽い驚きを覚えました。美しいものというのはいいものです。何によらず。 ?H2>諸星大二郎『孔子暗黒伝』 再読。山田章博とは別の意味で、まったく絵柄の変わらない人。この人の絵は、逆立ちしても「上手い」とは言えませんが、ものすごく強烈なインパクトがあります。絵だけではなく、話のスケールも突き抜けてますね。 ?H2>宮本昌孝『藩校早春賦』 久しぶりに、面白い時代小説を読みました。東海の小藩に仕える下級武士の子弟らが主人公の短編集ですが、なにしろ読後感爽やかです。これぞ日本の正しい青春群像!南伸坊の挿絵も絶妙。この余白と間合いは、普通の挿絵画家には出せません(笑) ?H2>宮本昌孝『夏雲あがれ』 上記『藩校早春賦』の主人公たちの、その後の成長と友情を描いた長編。確か月野さんもオススメだったような。で、感想ですが……嗚呼、これぞ時代もの、これぞ青春!!(って同じこと言ってますが)。結構長い話なのですが、一気に読んでしまいました。本を読むって、楽しいなぁ!! ?H2>梨木果歩『ぐるりのこと』 梨木果歩のエッセイ集。この人は、著者近影もないし、あまりインタビューなども受けない人らしいですね。作品を、純粋に作品として受け取るためには、むしろその方かいいのかもしれませんが、やはり好きな作家の言葉というのは、聞いてみたいものです。 折々の事件や時事問題などについて、梨木さんがどのように感じているのか。闇雲に批判したり賛同したりするのではなく、自分自身の「ぐるり」つまり目の届く周辺と世界とが地続きであるという認識に立って、ゆっくりと考え、言葉にしていく様子が、強く伝わってくるエッセイでした。読みながら、とても深い、井戸の中をのぞき込んでいるような気がしたものです。 ちなみに、文庫版の解説は最相葉月です。 ?H2>上橋菜穂子『闇の守り人』 このシリーズは、文庫化を期に読み始めました。第一作『精霊の守り人』の時にも思いましたが、非常に深く、よくできた物語です。25年ぶりに故郷カンバル王国の土を踏んだ女用心棒バルサ。その心に消えがたく刻まれた傷と、向かい合い、突き抜けるための帰郷……。闇の底でバルサが相対したものとは? シリーズはこの先も長く続いているので、先を読むのが楽しみです^^ ?H2>村上春樹・佐々木マキ『不思議な図書館』 春樹・マキといえば羊男ですよね(笑)これは小型の絵本(しかも装幀が菊地信義!)です。迷宮のような図書館に迷い込んでしまった少年が主人公ですが、もちろん羊男も出てきます。それ以外の、へんてこりんな者たちも。とても素敵な本なので、誰か、好ましい人へのプレゼントにしたらいいかな、なんて気もします。 ?H2>村上春樹『東京奇譚集』 今読んでます。時々ね、ものすごく村上春樹の小説を読みたくなることがあるんです。それも長編ではなく、短編を。小石でテーブルをコツコツとノックするみたいな、乾いてヒンヤリとした、あの感触を味わいたくなるんですよね。 ?H2>吉田兼好『徒然草』(岩波文庫版) これも今読んでます。いやその、ちょっとした事情がありまして^^;恥ずかしいことに、実はこれまで徒然草をきちんと通して読んだことなかったんですよ。だからまぁ、いい機会かな、と。で、読んでみると、なかなか面白かったりします。さすがに長年にわたって読み継がれてきた古典だけのことはある。しかしこの坊さん、一体誰に読ませるために書いてたんでしょうかねぇ。 ?H2>宮本昌孝『こんぴら樽』 これから読みます。なんだか、タイトルを見ただけで面白そうな予感が(笑) |



