Vue & Poser 制作雑記 あるいは 途切れがちの日記

コンピューター・グラフィックス(CG)制作にまつわる日々の雑感集

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作品更新−バベルの塔

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 本館 Gallery に新作をアップした。題材は、誰でも知っているバベルの塔である。この作品、e-on software社サイトの「Picture of the Day」の解説で、神話シリーズ第5作目と書いたが、実際は6作目だった。お詫び方々訂正いたします。(ここで日本語で訂正してもあまり意味ないが・・・)

 バベルの塔は、旧約聖書創世記の第11章に登場する。箱舟に乗って大洪水を生き延びたノアには三人の子供がいた。そのうちの一人、ハムの子孫達がシンアルという地で栄えた。そのシンアルの野に、人々は巨大な塔を建て始めた。旧約聖書では、塔を建てた目的は人々がバラバラにならないようにというもので、ひとところに住むためのシンボルということだったのかもしれない。今で言うランドマーク・タワーである。しかし、天にも届こうかという塔の建設を見て、天界に住む神様が憂慮する。

 神は、建設を止めさせようと、それまで同じ言葉で話していた人々に、別々の言葉を話させるようにしむけた。お蔭でお互い意思を通じ合えなくなってしまった人々は、大混乱をきたす。当然それ以上塔の建設が続けられなくなり、ついには、各地に散って別々に暮らすようになってしまったという。

 余談ながら、サイトのGalleryに付した旧約聖書の解説を若干しておこう。「こういうわけで、この町の名はバベルと呼ばれた」というフレーズが登場するが、これは皆さん、読んだ瞬間何のことだか分からないに違いない。「こういうわけで」と書いてあるのに、その前後の話を読んでも、バベルという言葉と結びつく単語が出て来ないのである。この問題についての通説は、ヘブライ語の「balal」という言葉と「バベル(Babel)」という言葉がかけてあるというものである。そもそも旧約聖書はヘブライ語で書かれているのだが、「balal」は混乱させるという意味であり、神が人々の言葉を別々のものに変えて混乱させたというところからの連想である。そんなこと、英語や日本語で聖書を読んでも分からない。まぁ、英語や日本語に翻訳される前提で旧約聖書が書かれたわけではないので仕方ないのだが、それこそ表記言語が違うと混乱を招くといういい例かもしれない。

 さて、このバベルの塔にまつわるエピソードは、世の中に異なった系統の言語が沢山あることの理由を説明しているわけだが、今ではバベルの塔という建築物の方が、はるかに有名になってしまった。神に対する人間の傲慢不遜さを比喩するのに使ったり、実現不可能な計画のことを揶揄してバベルの塔と言ったりする。

 そんなバベルの塔を自分なりにイメージして作ったのが今回のCGだが、これがなかなか難しかった。バベルの塔といえば、有名なブリューゲルの名画があって、ついついそっちにつられてしまう。そのうえ、旧約聖書の該当箇所を読むと「石の代わりにれんがを、しっくいの代わりにアスファルトを用いた」とある。れんがとアスファルトでできた建物って、例えばどんな感じのものなのだろうと思い悩むわけである。更に言えば、古代メソポタミアに多くみられたジッグラトという階段状のピラミッド型建築物がバベルの塔だという有力説もある。そんな様々な説を考慮すると、いったいどんなイメージにしたらよいのか分からなくなる。しばし考え込んだあげく、一切すべてをふっ切ることにした。自分の自由に作ろうと(笑)。

 かくしてできたのがこのCGだが、ブリューゲルの名画でも、階段状のジッグラトでもない、全く新しいイメージになった。題名がついていないと、これがかの有名なバベルの塔をえがいたものとは、誰も思わないであろう。しかしよく考えてみたら、こんな勝手なイメージでバベルの塔を作ること自体、神をも恐れぬ、いや聖書を恐れぬ倣岸不遜な振る舞いなのかもしれない。私も神の怒りに触れて、ある日突然別の言語を喋るようになるのだろうか。スワヒリ語だとチト困る。同じ喋るなら、英語がいいのだが・・・。


(このブログは、「Stardust Crossing」( http://webstreet.jpn.org/stardust/ )の一部として運営しています。)

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