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本館 Gallery に新作をアップした。今回はあっさりとした風景である。特に小道具もなければひねりもない。Vueの解説書にでも出て来そうなごく普通の風景である。
制作手順も、これといったステップがあるわけではなく、地形を呼び出し、「EcoSystem」を適用しただけのごく単純なもので、更なるプロップの配置などの手は加えていない。お蔭でこの作品のファイル、Vueの画面右下にあるオブジェクト表示欄には、地面、メインカメラ、太陽光、地形の4つしかない。Vueの初期画面は、地面、メインカメラ、太陽光の構成だから、そこに地形を一つ加えただけの最小構成ということになる。
もっとも、そのEcoSystemの設定に手間がかかっていて、これを組むのに試行錯誤を繰り返し、それなりの労力は使っている。具体的には、EcoSystemを二つ合わせて合成質感にしてあるのだが、片方のEcoSystemには木を、もう一つには岩と草をEcoSystem要素として設定し、それらを高度に合わせて切り替えるようにした。
そう言うと簡単な仕掛けに聞こえるが、思い通りに散布物を配置しようとすると、調整が大変である。EcoSystemを使ったことのある人なら分かるだろうが、設定数値を変更することによって散布の仕方をコントロール出来る。例えば、この岩と草の配置は、出現頻度、全体的密度、配置、密度変化、他のオブジェクトの影響などを調整すれば変わる。問題は、数値を変えるたびに仮レンダリングして確認しないと、その配置の様子が具体的にどうなっているか分からないということで、数字の入力のみで完全に思い通りの配置にすることは出来ない(少なくとも私の腕前では)。お蔭で、同じような構図の試作品が10近くもゴミ箱に放り込まれた(笑)。
Vue6 Infiniteから実装された「EcoSystemペイント」は、こうした配置のコントロールをより確実かつ直感的に行えるよう考案されたものだろうが、それにしても、EcoSystemペイントで配置されるオブジェクトは、Vueの操作画面上では点としてしか表されない。従って、仮レンダリングしてみないと具体的な様子は分からないという点は、EcoSystemと同じである。
まぁ今回の作品の場合は、EcoSystemの散布機能が作り出す偶然性を楽しむ面もあったから、結局EcoSystemペイントは使わなかったが、本格的に緻密な画面構成を目指すならEcoSystemペイントを併用するしかあるまい。ただ、EcoSystemがVueの売りの一つである以上、次期Vue7ではもっとEcoSystemは進化してコントロールしやすくなるのだろう。それを期待して楽しみに待つとしよう。
さて、EcoSystemの話はこれくらいにして、作品内容について最後にちょっと記しておきたい。
私の場合、作品の構図を考える際、いつの頃からか一ひねり入れようと工夫するようになった。大気、地形、マテリアル、オブジェクト、はたまたキャラの挿入など。何かひねりの要素を入れて画面を作る。自分なりの作風の開拓であり、より一段高いレベルに上がろうとするあがきでもある。
Vueに限らず、コンピューター・グラフィックス(CG)ソフトの使い始めは、プレーン・バニラのようなごく単純な作品の制作から始まる。チュートリアルで紹介されるような必要最小限の要素からなる作品である。Vueで言えば、「地形呼び出して既存のマテリアルを設定しておしまい」みたいなところから始まる。そのうち、ソフトの操作方法が分かり、工夫のしどころなども心得、次第に入門編的な作品から脱却して複雑な作品にチャレンジするようになる。誰しもそういうステップを踏んで腕を磨いていくのだと思う。
しかしそうして色々なテクニックを身に付け、自分なりの工夫を作品に施していけるようになった後に、時として、ふと単純かつあっさりとした作品を作りたくなることがある。ちょうど、くどく重い食事を食べた後にお茶漬けを食べると妙においしく感じられるのに似ている。もちろん、ずっとお茶漬けでは飽きるし、何よりみじめなのだが、要所要所で食べるとうまい。そんなこと、皆さんはないだろうか。
今回の作品は、いわばこのお茶漬けみたいなものである。最小構成で画面を作り、EcoSystemの偶然性を楽しみながら遊ぶ。こんな単純な構成でもそれなりに一つの作品が出来上がる。それが景観専門ソフトであるVueの醍醐味かもしれない。
と言いつつ、「じゃあ、ここに至るまでが重厚な作品の連続だったのか」と問われると、何とも答に窮するが・・・(苦笑)。
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