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またもやリアルな生活が忙しくなりつつある。お蔭で海外ギャラリーをのんびり覗く暇もない。そうは言いつつ、こんな駄文を綴っているのだから世話ないなぁ。しかし、人間忙しくなればなるほど、睡眠時間削ってでも趣味に没頭したくなるのは、やはり心のバランスを保とうという本能によるものか。多忙な中にも色々作品制作にまつわる妄想が湧いて来て、何とも救いがたい状態だ。
さて、その作品制作の話だが、日頃SF、伝説をテーマにした作品や、架空の世界で活躍する戦士のシリーズなんぞを制作しているから、さぞかし神秘的なことに興味を持ち、霊魂やら宇宙人やらを信じているに違いないと思われるかもしれないが、実際には、私は至って現実主義的な人間で、超常現象など信じていない。
京極夏彦の小説に妖怪をテーマにした京極堂シリーズがあるが、あの中で、「憑物落とし」の中禅寺秋彦は毎回「この世には不思議なことなど何もないのです」と決めゼリフを発する。私のモットーはまさにそれである。
そんなことを言いつつ、どうしてコンピューター・グラフィックス(CG)作品であんな架空の世界をモチーフにしているのかというと、それがどう考えても作り物でしかないと思っているからである。ついでに言えば、超常現象を信じていないわりには怪談話も嫌いではないし、SF小説もよく読む。映画だって、ファンタジー系、SF系、ホラー系など、比較的好きなジャンルである。
やっていることと言っていることが矛盾しているのではないかと思われるかもしれないが、どっこい私の中ではうまく折り合いが付いていて、両者が心地よく同居している。最初からないものだと思っているから、思い切り想像の翼を広げて、夢のある内容にしようと作品の構想を練る。エンターテイメントってそんなものではないかと思う。ないと分かっている世界を、ホントはあるのではないかと思わせるように作る。そこが面白いのである。小説にせよ映画にせよ、読者や観客を如何にうまくだまそうとするかが、作者にとって勝負の要諦であり、それを楽しむ方としては、ひととき心地よくだまされることが快感につながる。
遠い昔、UFOブームというのがあった。UFOはご存知の通り「Unidentified Flying Object(未確認飛行物体)」の略だが、こんな難しい言葉を皆が知っているということ自体、如何にそのブームが一世を風靡したかを物語っていると思う。
UFOというのが問題になったのは、おそらく第一次世界大戦以降、空も戦場となって偵察やらレーダーによる航空監視が盛んになったからではないか。初期の航空監視能力はレベルが低く、キャッチした飛行物体が何なのかよく分からないといった不備がたくさんあったのだと思う。
正体不明の飛行物体は、あるいは他の国の飛行機だったかもしれないし、大きな鳥だったのかもしれない。もしくは、実際には存在しないものを、能力の低いレーダーが誤って捉えたことだってあったかもしれない。けれど、謎が謎を呼んだうえ夢が膨らみ、そうした不明物体を宇宙人の乗り物ではないかと考える説が出て来た。別にこれに根拠はないのだが、そのうち写真の普及によりUFOの目撃写真が現れ、騒ぎになった。多くの人が注目するようになったきっかけは、この写真の登場ではないかと思う。たちまち話に尾ひれが付いて、こんな証拠もあんな証拠もと、宇宙人の乗り物説が定着した。まぁそんなところだろう。
けれど、航空監視が精密に出来るようになるにつれて、UFOの話は下火になっていった。最近ではめったに耳にしない。UFOに乗って宇宙人が頻繁に飛来しているのだとすれば、人類が宇宙に進出するようになって観測装置の精度が上がれば、かえって目撃例が増えたり詳細な分析が進んだりするはずだ。しかし、そんな情報は全くない。いったいどうしたことか。
研究者によれば、UFO目撃例やUFO写真の多くは、勘違いかイタズラだという。UFO写真の場合、模型を糸で吊るしたり、窓ガラスに円盤を描いた紙を貼ったりしたトリック写真だと思われるものが殆どだとも聞いた。手品と同じで、トリックがばれなければ見た人は驚き、本当ではないかと思う。撮影した人は注目を浴びて、一躍時の人になれる。そこが面白いと考えて色々なUFO写真製造テクニックを編み出す人が増えたのだろう。つまりは、皆うまくだまされて、ひと時騒いで楽しんだのである。
では、その後下火になったのは何故か。私の推理では、写真技術やCG技術の発達で容易にトリック写真が作れるようになって、皆が写真の正体を疑うようになったからではないかと思う。簡単に人をだませた時代は終わり、めったなことでは信じてもらえなくなった。作る方からすれば、労力をかける割には面白くなくなったわけである。
今じゃあ、レタッチ・ソフトを使って素人がデジカメ写真を自在に加工できるし、CGでUFOはおろか、どんなにビックリするような映像も比較的楽に製作できるようになった。それが当たり前になって来ると、超常現象をキャッチした写真や映像など、まずは作り物だと疑われてしまう。それを本物だと証明すること自体が大変な時代になったのである。
科学が発達し様々な技術革新が進むと、かつての謎はドンドン解明され夢は消えて行く。UFOが宇宙人の乗り物だと考えた時代は遠く去り、UFOにまつまる様々なエピソードは色褪せてしまった。江戸時代の濃い闇は、今では煌々たる灯りに照らされ、異界のものたちの隠れる場所もなくなった。中禅寺秋彦ではないが、不思議なことなど何もなくなってしまったのである。そんな時代だからこそ、まだどこかに残っているかもしれない不思議な世界を求めて、人々の興味が揺れ動く。様々な超常現象を題材にした小説・映画は、そうした人々の求めに応じて、上手に人をだます。そこが魅力ということだろうか。
私のCG技術では、あまりうまく人をだませないけれども、それでも自分なりに工夫を凝らして作品を作る。ホントは信じていないのだけれど、実在するかのように作る。だから、投稿ギャラリーで多少リアルさに欠けるCG作品と出会っても、嘘っぽいなんてバカにはしない。なるべく上手にだまされたような気分になって鑑賞する。それはまぁ、CG作品を眺めるときの約束事のような気がする。だって、ホントはそんな世界はあり得ないって、皆分かっているわけだから。
CG作品の制作・鑑賞には、ある種の寛容さが必要ではないかと思っている。ちょうど芝居やドラマを見るように、ひとときだまされてその世界に浸る。作る方も見る方も、その嘘を一緒になって楽しむ。UFOが宇宙人の乗り物かどうかなんて、真剣に検証し過ぎると楽しみは減る。ネス湖の恐竜もヒマラヤの雪男も同じである。それが嘘だと分かって、果たして誰かが得をしたのだろうか。
「芸といふものは、実と虚との皮膜の間にあるものなり。虚にして虚にあらず、実にして実にあらず、この間に慰みがあったものなり。」(近松門左衛門)
(このブログは、「Stardust Crossing」( http://webstreet.jpn.org/stardust/ )の一部として運営しています。)
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自分も不思議な世界を作っているのですが、きっかけは何を作ってもいい自由さとちょっと面白いのがちょくちょく出るので続けています
おそらく3Dでも同じことするのでしょうが、宇宙人は人間が宇宙へ行けるのだから、宇宙人がいる可能性も有りと考えてますが、ただ人間だけでもごたごたしているので、これ以上宇宙人が地球に来るのだけは勘弁して欲しいです。(笑)
2008/4/10(木) 午前 0:38 [ 辰しゃん ]
コメントありがとうございます。
宇宙人に関して言えば、この広い宇宙の中で生物が発生・繁栄できる環境を備えた星が地球だけとは思えないので、おそらくどこかには宇宙人というか宇宙生物というか、何か生き物は生息している気がします。
ただ、その生物がどこか遠いところから円盤で地球にやって来て、人類の前には姿を見せず、こっそり我々を観察しているなんて、ちょっとそれはないかなと・・・。
まぁ世の中、宇宙人としか思えないような変な人がイッパイいるので(笑)、それで充分な気がしますが。
2008/4/10(木) 午後 11:37 [ sta*dus*_*ro*sin* ]
こんにちは!
お久しぶりです。子供が幼稚園に行きだして、色々悩みがいっぱいな毎日ですが…。
ニックネームはこれだけど、ルイです。
わー、ここヤフーのID持ってないと投稿できなくなったんですね…。
私は超常現象というか、幽霊とかいうのは信じていません。
生命の今までの何十億年という歴史を振り返れば、アンモナイトの幽霊だっていたことになるし、恐竜の幽霊だっていたことになります。
知的な生命体ならではの空想の創作物が幽霊なんだろうな、と思います。
でも、幽霊をはじめ、ミステリアスな生き物が、人間の心に住み着いているのは楽しいです。キメラとかドラゴンとか。
もともとは、どの人間の話が発端だったんでしょうか。次々に話が膨らんでいったんでしょうねえ。
UFOの写真のトリックを暴いたサイトなどがありますが、見ているだけで楽しいです。
円盤は昔からの憧れだったんで、実在してほしかったんだけどな…。
あ、私もブログ作ったんですよー、今更ですが。
画像の扱いが簡単でいいですね。
http://vue-3dcg.blog.so-net.ne.jp/
2008/4/16(水) 午後 5:14 [ sr*****p ]
ルイさん、こんにちは。こちらこそ、すっかりご無沙汰しています。お元気ですか。
どうも最近、アダルト系の詐欺業者のスパムが頻繁に投稿されるようになったため、やむなくセキュリティーの設定を行いました。以前はYahooブログにこんな設定はなかったと思いますが、やはり他でも同じような被害が出ているということでしょうね。
幽霊については仰るとおりだと思います。死んだ者が片っ端から幽霊になっていたら、幽霊の人口密度が高くなって、幽霊同士が喧嘩することになります。古代まで遡れば、地球上のどこでも無念の死を遂げた人がわんさかいますから、地縛霊だらけになりますしね。よくTV番組で霊能者を名乗る人が「この霊は手厚く弔われていません」なんて言いますが、有史以来、手厚く弔われていない人の方が圧倒的多数です。そんな人がイチイチ化けて出ていたら、心霊写真なんて、霊が押すな押すなの大騒ぎです。
UFOについては、ロマンを求める人はいますよね。ただ、あんな乗り物ではるか遠くの星から来られるはずがないと思ってしまいます。もうちょっともっともらしい形状の目撃写真にすべきではないでしょうか(笑)。
2008/4/16(水) 午後 11:36 [ sta*dus*_*ro*sin* ]