キリスト者として今を生きる

風は冷たいけれど春の訪れを感じます。。。

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子どもの頃のこと

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私の子どもの頃は「Always三丁目の夕日」より少しあとのことだったので(年はもうバレてますね)、まだ貧しさの記憶も残っていて、あのなつかしい汲み取り便所の匂いだとか、トタン屋根を張り合わせただけのバラックだとか、継ぎを当ててもらった服だとか、そんなハンドメイドな幸せに満ち満ちていた。まだ舗装されていない道路に野良犬もウロウロして、よく犬のうんこを踏んでしまって、道端の石で靴の裏についたうんこをこそげおとしたものだった。幸せな気持ちで思い出すのは、そんな汚いことばかり。人間の記憶は嗅覚と結びついているというから、「匂い」に記憶をよびさまされるのかも。

お稽古事や塾に通っている友達もいたけれど、まだ少数で、日が暮れるまでむちゅうになって表で遊んでいた。4つ下の妹が物心つくころから日本は高度経済成長を始め、「とびだす絵本」とか「お歩き人形」なんて豪華なオモチャも出回りはじめたけれど、私の子どものころまではオモチャなんてそんなになかった。またほしいともあまり思わなかった。少し大きくなってから「タミーちゃん」とか「ペパーちゃん」とかのちのリカちゃん人形みたいなのを父親が買ってきてくれて、その着せ替えの洋服がべらぼうに高かったのを子供心に覚えている。買い与えられると着せ替えの服もほしくなってねだったら、母が画用紙に人形の絵を描いて切り抜いて、平面の着せ替え人形を作ってくれた。着せ替えの洋服はやっぱり画用紙に絵を描いて、そっちの方が面白くなって…。


勉強はまるきりしなかったけれど、本を読むのは大好きだった。アラビアン・ナイトとかアンデルセンとかグリムとかの童話が好きだった。わくわくして、ときめいて、心の底に深い井戸が掘られるような、なんていったらいいのかな、「穴」がうがたれるような、そんな経験だった。その「穴」はグリム童話と同じようにちょっと怖くて、見知らぬ世界に誘われるような、わくわくする「抜け穴」でもあった。その「穴」はむなしくはなく、不快なものでもなくて、むしろぎっしりつまっていたら苦しくなったりむなしくなったり疲れてしまうところを、こっそり内側に向かって解き放ってくれる深い深い井戸で、その井戸の底ではきっと泉が湧いていたのだ。こんな年になっても穴はまだあいている。この井戸は「いのちの泉」だったのだと思う。涙もそこから湧いてくる。涙は私たちを解放し癒し、生きる力を与えてくれる魔法の水だから。

つい最近、グリム童話について宮田光雄というクリスチャンの先生の書いたものを読んだ。グリム童話の中で傲慢な二人の兄王子とバカにされているけれど謙虚な弟の王子が、父親で病気の王に飲ませるための「いのちの水」を取りに出かける話だ。道端に立って話しかけた小人を二人の兄王子は邪険に扱い、「いのちの水」のありかを聞き出すことに失敗する。弟王子は小人にこまっていることを正直に打ち明けて、小人から「いのちの水」のありかとどうやってその場所までたどり着いたらいいかを教えてもらう。宮田光雄は解説している。小人はつまらない者、取るに足りない者と思われている。しかし人生において私たちに秘密を解き明かしてくれるものはこの「取るに足りないもの」との出会いなのだ、と。権力欲や上昇志向はしばしば「取るに足りないもの」との出会いを軽視あるいは無視してしまう。その結果私たちは「いのちの水」を得ることができないのである。(宮田光雄『内面への旅』)
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私のこれまでの人生を振り返ってみても、私の人生をゆたかにしてくれ、生きる力を与えてくれたのは、思いがけない出会いだった。ブログを始めて7ヶ月が経ったけれど、ここでも思いがけない出会いを与えられた。ブロガーが「取るに足らない者」だってことはないけど(笑)、世間的にみれば「勝ち組」じゃないだろうなあ、と思う人たちがなんて素晴らしくゆたかであることか!私に「いのちの水」のありかを教えてくれるかも(笑)。


2006年12月、教育基本法が「改正」された。子供たち同士、学校同士を競わせて「学力」を向上させ、子供たちに身につけさせるべき徳目も具体的に盛り込んだ「改正」教育基本法。教員免許更新制を導入して、「ダメな先生」にはやめていただく。私はこんな法律に基づいて運営される学校が、「いのちの水」のありかを教えてくれるとは思わない。この学校はきっと小人を「取るに足らない者」として無視してしまう。


童話はわくわくしてときめいた。童話をむちゅうになって読んだおかげで、私はふつうじゃないかもしれない思い込みを持つようになった。たとえば、人間は生まれてくる前にこの人生の旅の目的を知らされて、その目的を果たすよう勇んでこの世に生まれてくるのだけれど、幼児のころには覚えていたその旅の目的を大人になると忘れてしまって、富とか権力とか地位とか人々の賞賛とかそんなものを求めるようになってしまう。死んで魂があの世へ行ったとき、忘れていた使命を思い出し、一体何をしていたのだろうと心から後悔する……童話の中にはそんなモチーフが沢山あるから。「いのちの水」を取る前にベッドで眠り込んでしまう王子の話とか、森の中でお菓子の家をみつけお菓子をむちゅうになって食べてしまうヘンゼルとグレーテルの話とか、『雪の女王』に出会ってゲルダを忘れてしまうカイの話とか…。
手放したり捨てたりしないと宝物が得られないというモチーフも沢山出てきた。「自分のいのちを守ろうとする者はそれを失い、わたしのために命を捨てる者はそれを得る」(マルコによる福音書10-29)私が大人になってクリスチャンになったのは、たぶん童話をたくさん読んだからだと思う。だってお話を今でも信じてるもん。そして冒険にでかけるのは神様にほめてもらいたいからじゃなく、冒険そのものがワクワクするから。禁欲とか道徳とかはきらい。でも宝物のことを考えるとワクワクする。それでね、宝物は死んだ後もらえるプレゼントじゃないんだよ。今ここに、私たちの現実のただ中に埋まってるの…と信じてる。だっていくつかもらったもん!(今年は年の始めからブリッコ)


2006年、みなさま、ありがとうございました。2007年の今年もよろしくお願いします。

閉じる コメント(56)

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Jinneさん、まったくです。「画一的な「大きな物語」を押し付け」る権力には警戒しなくてはなりません。それに対抗するには個人の側で「それぞれの物語」を紡いでいくことがまず必要なのではないかなと思っています。それでピリオド、解決ではもちろんないわけですが。あっ今年もよろしくお願いします。

2007/1/7(日) 午後 5:09 sta*sto*y60

kushipyさん、私がいいなあと心底憧れるのは、太古の昔、まだ文字が発明されていなかった頃、洞窟の中で火を囲んで、子供も大人も長老の語る物語に耳を傾けている光景です。他人の話を全神経をはりめぐらせて聴くという文化はすごく豊かな文化だったんじゃないかなあと想像します。お母さんが子供に読み聞かせるっていうのはその遺産じゃないかなと思います。TVやCDなんかじゃ代用できないと確信します。あっ私、生娘ですよ。知らなかった?

2007/1/7(日) 午後 5:16 sta*sto*y60

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桔梗さん、誤解です。だらけてます、私。(笑)でも誤解があってこそ人生は豊かだ(笑)。今年もよろしく♪

2007/1/7(日) 午後 5:21 sta*sto*y60

まりりんさん、ね〜、おないどしだもんね〜♪じゃあstar、今年もかわいくいくわよ〜、よろしくね〜♪

2007/1/7(日) 午後 5:25 sta*sto*y60

内緒さん、今年もナゾのアナタ。starのおねがいきいてくれるう?今年はもちょっと易しい記事を立ててよ。starにもわかる妖精のお話とか魔女のお話とかさあ。あっブッシュさんのお話しする「悪魔」の話はイヤよ。おもしろくないんだもん。

2007/1/7(日) 午後 5:31 sta*sto*y60

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banquoさんにお年玉あげました(笑)。七草粥って朝御飯にいただくものなんですか?ウチは今日の夕飯、七草粥にしました。banquoさんもお健やかな一年になりますように!

2007/1/7(日) 午後 5:36 sta*sto*y60

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GENDAIさんはまさに本の虫のようですね。「ちびくろさんぼ」、素敵な絵本でしたね。それがなぜ差別なのかアメリカ人に「さんぼ」の隠れた意味を聞いて納得もしましたが、でも大好きだったことには変わりがありません。私も中学時代はちょうどぴったりの本に出会えず読書から遠ざかっていた時期でした。あの中学時代、読書に没頭できれば子供なりにもっと根を下ろしてしっかりと生きられたのになあと思います。

2007/1/7(日) 午後 5:52 sta*sto*y60

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GENDAIさんの生きる力はどこから湧いてくるのだろうといつも感嘆しています。やっぱり人との出逢い、本との出逢いだったのですね。でも「出逢う」ためにはやはりこちら側の準備も必要かもしれないと思ったりします。

2007/1/7(日) 午後 5:54 sta*sto*y60

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TOMさん、たしか夫も同じようなことを言ってました。で、私はぜんぜんこわくなくて優しいのに、すぐ「叱られた」とか言います。

2007/1/7(日) 午後 5:58 sta*sto*y60

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ミントさん、私はいろんな方と同年代です(笑)。で、教師なのに「組」に今ひとつアイデンティティを置けなかったりするので(笑)、「勝ち組」とか「負け組」とかもなんだかなあ。。。と。出入り自由なのがいいですね。こちらこそ今年もお付き合いよろしくお願いします。

2007/1/7(日) 午後 6:07 sta*sto*y60

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imacocoさん、そう、貧しくてアナログだった時代を知る者としては、「それでもよかったんだよなあ。。。まあたしかに便利になったけどそれで失ったものもあるしなあ。。。」と思うのですよね。でも資本にとっては「それでもよい」とはいえないのでしょうね。私たちにとっては「それでもよい」…この違いがますます先鋭化する年になりそうです。

2007/1/7(日) 午後 6:11 sta*sto*y60

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こちら側の準備が、万全だったのかは意識したことはありませんが、無意識のうちに心が欲していたのだと思います。そんな事って結構ありそうな気がしています。

2007/1/7(日) 午後 8:48 [ - ]

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明けましておめでとう御座います。やっと新年始動ですね。私はデジタル時代でテレビゲーム世代なのでPCの前から5日も離れたらおかしくなりそうです(笑)。そんな私は完全に病気ですね(^ー^;

2007/1/8(月) 午前 0:30 りむら

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やっぱ僕は、本よりアニメでしたね♪。これリバイバルされるので宣伝☆ http://www.tetsujin28-movie.com/

2007/1/8(月) 午前 3:20 TOCKA

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「いのちの水」を取りに出かける話ってなんか因幡の白兎の話に似てませんか?

2007/1/8(月) 午前 8:22 [ she*g*ang_q*b*ng ]

今年は選挙もあります。自民党政権打倒に向けて頑張りましょう。政治を庶民に取り戻さねばいけません。

2007/1/8(月) 午前 9:21 いわれひこ

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>All Thanks.(TOCKAさんのマネ。)記事を立てると最後の方のコメントがいつもなんだかわけわかんないコメントになってくるのが面白いなあと思ってます(笑)。ウン?なんで因幡の白兎なんだ?つながりもよくわかんないけど、自民党政権も打倒しましょう!

2007/1/8(月) 午前 10:43 sta*sto*y60

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<なんで因幡の白兎なんだ?>意地悪な兄と誠実な末弟の物語。海幸山幸も兄が意地悪で誠実な弟が成功する話だったよね。

2007/1/8(月) 午前 11:33 [ shenggang_qibing ]

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「Always−三丁目の夕日」今頃見ました。「善人」しか出てきませんし、全てが丸く納まってますね。「淳之介絶対帰って来るぜ」と思ってみてたら、ほら帰ってきた。これで最後、駄菓子屋の奥でヒロミがカレー作って待ってたら、ブーイング出すところでした。この「明るさ」にはちょっとついていけませんが^^;、思い当たるフシは幾らでもありますね。友達と冒険気分で遠出したら帰れなくなって、大人が大騒ぎして、後でこっぴどく叱られたとか、ね。主犯は私でしたが。

2007/1/16(火) 午前 1:30 och**obor*maru

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NANAMIさん、同感。朝ドラと同じで、「善人」ばかりというのが多くの日本人にアピールするキーポイントなのではないかなとこの頃思っています。自分の中、愛する他者の中の「悪」を直視できない弱さが日本人にはあるような気がしてなりません。だから「自虐史観」に耐えられないのではないでしょうか。私が耐えられるのはキリスト者だからかな、と思うのですが、NANAMIさんが耐えられるのはどうしてですか。興味アリ。ところで相当お茶目でやんちゃな少年だったのですね。

2007/1/16(火) 午後 11:29 sta*sto*y60

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