| この記事を書いている30代フリーターに「戦争はけっして弱者を救わない」「イラク戦争に狩り出されたアメリカの貧困層の悲惨な状況をみよ」と言うこともできるのだけれど、なぜかそんな反論をする気にはならなかった。記事を書いた赤木さんというおそらくインテリであるフリーターはそんなことはきっと重々承知なのだ。 |
| サヨクの唱える「平和」が「持てる者の安定の継続」を意味し、初めから持たざる者以外の何者でもないポストバブル世代のフリーターを無視しつづけるかぎり、戦争という「国民全体が苦しむ平等を」という彼のキモチはわかるからだ。戦争が果たして「国民全体が苦しむ平等」なのかどうかというリクツはここではカンケイがない。「そういうキモチ」なのである。ネット右翼のキモチがわかるという彼の理解は多分正しいのだろう。ネット右翼がホンキで戦争を求めているのかどうか私は知らない。たぶんちがうような気がする。なぜならホンキで戦争をしたいんだったら、アメリカの外資と結びつくとか、ネオリベがやっているようにワーキングプアを生み出したりとか、そういうコスい手を使うと思うからだ。「ホンキで戦争をしたい人たち」は感情よりもそういう「利害」で冷静に動いているような気がする。会ったことないけど。ネット右翼は2チャンネルで韓国や北朝鮮や中国の悪口を言ったり、サヨクのブログにアラシとなって現れたり、よっぽどすることないときは私のブログにまでしつこいコメントをつけたりする。そんなことしたって戦争なんて起こらないからだ。 |
戦争は悲惨だ。
しかし、その悲惨さは「持つ者が何かを失う」から悲惨なのであって、「何も持っていない」私からすれば、戦争は悲惨でも何でもなく、むしろチャンスとなる。
もちろん、戦時においては前線や銃後を問わず、死と隣り合わせではあるものの、それは国民のほぼすべてが同様である。国民全体に降り注ぐ生と死のギャンブルである戦争状態と、一部の弱者だけが屈辱を味わう平和。そのどちらが弱者にとって望ましいかなど、考えるまでもない。
持つ者は戦争によってそれを失うことにおびえを抱くが、持たざる者は戦争によって何かを得ることを望む。持つ者と持たざる者がハッキリと分かれ、そこに流動性が存在しない格差社会においては、もはや戦争はタブーではない。それどころか、反戦平和というスローガンこそが、我々を一生貧困の中に押しとどめる「持つ者」の傲慢であると受け止められるのである。
(…中略…)
それでもやはり見ず知らずの他人であっても、我々を見下す連中であっても、彼らが戦争に苦しむさまを見たくはない。だからこうして訴えている。私を戦争に向かわせないでほしいと。
しかし、それでも社会が平和の名の下に、私に対して弱者であることを強制しつづけ、私のささやかな幸せへの願望を嘲笑いつづけるのだとしたら、そのとき私は、「国民全員が苦しみつづける平等」を望み、それを選択することに躊躇しないだろう。
| 彼は冷静であり、「戦争を希望する自分」をも客観視していると思う。この記事は『論座』にも載ったというし、識者の反論もあったと聞く。戦争はけっして国民全員が苦しむわけではない、金持ちは安全なところで甘い汁を吸い、君らのような貧乏人こそ前線に送り込まれるのだよ、と反論することも可能だ。しかし彼の気持ち、それは「金持ち(=強者)と庶民(=弱者)」という座標軸では「庶民(=弱者)」に自分たちを分類するような(たぶん私のような)安定的マジョリティに対する反感であり突きつけなのだろう。 |
斎藤貴男氏は「戦時中の日本でも、金持ちや有力者の子弟には赤紙が配達されないケースが珍しくもなかった」と、徴兵の不平等さを強調する。しかし、私が社会の流動性を高めるために戦争に巻き込まれてほしいのは、そうした一部の権力者よりも、私たちのような貧困労働層を足蹴にしながら自身の生活を保持しているにもかかわらず、さも弱者のように権利や金銭を御上に要求する、多数の安定労働層なのである。
金持ちや権力者が恵まれているのは、血筋や家柄という固有属性を持っているからであり、彼らが戦争で死んだとしても、その利権は、固有属性を持たない私には絶対に回ってこない。一方で、血筋や家柄を持たない安定労働層と、我々のような貧困労働層との交換可能性は非常に高い。安定労働層は、「たまたま」安定した生活を得られているだけである。念のために言っておくが、私は「努力」などという、結果から遡及してはじきだされた、彼らに都合がいいだけの言い分を認めるつもりはない。
| アベシンゾーは「私」ではありえなかったし今後もありえないけれど、starとか○○とか△△のような「安定労働層」は、状況が状況だったら「私」でありえたはずだ、という思いが、「安定労働層も平等に苦しむ戦争というギャンブル」でもう一度勝負しようという「主張」に結びつくのだろう。 |
| 私は彼にたいして安易な反論をするのを差し控えたいと思う。彼(赤木)に反論するサイトもみたけど、かみ合った議論になっているとも思えなかった。彼の記事には「ウ〜ン」とうなった。今はそこにとどまりたいと思う。 |
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ふじさん、経済格差が非情に深刻化している中で、施政者は労働者を分断させたいと願っているでしょうね。その意味で、赤木さんのような言論は「施政者が泣いて喜ぶ」のかもしれません。「僕がしたいのは革命を起こすことなんかじゃない、安定労働者の誰かと僕が入れ替わることなんだ」というのは非正規雇用のフリーターの正直な考えなのでしょう。彼の考えを肯定することはできないけれど、ただ非正規雇用の労働者を放置してきた正規雇用労働者の労働運動にも問題はあると思うのです。私はつい最近まで非正規雇用労働者でした。かつて労働組合の委員長までやりましたけど、自分が非正規雇用労働者になって初めて、労働組合運動を冷ややかに眺めている自分に気づきました。非正規雇用労働者のことなんか何にも考えてくれないですからね。
2007/11/29(木) 午後 9:51
ダメなものはダメ!
2007/11/30(金) 午前 0:08 [ hajmo_rakija ]
私は個人の考え方にはおおらかなのですが、それが共同性(要するに政治性)を帯びてくると、そうでもなくなってきます。
赤木氏は、個々の人間が泣いてもわめいても、叫んでも暴れても、この社会がまったく変わらないことへの怒りや苛立ちを感じているのでしょう。それは理解できますが、でも、「ヌクヌク」と生きていそうな人間に怒りをぶつけるだけの思想は、ろくなものじゃないと思っています。
2007/11/30(金) 午前 10:26
私も うーん。です。
こんなに知的な人でも 弱者に甘んじていなくてはならない。
社会がひずんでいる、生まれたときが悪すぎた。
再チャレンジの機会を!というスローガンは またもや 収賄だの連立だのの、政党のいざこざ(それも必要なのもわかりますけれどね)にかき消され、全うに論議されているようすは見られない。
何とか早く 若い人たちに希望が持てる社会にしてあげて欲しいし、若い人たちももっともっと、声を上げて欲しい。
2007/11/30(金) 午前 11:08
俺じゃなかったのか・・・(苦笑)
日本に住んでるから、日本への批判は分かるし、根拠のあるものはしなければいけないけれど、他国と利害が一致しない場合もあるわけで、その場合なぜか、他国の主張に同調することが多い。
分かりやすい例だと、米軍の軍艦が寄航する時、抗議行動を起す自称反戦団体が、中国軍艦の寄航には反対しない。
軍艦は戦争の道具だから、日本にきちゃ駄目じゃなかったのかと、小一時間問い詰めたい。
2007/11/30(金) 午後 0:56 [ いとへん ]
そう、読みの下手な人なんでしょうね。でも、彼の望み通り戦争戦争が起きて、今の状況がめちゃくちゃになって、再スタートしても、やっぱり職にありつけないような気がするな・・・
彼のような人に、同情以外の何が出来るか、自問自答しています。
2007/11/30(金) 午後 1:00 [ いとへん ]
hajmo_rakijaさん、ネトウヨの定義は分かりませんが、教師には、君が代・日の丸に敬意を持った行動をしてもらいたいと思い、憲法9条を改正したいと思ってる私は、ここの住民からすれば、ネトウヨだと思っておりましたw
2007/11/30(金) 午後 1:05 [ いとへん ]
いとへんさん、私は自衛隊がイージス艦を中国海軍の乗組員に見せようとしたけれども米軍の抗議で中止になったというニュースの方に苦笑してましたが…。 それから反戦団体の定義を特定の戦争なのか全ての戦争なのかハッキリさせる必要があるかも知れません。 それで「非戦」なんでしょうが…。 いずれにせよ、現状では、私は友好訪問はそれがどこの国の軍艦であれ、悪いことではないと思います。
2007/11/30(金) 午後 1:19 [ - ]
>若者にしてみれば、非難の対象はまさに左傾勢力が擁護する労働者だ。だから若者たちはネオリベ政府に「労働者の利権を奪い取って、おれたちに分けてくれ」と期待してしまうのだ。小泉前首相が「郵政職員26万人の既得権を守って、何の改革ができるか!」と叫んで若者の支持を集め、衆院選で圧勝したことは記憶に新しい
↑の言葉は有り得ます。
いまだに小泉期待論は、この内容で動いています。
中には、いま年金を受け取っている老人から年金を剥ぎ取れ!とまで主張される若者もおります。
働きたくても時給800円の世界しか無いのですから。
怒りをぶつけてくるのも、無理からぬことです。
転載させていただきます。
じっくり読み込みたい。
2007/11/30(金) 午後 8:51 [ - ]
スターさん、上でとても重要な問題提起をしていただいたので、ご迷惑を承知で再コメントしたいと思います。私も少なからず労働問題にかかわったことがあるのですが、やはり権利は他力本願ではなく自ら努力して確保するものではないかなと思います。「非正規雇用」と呼ばれる人たちが経済的に不遇なのは承知ですが、法的には「非正規雇用者」などというものは存在しないのですよ。だから、なぜ彼らも自らの権利のために立ち上がらないのかと常に思ってきました。最近はその動きが少しづつ出てきたのはよい兆候ですね。
だから、赤木某のような発言は単なる甘えにしか聞こえません。「誰もぼくちゃんの権利を守ってくれようとしないなら、君たちの嫌がる戦争に賛成しちゃうぞぉ」って。
私はこのような発言は単なる奇をてらったパフォーマンスだと思いますが、本気で感化される連中が現れたら、それはそれで恐ろしい・・・そういうのが多いとしたら、上記で触れたように庶民を分断し対立を煽ろうとする何かがこの言論の背後にいると考えるのもアリかもしれません。
いいたいことを言ってしまいましたが、何か失礼な発言があったら他意はないのでお許しください。
2007/11/30(金) 午後 9:38 [ fuj*sa*_22*0 ]
ラキヤさん、ふむむ。。。
2007/12/1(土) 午前 0:52
うしどしさん、なるほど。ヌクヌクと生きられることはいいことです。それを指弾しなければならない思想というのは辛いものです。
2007/12/1(土) 午前 0:54
ぱーぷるさん、そうですね。私は「30代フリーター」がこう書いていることを批判するよりも、こう書かざるをえないところにまで追い詰めた現実をなんとかしたいです。ある人間たちのエネルギを「負のエネルギー」に転化させるか正のエネルギーに転化するかは、私たち自身が現実にどう向き合い何をしようと試みるかにかかっていると思うのです。
2007/12/1(土) 午前 0:59
いとへんさん、問題意識ってやっぱり自分の置かれている状況の中で生起した現実と格闘する中からしか生まれないと思うのです。それだけのことです。そうですね、「読みの下手な人」は戦争が起きて社会が流動化してもやはり職にありつけないかもしれない。同情以外に何ができるか…同情するだけでもましだと思います。周囲に共感してもらえているということは精神的支えになるもの。思いっきり同情されたらやはり自分の中で変わってくるものはあるのです、と思います。
2007/12/1(土) 午前 1:04
仲村さん、おひさしぶりです。転載ありがとうございます。赤木さんの言っていることがワーキング・プアを代弁しているのかどうかわかりませんが、小泉がなぜ支持されたか、を改めてみる思いです。コイズミ政権に対する期待はやはり「現実と将来図への読み間違い」だと思うのですが。
2007/12/1(土) 午前 1:09
ふじさん、失礼な発言などありません。ただ「立ち上がる」にしても労働組合に加入していない非正規雇用の労働者がどうしたら要求をつきつけ闘うことができるのか、とは考えます。非正規でも足場にできる労働組合もありますが、「給料不払い」「パートの賃上げくらいはできても今もらったもの以上を要求することは、こうした組合では限界があります、たぶん。
2007/12/1(土) 午前 1:15
ふむむ・・・。戦争を私は肌で知っているので、今回は妥協しません。だーめ♪ダーメ♪
2007/12/1(土) 午後 11:38 [ hajmo_rakija ]
一連の議論では、左翼文化人の反論を読んで愕然としました。赤木氏の問題提起を理解していないからです。その核心は、「戦争の方がマシなぐらい、自分のおかれた状況は最悪だ」という訴えであり、とりわけ「被支配階層の中の安定層は、手を貸すどころか自分達をさげすみ敵対してくる」というものでしょう。先日、直接、赤木氏の話を聞く機会があり、やはりそうだと確信しました。私の経験で言えば、確かに日本の既成労組は、<組織温存(カネや票)のため>に非正規雇用の組織化を口にしても、<自己の収入が減る>ワークシェアリングは提唱しませんからね。
2007/12/7(金) 午前 2:24
ラキヤさん、内乱と殺戮の続いたセルビアに住んだらそう言いたくなりますね。そちらの方が戦争期待論の行き着く先を知っているのでしょう。
2007/12/7(金) 午後 10:29
TOCKAさん、私も同様の感想を「左翼文化人の反論」に対して抱いています。赤木氏の主張のポイントを読み損なっているか、あるいは「聞いても聞こえず」なのでしょうか。「主の平和」であろうと「マルキストの平和」であると、経済問題への取り組みが不可欠なのです。
2007/12/7(金) 午後 10:32