キリスト者として今を生きる

風は冷たいけれど春の訪れを感じます。。。

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わたしは良い羊飼いである。良い羊飼いは羊のために命を捨てる。羊飼いでなく、自分の羊を持たない雇い人は、狼が来るのを見ると、羊を置き去りにして逃げる。
                                                 (ヨハネによる福音書10:11−12)

沖縄戦の集団自決が軍の命令であったのか否かについて、論争が行なわれている。教科書検定は軍の強制であったという箇所を削除するように求め、のちに沖縄住民の強い抗議によって、「軍の関与」という表現に書き換えられることとなった。http://www.okinawatimes.co.jp/spe/syudanjiketsu.html

昨日の毎日新聞は新たに、防衛省が図書館に所蔵されている沖縄戦資料に、「集団自決は戦隊長命令でなかったことが証明されている」とする見解をつけていたことがわかった、というスクープを報道している。http://mainichi.jp/select/today/news/20080113k0000m040104000c.html


昨日は「GAMA--月桃の花--」という、沖縄戦を描いた映画を観た。

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沖縄戦で激しい空爆の中、日本軍も沖縄住民もガマ(洞窟)に逃れる。沖縄戦の総司令官であった牛島中将が自決し、日本軍が組織として壊滅した後も、沖縄住民はガマに潜み日本軍との同居を続ける。

軍人は、ガマの中で泣き叫ぶ赤ん坊をだまらせろ、と銃剣で脅す。「大きな声を出すとアメリカ軍に見つかるじゃないか!泣くのをやめないなら殺す。」

ガマがアメリカ軍に包囲され、「危害を加えないからガマから出てきなさい」と投降を促すマイクの声が聞こえると、軍人は「出て行くな!」と制止する。そして手榴弾を配って自決するよう命じる。



「命令したのかどうか」が今問題になっているわけだが、私はそんなことはどうでもいいと感じる。問題は日本軍が沖縄住民を守るものとして存在したのかどうかということではないだろうか。

「ガマから出て来い、危害は加えないから」という米軍からの投降勧告が聞こえたとき、「出て行って投降したら鬼畜のアメリカに何をされるかわからない」という恐怖はあったであろう。「危害を加えない」と言うのが真実か罠かはわからない。ガマを出て投降することは「賭け」であったにちがいない。しかし追い詰められて勝算の全くなくなった戦争において、出て行かなければ死ぬしかない状況なのである。私だったらどうするだろうか。まちがいなく「賭け」に出るであろう。生きながらえることができるかもしれない唯一の可能性に賭けてみるにちがいない。「命どぅ宝(ぬちどぅたから)」。

沖縄住民にそれができなかったとすれば、日本軍に「出て行ったら殺す!」と銃剣で脅されていたか、「生きて虜囚の辱めを受けることなかれ」と刷り込まれていたかどちらかなのである。しかし私が沖縄住民だったら「捕虜とならず日本人として立派に死ぬこと」に魂のすべてをささげられただろうか。沖縄方言を禁じられた戦争において。「自分のことば」を辱められた戦争において。


日本軍は沖縄住民を守る存在として沖縄にいたのかどうか。

自決命令を出したのか否かよりも重要な問題はそれではないだろうか。

沖縄住民が命を救う唯一の可能性であった投降をなぜ促さなかったのか。「投降したら鬼畜のアメリカにきんたまを抜かれる」のであれば、軍人がなぜまっさきに投降して「きんたまを抜かれる」かどうか自分自身が生贄になって試してみなかったのか。それで「きんたまを抜かれ」なかったら、「大丈夫だぞ、安心して出て来い!」と呼びかけられるではないか。


「よい羊飼い」は羊のために命を捨てる。羊飼いでない雇い人は羊のことなど気にかけていない。狼が来るのを見ると、羊を置き去りにして逃げる。牛島中将は逃げ惑う沖縄住民がその後どうなるかを考えずに自決した。組織的抵抗を失った沖縄戦は泥沼の中で続いていく。「赤ん坊が泣くのをやめないのなら殺す!」と軍人は銃剣を突きつけた。

「国家を守る」「国民を守る」と言っている政治家が「よい羊飼い」であるのかどうか、羊のことなど気にかけない雇い人にすぎないのかが問題なのである。そういう問題であるからこそ、防衛省も政府も正体を見破られるのを恐れ、「集団自決は軍命令」をあれほど否定しようと躍起になるのである。

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uehiroさん、私も「自虐」とさわぐ人々に「ガキ」レベルの幼稚さを感じるのを禁じえません。。。

2008/1/27(日) 午後 10:14 sta*sto*y60

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話しは変わるんですが、この映画、見てみたいですね・・・・
でも、自主上演みたいな扱いなんですね?
DVDとか、発売されてないのかな?
この映画を見るだけのために、北の果てから、南の島々に行くだけの
希望はあっても、お金がありません。
・・・・発展途上人のつらさです。(発展していく余地のない年齢になってますけど・・・)

2008/1/27(日) 午後 10:56 [ take chan ]

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ちょっと、調べてたので、レスが遅くなりました。
米兵がキンタマ抜いた件は、米兵の証言が、戦後米国テレビで放送されました。せめて、番組名と放送日時が分からないものかと思って、調べたのですが、ディレクター名しか分かりませんでした。ただし、日米双方の証言で、場所と行為が一致しているなら、確かな物と思うのが普通だと思います。
勘違いして欲しくないのですが、「残虐な米軍に立ち向かった勇敢な日本軍」と日本を賛美したい訳ではないのです。そして、どっちがどれだけ残忍だったか?などということにも、興味はありません。
確かに、日本兵に脅され自決した人もいるし、その事を後世に伝えなければいけませんが、壕から出たところを、笑いながら火炎放射器で焼き殺された人の無念さも、伝えなければいけません。
片方だけの非を取り上げて批判することが、果たしてフェアな態度でしょうか?偏った認識を意に介さず歴史を語ることを、自虐史観というのです。幼稚と切り捨てる前に、見落としている物に光を当ててください。

2008/1/30(水) 午後 1:03 [ いとへん ]

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米兵はベトナム戦争時にはベトナム兵の耳を切り落として集めたりしてます。さらに、太平洋戦争中は、日本兵の頭蓋骨を本国に送り、送った兵隊のフィアンセかなんかがそれを満面笑みで抱えてている姿がライフ誌の表紙を飾ったことがあります。このあたりは、日米関係論の基本的文献を読んでいる人であれば誰でも知っています。ペニスと睾丸の件は、セクシュアリティの観点から興味深いものがあります。南部のリンチで白人が黒人のペニスを切り取っていたのは黒人の男性性に対する脅威の表れという意見が支配的ですが、睾丸のほうは、身体論で言う「女性化」を表象している可能性があります。ちょっと考えて見ます。もちろん、アメリカは日本に原爆落として、被爆者の臓器や体組織を標本としてアメリカに持ち帰ったりしてますね。アメリカが「文明」の名の下に行った蛮行など枚挙に暇がない。

2008/1/30(水) 午後 2:16 och**obor*maru

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そんなこと言うなら、日本がやったアメリカ兵捕虜の生体解剖もなかなかのものだろうし、日本兵に関しては、米兵のペニスを切り取ったという話が「父親達の星条旗」に出てくるということをaxbxcx2さんから教えてもらいました。ここは戦争に関する国民的「記憶」というものが関わる重大事なので、なかなか解決が難しいところです。私は一国民として、自国政府にまず自国の問題の総括を要求し、言い分があれば、その上に立って、如何なる国に大しても堂々と「物申せ」という立場で、個人的にもそのように行動しています。アメリカの大学院在籍中それで立場が悪くなったこともあります。スミソニアン博物館の問題があってごたごたしていた時期でしたからね。

2008/1/30(水) 午後 2:22 och**obor*maru

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ちなみに、米兵が第二次世界大戦中に犯した「性的」犯罪−即ち去勢のようなものも含めて−に関しては、ヨーロッパ戦線についてのものがアメリカの歴史家によって書かれたのですが、9・11直後と重なったので、出版社も敬遠して陽の目を見ず、最初フランス語か何かに訳されて、昨年英語版がようやく出てきました。アメリカにとって第二次世界大戦は“Good War”であって、いまだにそういう観念が強いのですが、事態を相対化しようとする動きもまた出ています。日本については、占領期の米兵による暴行や強姦についてそれなりの研究蓄積があると思います。ちなみに、戦中「戦争に負けると、米兵に男は金玉抜かれて、女は犯されるぞ」なんて噂が巷でささやかれていたようです。沖縄の件とは別に、戦中の大衆言説の枠組みで検討に値することなので、念頭に置いておきたいと思います。

2008/1/30(水) 午後 6:49 och**obor*maru

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uehiroさん、残念ながらDVDにはなっていないそうです。DVD化するには予算がないそうです。自主上映でもっと観客が集まれば資金も増えるのでしょうけれど、ガラガラでしたね。戦争を振り返ってみようとわざわざ映画館に足を運ぶ人が少ないのでしょう。残念ですね。自主上映は各地で催されているようですが。

2008/1/30(水) 午後 10:38 sta*sto*y60

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いとへんさん、「壕から出たところを、笑いながら火炎放射器で焼き殺された人」がいたことが事実なら、それを直接見た人の証言が語られてしかるべきではないでしょうか。そしてアメリカは謝罪すべきです。これらのことは、おっしゃるとおり、日米どっちに非があるかということでなしに、できるかぎり証言を集めて日の下にさらさなくてはなりません。

2008/1/30(水) 午後 10:41 sta*sto*y60

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NANAMIさん、レスの必要がないくらい、丁寧な書き込みをありがとうございました。戦争中の出来事は、戦後裁判で不利益になることが多いので、多くは証拠隠滅されました。「証言」という形で募るしかありませんが、そこで語られた証言が事実であるかもしれないことに鑑み、精査しなくてはならないと思います。

2008/1/30(水) 午後 10:45 sta*sto*y60

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わざわざ調べていただいた?のでしょうか。
ありがとうございます。
この辺は札幌に2時間圏内なんで、チャンスはあるかもしれません。
調べてみます。あるといいのですが。

ちなみに、ヤフーブログ的には「uehiro_take」ですが、
対外的なHNは、「take chan」で通してます。よろしく。

2008/1/31(木) 午後 4:58 [ take chan ]

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火炎放射の件は、米軍側の証言があります。
証言を集めて日の下にすることも大事ですが、現地に居た人が、そんな話を信じていた事、これが一番大事な事だと思います。
我々は、戦後になって整理された資料を目に出来るから、キンタマ抜くなんて馬鹿げた話だし、本当にあったとしても、一部の暴走した兵士の仕業と思えるのですが、当時の人にとっては、それが日米双方で相当程度信じられていたわけです。
国のプロパガンダとは別に、「俺は見た」といって語られる、虚実ない交ぜの、さまざまな噂が、日米共に相手を必要以上に脅威に見せていたからこそ、住民が絶望し、悲劇が起こったのです。
軍命とか軍の関与などと言う言葉は、じゃまなばかりか、誤解を招く表現だと思っています。

2008/1/31(木) 午後 5:37 [ いとへん ]

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take chanさん、いえいえ、皆同じことが知りたいようで、映画を観に行ったとき、受付に「DVDはないんですか」と尋ねている人のやりとりを聞いていたんですよ。自主上映しているといいですね。

2008/1/31(木) 午後 9:08 sta*sto*y60

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いとへんさん、それでも「鬼畜米英」と恐怖を煽り立てて国民を戦争に扇動した戦争指導者がいたことは確かです。

2008/1/31(木) 午後 9:10 sta*sto*y60

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確かにそうですが、それを補完してありあまる現実を目の前にしたからこそ、自決がなされたのです。
>私だったらどうするだろうか。まちがいなく「賭け」に出るであろう。
こう言い切れるstarさんに、後出しジャンケンの狡さを感じます。

2008/2/1(金) 午後 6:05 [ いとへん ]

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たしか司馬遼太郎だったと思いますが、砲兵隊の少尉として千葉に配属されていた終戦直前、沖縄戦の頃、米軍の本土上陸作戦に対応する訓練をしていたそうです。その時、戦車で一般道を進むことになっていたので、「住民が同じ道を避難してきたらどうするか」と上官に聞いたところ、「ひき殺してすすめ」と答えたそうです。これが日本軍の本質だったと、今も怒りを持って書いていました。

2008/2/1(金) 午後 10:03 とらねこ

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いとへんさん、「それを補完してありあまる現実を目の前にした」のですか。本当に「目にした」のですか。実際にその目で見たのですか。大本営発表ではなく、「目にした」のか。そのことを問いたいです。

2008/2/1(金) 午後 11:08 sta*sto*y60

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とらねこさん、日本軍の本質を司馬遼太郎は見抜き、沖縄住民は地獄絵図の中で体験しました。

2008/2/1(金) 午後 11:09 sta*sto*y60

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言わんとするところが分かりません。実体験していない人は、沖縄戦を語ってはいけないのですか?
石垣島に米軍は上陸しませんでした。そして、集団自決も起きていません。沖縄本島が占領されれば、自動的に石垣島も米軍の支配下に落ちてしまいます。戦陣訓等の軍の関与(命令)が、集団自決の主因ならば、石垣島でも集団自決が起きてるはずですが、なぜ起きていないのでしょうか?
米軍の軍民無差別攻撃があったからこそ、集団自決が起きたのではないですか?もちろん、日本軍が軍民分離に失敗したことも、大きな要因だと思いますが、だからといって、無差別攻撃を正当化するのもおかしな話ですよね。

2008/2/4(月) 午後 0:36 [ いとへん ]

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キリスト者として今を生き始めた55歳のおじさんです。教会で悔い改めましたが、洗礼は受けていません。ちょうど、教会に飛び込んだのがイラク戦争の頃でしたので、アメリカの福音派と日本の福音派は同じものなのだろうか、などと疑問をいだき、はっきり答えてくれる人もなく、自分で勉強していたら、添付したようなホームページ「思想史の窓」ができました。貴ブログは率直に書かれていて好感がもてます。お気に入りに入れました。今後、じっくり読ませていただきます。まだ感想になっていないので、このコメントは公開しないでください。

2008/4/27(日) 午後 7:09 [ tanikazuo ]

アーメン!平安による平和を。シャローム。

2009/3/20(金) 午前 0:54 [ - ]

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