EOS Kiss X2の改造をしてもらいました。水素が電離しているHII領域から発せられる赤い光(Hα)は人の目には見えません。デジカメのCMOSはこの光を記録できるのですが、それだと人が見た風景にはならないので、普通のカメラはこの辺りの光を通さないフィルターが付いています。改造してもらったのは、このフィルターを交換し、HαをCMOSが記録できるようになりました。こうすると散光星雲などから出ているHαの赤い光も写真に残すことができます。
お天気・道行き
初めは富士山新5合目を考えていたのですが、天気予報や天気図を見ると曇りのようです。ところがYahoo!の天気予報を調べてみると、伊豆方面は星が見えそうなので、伊豆遠征です。今回の目的地はマニアの中では有名なゴルフ場の近くの駐車場です。初めてなので道行きに不安。で、やっぱりお決まりのように道を間違え、地元の方に教えてもらいました。冷川(つめたがわ)を「ひえかわ」と読んで驚かれたり、まあ、旅の恥はかき捨てです。往路は渋滞があって所用3時間、復路は渋滞なしで所用2時間30分程度です。
着いてみると、暗くなるにつれ天の川がはっきり見える良い条件です。
名残惜しい夏の星座
今回は 改造デジカメのテストが目的だったので、セットアップもノータッチ・ガイド中心としました。赤道儀を組み上げるまではガイド撮影のつもりだったのですが、組み上げるたら一仕事終わった感じがしてパソコンを起動するのがめんどくさくなってしまったので、そういうことにしました。帰宅後、画像をチェックしてみると星が流れています。また、露出不足を補うために強補正したので星も肥大してしまいました。
1.木星といて座界隈の天の川
いて座界隈は球状星団あり、散光星雲あり、もちろん天の川銀河の微光星がびっしりとあり、よく写真撮影されています。いつかはあんな写真を、と思っていたのですが、チャンスがなかったり、チャンスがあるのに見てなかったり、あまり撮影する機会がこれまではありませんでした。
とりあえず、28mmの広角レンズで撮影です。安くてもこの程度は写ればOKです。
うっかりして記録モードをLAWではなくjpgにしてしまったので、補正を強くかけると画像の荒れが見えてきてしまいます。右下には点線が見えていますが、伊豆沖をおそらく羽田に向けて飛ぶ旅客機の翼端灯です。高度が低い天体を狙うとどうしても出てくる厄介者ですが、どうしようもありません。もう少しよく撮れた写真もあったのですが、見事に飛行機に轢かれてしまいました(;  ホロホロ。
2.M8干潟星雲
いて座のティーポット(前にも書きましたが、南斗六星を目印にいて座をイメージできるほど想像力がないので、いつも南斗六星のひしゃくの部分を中心としたティーポットを目印にしています。)の界隈で眼視でもぼんやりと見える星雲です。
この写真もそうなのですが、すべて上がほぼ天の北になります。撮影するときには望遠鏡と赤道儀の関係を考えて横置きにして上が北になるようにデジカメをセットしたつもりだったのですが、画像ファイルを開いてみると、北が時計回りに90°ずれてしまっていました。この点は今後の課題です。
初めて撮影した改造デジカメでの散光星雲ですが、あまりに赤いのでびっくりです。オリジナルは彼岸花を思わせる赤味というか、濃い朱色と趣がないので、ステライメージでRGBそれぞれのレベル補正と現像機能で少し淡い感じにしました。
3.M20三裂星雲
干潟星雲の少し北にある有名な星雲です。赤と青のコントラスがきれいな写真を見たことがあります。素人に毛の生えた程度のキャリアでどの程度写るのか不安はありますが、きれいな写真を一度はgetしたい対象です。
初めは赤い部分だけしか見えなくて何を写したのか分からない状態でしたが、かなりの強補正をしてみると青い部分も見えてきました。今回は手を抜いてノータッチ・ガイドだったので露出120秒と短めですから、なかなか思ったような写真を撮ることができません。今年は無理かも知れませんが、来年は腰を据えて再チャレンジしたい天体です。
4.M17オメガ星雲
(1) ギリシャ文字のオメガ(Ω)に見えたり、池に浮かぶ白鳥に例えたりされる星雲です。
ファイルを開いて調整を始めて見ると、真ん中のガスが濃いところが一番初めに浮かび上がってきました。その形が太ったエビのように見えて、これも初めは何を撮影したのか分からない状態でした。アラが見えるのは承知で超強補正をしてみると、確かに淡い部分がΩだったり、白鳥がうなだれるように首をカーブさせて池に浮かんでいるようだったり、面白い星雲です。
(2) この星雲を対象に、眼視でもアイピースと鏡筒焦点距離の差を確かめました。最近読んだ笠井さんの望遠鏡講座によれば、淡い天体には上質の迷光処理がされた鏡筒で、できれば2インチのアイピースを、とあります。
TSA(口径102mm)で2インチ30mm(見掛け視界70°、実視界2.6°)とアメリカンサイズ30mm(見掛け視界52°、実視界1.9°)で見比べてみました。どちらも倍率は27倍です。それぞれ、しかるべきメーカーのアイピースです。合わせて、使いもしないのに赤道儀に同架させていた560mmガイドスコープに25mmのアイピースを付けて(倍率は22倍、見掛け視界は不明)、これとも見比べてみました。
淡い天体なので、色は全く分かりません。しかし形はどちらのアイピースでも、ガイドスコープでもはっきり確認できます。
TSAでは、白鳥の形の綿のように見えます。写真ほどではありませんが、白鳥のように見えるだけでなく、ガスの模様も淡く見ることができますが、やはり2インチのアイピースの方が模様が濃く見えます。
これに対し、ガイドスコープではトレッシング・ペーパーを白鳥型に切り抜いたような印象です。模様はTSAを見た後だったためでしょうか、あるように見えてしまいますがどちらかと言えばぼんやりとした形が見える、といった感じです。ガイドスコープもきちんとした作りで定評のあるメーカーのものなのですが、ここはやはり口径とアイピースの差がはっきりと現れたように感じます。2インチ30mmのアイピースは、広角特性が高い反面、中心像が甘いと言われることがありますが、低倍率で淡い天体を見る限り、中心像が極端に甘くなることはないように思います。少なくとも中心から3分の1の範囲内では、同じような良像が得られていました。
5.球状星団
まずは、いて座のM28です。
102mmではほとんど分離できません。
こちらはヘルクルス座のM15です。
以前、観望会に参加したときに、当日の天気が悪く見逃し悔しい思いをした球状星団なので、今年のリベンジをしました。さすがにM15は大きく迫力があります。もう少し大きな口径の鏡筒で撮影したい天体です。
以前はあまり関心がなかったのですが、微光星がびっしり詰まった姿に圧倒されてからファンになりました。
6.M31アンドロメダ銀河
手抜き観望・撮影なのでできは良くないのですが、秋の代表とも言えるアンドロメダが見えたので、今期初撮影して今回の遠征は終了です。
7.反省
(1) まだ良いと思っていたのですが、夜露がびっしょり。蚊や虫対策は考えていたのですが、夜露対策は全然頭になく、対物レンズが汗かき状態でした。寒くないのでカイロは置いてきたしまったので、ちょっと慌ててしまいました。
(2) 今回は、結構色々な天体を楽しみました。はくちょう座のくちばしにあるオレンジと緑がかった青の対比がきれいなアルビレオの連星、ペルセウス座の二重星団、撮影した天体も望遠鏡と双眼鏡で見比べたり、充実感と睡眠不足感で一杯です。
充実した星空散策のためには、やはり予習というか、知識が必要です。目の前に星はいっぱいあるけれど、何を見ればいいのか分からなければ宝の持ち腐れです。今回はいて座を中心に南天の天の川界隈の星雲、星団をよく調べておいたので、見たいものがたくさんありました。
こういったときに便利なのがやはりガイドブックですが、市販のガイドブックに任せきりにするのではなく、自分でも星図やパソコンのソフトで位置や特徴、特に形を覚えておくと現場での迷いがないことを実感できました。
もっと勉強しなければ!(道もね!?)
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