【拡大写真はコチラ】 5回途中、降板を告げられた福井は、ボールを放り投げる(撮影・市尻達拡)
「広島1-7阪神」(22日、マツダ)
この悔しさをバネにしろ!広島の福井優也投手(23)が今季最終登板に臨んだが、自己ワーストの6失点で猛虎打線にKOされた。それでもこの試合で規定投球回数に到達。広島の新人投手で規定投球回数に到達したのは、97年の沢崎、黒田以来、14年ぶりの快挙。最後を白星で飾れなかったが、今季の経験は来季に生かされるはずだ。
最後は試練が待っていた。ストライクが入らない。あまい球は外野に運ばれる。なすすべもなく、マウンドに立ちつくす福井。木っ端みじんに打ち砕かれ、五回途中で屈辱の降板を命じられた。今季最後の登板で、自己ワーストの6失点。一塁ベンチに下がった新人右腕は、ぼう然とした表情でグラウンドを見つめた。
立ち上がりから不安定だった。一回は1死から四球を与え、2死二塁のピンチ。ここは何とかしのいだが、二回には先頭のマートンに1球もストライクが入らず、四球を許した。すると野村監督が直々にマウンドに歩み寄り、カツを入れた。
「調子うんぬんはあると思うが、長い回を投げるのが仕事。修正しないといけない。無駄な点を取られないように、ここから踏ん張れ」
将来カープを背負ってほしい。指揮官自らが、序盤にマウンドで言葉をかけるのは異例だが、それだけ期待が大きい証拠だった。
結果的に福井は立ち直ることができず、失点を積み重ねた。最終登板を白星で飾れず、10敗目。しかし逆に自分を見直すことができた黒星でもあった。
「今のままではダメなのがわかった。1年間、ローテを守ることができたけど満足はしてない。最後の最後に打たれたことで、再認識できた」
並の新人ではないことも証明したシーズンだった。この日で今季の投球回数は146回1/3となり、規定投球回数をクリア。野村監督は「1年目で結果を出すのは難しいが、マエケン、バリントン、そして福井の3人はローテを外れることなく投げてくれた。それが一番」と高く評価した。
8勝10敗で終わった1年目。福井は「やることがありすぎて頭が痛いです」と苦笑いを浮かべた。課題は確かに多いが、「やることをやればゲームをつくれる。それが収穫」とプロで働ける自信もついた。飛躍の年となる2年目の来季は、投手陣の柱としてフル回転できるはずだ。