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イスラエル軍ガザ空爆

イスラエル軍が28日始めたパレスチナ自治区ガザ地区への空爆は、1日の死者が200人を超える過去に例のない大規模な攻撃となった。イスラエルの攻撃決定の背景には、ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスに対する封じ込め政策への手詰まり感や、来年2月の総選挙に向けて劣勢に立つ与党側の焦りが浮かび上がる。また、唯一の超大国、米国が政権移行期で明確な姿勢を示せないことが、過剰な報復を許した要因と言えそうだ〜読売新聞より引用

「沈黙の時期があれば戦闘の時期もある。今は戦う時だ」。イスラエルのバラク国防相は27日の空爆開始後、欧米のテレビに出演し攻撃を正当化した。そして「ハマスとの再停戦は(国際テロ組織)アルカイダとの休戦を求めるようなものだ」と語り、国連などが求める即時攻撃停止を一蹴してしまった。

今月19日まで半年間続いた停戦中、イスラエル政府幹部はガザ情勢を「ジレンマ」と表現していた。衝突が沈静化する半面、ハマスが後ろ盾のイランから武器を密輸し、再衝突に備えて軍備強化を進めていることへの警戒感が強いからだ。

イスラエルは、ハマスが昨年6月にガザを武力制圧した後、ガザとの境界を封鎖するなど包囲網を強化した。しかし、ハマスはエジプト側へトンネルを掘削。食糧などの生活必需品のほかロケット弾などの武器も密輸しているとされ、封じ込め政策は功を奏していないのが実情だ。

来月20日のオバマ次期米政権発足も、攻撃のタイミングに影響したようだ。イスラエルにとって「敵との対話」を外交指針に据えるオバマ氏は「未知数」であり、「ハマスとでさえ対話に乗り出すかもしれない」(外務省幹部)との懸念が消えない。イスラエルが、オバマ政権発足前のハマスの弱体化を狙った可能性は高い。

イスラエル軍によると、19日の停戦失効以降約300発のロケット弾がガザから撃ち込まれた。2月に総選挙を控えた同国では、世論が一層硬化するのに合わせ対パレスチナ強硬派の野党・リクードが支持を拡大。地元紙の最新の世論調査ではリクードは現有議席を倍以上に増やし第1党に躍進する勢いだ

こうした状況下、ガザ攻撃に慎重だった中道右派の与党カディマも方針転換に踏み切った。党首として政権維持を目指すリブニ外相は最近、「首相になったらガザのハマス政府を崩壊させる」とまで豪語。メディアを含めて「攻撃不可避」の流れが固まった。

一方、ガザからのロケット攻撃の狙いは必ずしも明確ではないが、パレスチナ政策調査研究センターのシカキ代表は「ハマスは再停戦の可能性を模索していた」と分析。有利な停戦条件を勝ち取るための圧力として、攻撃の手を強めていたとの見方を示している。
http://sankei.jp.msn.com/photos/world/mideast/081228/mds0812282245016-n1.jpg
27日の空爆後、パレスチナ人による抗議デモは東エルサレムやヨルダン川西岸ラマラなどへ拡大。パレスチナ自治政府のアッバス議長はイスラエル軍攻撃を「犯罪行為」と非難する一方、ガザの混乱がヨルダン川西岸にも飛び火して、パレスチナ全域が混迷することを警戒している。

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