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企業と政府の関係と公的資金

1月24日付の日経新聞が、一面トップで、政府が銀行以外の一般企業にも公的資金を使って資本注入する制度を創設する方針だと伝えていた。本当か??アメリカ政府によるビッグスリー支援やフランスの政府系ファンドによる企業への資本支援など、銀行以外の一般企業にも政府のお金が資本の形で入るという現象が、現在、自由主義を標榜する先進国でも起こっている

日本政策投資銀行を通じた1兆円


報道によると、今年度の第2次補正予算案にある日本政策投資銀行を通じた1兆円の低利融資枠を企業の資本支援(議決権のない優先株の引き受け)にも使えるようにするらしい。

具体的には、関連産業のすそ野が広く、経営破綻した場合、地元経済への悪影響が大きいとみられる地域の中核企業(地方の国会議員には必須の対象だろう)、技術力があり成長性が見込めるのに一時的に資本不足に陥った企業、M&Aに積極的な企業などが支援対象として想定されているという。

適用範囲は極めて広い。また、与党内では、経営破綻に備えた安全網がない保険会社や証券会社も新制度の支援対象に含めるべきだとの声もあるようだ。
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ただ、本当に経済に対して大きな影響を与える企業を救済するとなると、1兆円では足りない。日経の記事も指摘するとおり、数兆円単位の話になるだろうし、そもそも支援対象先も前述の想定に従えば際限なく広がりかねない。筋書きとしては・・・
小さく産んで、どさくさまぎれに実績を作り、将来大きなフレームワークに育てよう、ということではないか
政府の民間への関与を膨れ上がらせかねない制度だけに、どうにも気味が悪い。

率直に言って、今回の制度も含めて、制度設計上「企業」に求めるものが矛盾しており、整理されていないように感じる。

たとえば、雇用問題について、政府は企業に対し派遣社員を正社員で抱えて欲しいとか、雇用を守ることに対してある程度の責任を持って欲しいと言っているが、その一方で効率性の向上も求めている。公的年金なども、株主として企業の経営者に効率性を高めるべく、プレッシャーを掛けている。

本来のセーフティーネットとは


従業員の福祉やセーフティーネットと株主の利益の追求をほどよく調和させることは企業にとって難しいし、少なくともルール化になじむ問題ではない。両方を求めると、企業の側も、ある時は効率のために儲けるといい、またある時は雇用の維持を建前として公的資金を要求するといった具合に都合よく立場を使い分けるだろう。

また、企業に政府からお金が入るようなことになると、産業構造が固定化されたり、非効率的な企業が温存されたりしかねない。
穿った見方をすれば、支援先(関連会社も含めて)が天下り先となることもあるはずだ。政府が企業の活動を監督する立場でありながら、資本の出し手という立場になれば、利益相反が起きやすいのでは?

企業というものは利益追求のために原則自由に活動できるが、潰れることがあり得て、しかも潰れても構わないというものだ、というのが原則的な姿だろう。

だいたい政府は、企業が正しく活動するかについて監督出来る立場などではないし(そのために各種のルールを作る必要はあるが)雇用の維持や福祉まで企業に責任を負わせるのはおかしい。政府は、あくまで個人を単位として、平等な条件で福祉的なサポートを与えたり、セーフティネットを作ったりすべきだ。

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