公務員制度改革の法案と閣議決定。これで天下りの弊害はなくなるのか。今夜は、この問題について考えてみたいと思います。
まず、天下りの現状です。各省庁の幹部クラスで、去年8月までの1年間に退職して再就職先もはっきりしているのは1143人。天下り先の内訳を見ますと、省庁が所管している財団法人が289人、社団法人が151人。民間企業などの営利法人が174人などとなっています。民間が少ないように見えますが、再就職規制がない非営利法人に天下って多額の退職金をもらってから、民間企業に移って行く元官僚もたくさんいます。
退職時の平均年齢は56歳。民間ならまだ辞める齢ではありません。しかし、官僚の世界では、組織の活力を維持するためというでたらめな理由で、トップの事務次官候補者を残して60歳の定年を待たずに退職するのが慣わしになっています。逆に言うと、そういう慣わしを守るために、役所の人事担当者が次の職場をあっせんする必要が出て来る訳です。
無能なバ官僚から振り分けられる
第1の理由は、役所の権限や予算を背景にした押しつけになっているからです。 役所と関係がある企業は、頼まれたら断れない代わり、許認可や公共事業の発注で見返りが期待できる。そういう官製談合にもつながる癒着の構図が生まれがちです。政府も、そうした押し付け的なあっせんの実態があったことを、今回初めて公式に認めました。
第2の理由は、縦割り行政の温床になっていることです。官僚は天下った後も幾つかの団体や企業を渡り歩いて、最長で75歳程度までポストが確保されると言われます。役所に採用されてからそこまで、役所の人事担当者が面倒を見続ける以上、
| 官僚の側に、国全体のことより、まず役所の利益を守るという発想がまん延しています。 |
そこで、個々の役所の人事から切り離して、センターに一元化する。そして、再就職あっせんを、省庁と企業の関係ではなく、あくまで、辞めて行く官僚個人に対する支援、求職と求人をつなぐ透明な人材バンク的仕組みにするといったことですが、これも実にいい加減です。
まず、あっせん対象の職員に関わる情報を把握するためという理由で、各省庁の人事担当者が必要に応じて「協力する」という規定が盛り込まれました。一元化すると言いながら、実際には各省庁が口を出せる余地を残しているのではないか。センターの詳細な制度設計はすべてこれからだけに、そうした疑念を払拭することは出来ません。
もう一つ、仕組みそのものをセンター設置の5年後に「見直す」規定も盛り込まれました。与党が求めていた、省庁によるあっせん廃止より前の見直しは出来ない規定になりましたが、一元化がいつまで貫かれるのか。不透明な要素は残っています。
それ以上に、この仕組みが本当に機能するのかどうか。つまり、本当に求人があるのか。そこが大問題です。官僚と与党の連合軍が反対した一番の理由もそこにありました。
実際、再就職あっせんを仕事にしている民間会社に話を聞いても、50代半ばまで役所一筋で来たそんな使えない官僚OBを、出身官庁の権限や予算とは関係なしに、ぜひウチで雇いたいという民間企業があるはずないのです。積極的に求人を開拓する。改革案ではそう強調していますが。
このように、霞ヶ関版人材バンク構想が上手く行くかどうか。いくつも疑問が残ります。それに加えて、国民の間には、どう改革したところで、第2の就職先を探してもらえること自体、官僚の特権だという見方があります。
| 早い話しが、人材バンク、イコール天下りの政府公認だということであった(あほか!) |
また、法案では、再就職後の規制を強化する代わりに、これまでチェックの対象だった、辞めてすぐの民間企業への再就職が原則自由化されます。人材バンクは、一種の天下りロンダリング機関ではないかという批判を招かないためにも、最初に指摘したもう1つの問題。つまり天下りそのものをなくして行くことこそ絶対に必要だと思います。
今回の改革案でも、そうした視点に立って、公務員制度全体の見直しを人材バンクの設置とワンパッケージで進めることは謳っています。
|