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金融危機が家計を直撃

実情


世界的な金融危機は、日本の家計経済にどれだけの影響を与えたのでしょうか。まず、家計が保有する金融資産の最近の状況を調べてみました。
家計の金融資産の推移は、日本銀行が四半期ごとに発表する「資金循環統計」で調べてみました。

同統計によると、家計が保有する金融資産残高は、07年6月末には1571兆円ありました。しかし、この頃をピークに減少に転じ、08年9月末には1467兆円(速報値)まで低下しました。ピーク時と比べると104兆円の減額(6.6%減)となります。これを20歳以上人口(1億428万人)で割ると、1年余りの間に1人当たり約100万円減ったことになります。

金融資産保有額(単位は兆円)
-2007年6月リーマンショック2008年12月
金融資産15711467(▼104)1435(135)
現金、預金773773773
株、出資金206118(▼87)93(▼112)
投資信託745952(▼21)
F X 4,14,84,8
保険等402403403

アメリカのサブプライム危機に端を発した国際金融危機の影響が為替市場に及んでいる。9月中旬にリーマン・ブラザーズが連邦破産法に破綻を申請して以来、欧米の金融機関は流動性の確保が難しくなり、世界中の資産を売却、本国送金している。その結果、アジアの株などの資産価格は大きく下落、資本流出による通貨売りから、アジア通貨は対米ドルで大きく減価している。唯一の例外は日本円で、これは円のキャリートレード(円借り、高金利通貨への投資)をしていた内外の投資家が、ポジションをたたんで、円の返済を進めている。

イメージ 1


金融危機後の為替レート


為替レートは、日本円が一番強く、次に米ドルと米ドルに明示的・暗黙裡にペッグしている国(香港、中国、中東諸国)、それに続いてユーロ、そして、中小国が続く、という構図が鮮明になってきた。金融危機の発端がアメリカであったにもかかわらず米ドルが(円を除く)他通貨に対して上昇しているのは皮肉なことである。これは、米ドルが国際基軸通貨としてさまざまな金融取引の契約通貨となっているために、金融機関の流動性確保は米ドルで行わざるを得ない、という事情があるからだ。

アジアの中のいくつかの国では、対米ドルのレートが下落することで、通貨危機につながるのではないか、との不安が生じている。しかし、重要なのは、通貨価値は実効レートでみるべきであり、アジア通貨全般が一緒に下落しているのであれば、それは、「ドル高」ということであり、特定のアジアの国の資金離れを起こしていることではないので、それほど心配することはない。もちろん下落率の大小はあるので、大きな下落を示している通貨の経済には注意が必要だ。

多くの国は、対米ドルでみても、対AMUでみても、大きな減価をしている。アジア通貨の中で(AMUに対して)減価している通貨は、インドネシア・ルピア、韓国・ウォン、マレーシア・リンギット、フィリピン・ペソ、シンガポール・ドル、タイ・バーツであり、一方、日本円と中国元が大きな上昇を示している。

これからも、アメリカ金融市場の混乱は、巨額の資金フローを引き起こし、ひいては、為替レートに大きな影響を与えるであろう。サブプライム危機の直接の影響は小さかったアジア地域においても、アメリカへの輸出の減退(輸出チャンネル)、株価の下落(資本移動チャンネル)、などから、国内経済が大きな影響を被るようになっている。金融危機に起因する資金フローの突然の変化により、為替レートは大きな影響を受ける。

まったく、いい迷惑である!

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