外人投資家(?)の低位株研究所

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プリヴェチューリッヒ企業再生グループが阪急ホールディングス(HD)株五%強を取得し、筆頭株主に

躍り出た。プリヴェは筆頭株主である京成電鉄には「経営不関与」の態度だったが、阪急HDにはグルー

プの東宝との統合など企業価値向上へ積極介入する構え。投資ファンドの標的となりながら「買収防衛」

で立ち遅れた鉄道各社は戦々恐々としている。


 「阪急東宝グループの企業価値を向上させる独自のプランを一株主の提案として聞いてほしい」。プリ

ヴェの松村謙三社長は十日午前、阪急HDの角和夫社長に電話で面談を申し入れた。


 角社長は新阪急ホテル(大阪市)でグループの新年互例会に出席。幹部社員が動揺しないように「(プ

リヴェの)株保有に関係なく、中長期的に企業価値を向上しよう」とあいさつした。だが、会場はプリヴ

ェの話題で持ちきり。あるグループ会社首脳は「とうとうベールを脱いだな。村上ファンドが買っている

といううわさもあったが……」と困惑気味だった。


 外資系証券などを渡り歩いた松村社長にとって、村上世彰氏は旧知。だが、村上ファンドとは違い、神

田通信工業や中堅証券各社、静岡日産自動車と矢継ぎ早に投資した相手の経営には口出ししてこなかっ

た。


 「これまでの総決算」(松村社長)という阪急HD株取得はこの意味で異なる。プリヴェは京成への投

資以前から西武鉄道などのバランスシートを調べあげており、「鉄道経営では村上氏より詳しい」(松村

社長)という。不動産を豊富に持ちながら資産効率が悪く、優良子会社があっても運行収入の「日銭商

売」にあぐらをかく――。調査の結論はこうだった。


 「財務体質が弱い阪急株をなぜ買うのか」(阪急電鉄幹部)との声もあるが、プリヴェの視線は東宝の

ほか第一ホテル東京や東京宝塚ビルなどの一等地。十日の阪急HD株は八百四十二円に上昇したが、「ま

だ理論値の半値」と松村氏はみる。


 京成電鉄株の取得も当初は「純投資」としていたが、「東京ディズニーランドと成田空港を結んだ沿線

の開発や海外旅行客の誘致に京成は積極関与すべきだ」との思いを持つ。同日、プリヴェの保有比率が実

質八・七%に上昇した京成側は神経をとがらせている。


 西武鉄道は米ファンドのサーベラスの傘下に入った。老朽施設の改修資金調達が表向きの理由だが、み

ずほコーポレート銀行の出身の後藤高志・西武鉄道社長は「外部の目から硬直化した組織を揺さぶって欲

しい」と隠れた狙いを打ち明ける。京浜急行電鉄も約四百億円を投じ、東京・台場のホテル、グランパシ

フィックメリディアンを買収。資金の活用と乗客減対策を練り始めた。


 プリヴェの提案がどこまで阪急側に通じるかは未知数だが、買収とは無縁と「鈍行防衛」を続けてきた

鉄道各社はその清算を求められている。(藤本秀文、藤川衛)


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