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1.彼の幼い頃

こんにちは。
私の方のお話は一区切りついたので、
これからは彼の事を書いて行こうと思います。

再会してから彼に聞いたお話です。
色々な話を聞いて、彼につきまとっていた影や、
ふと見せる淋しげな表情の訳が少しずつわかってきました。

聞いた時はほんとにランダムで色んな話をされたので
順序はばらばらでしたけど、なんとか時系列揃えて書いていきます。

では、本題へ。





彼は幼い頃よく同じ夢を見ていました。

神社へ続く階段を知らない女性に手を引かれて
よちよち歩きで昇っている自分。

見上げても顔はよく見えません。
でも、今いる母親ではないように思えました。





母親が弟や妹ばかり可愛がる事に嫉妬して
小さい頃はよくいじめたそうです。

ある日それを見ていた母親が、怒りに任せて

「あんたはあたしの子じゃないんだ!」

と言ったんだそうです。


母親と信じてきた人は母親じゃなかった・・・。
小学校低学年で知った事実。
しかも怒りに任せて、だなんて・・・。
そのショックははかりしれません。


夢に出てきた女の人が、お母さんだったんだ・・・。
いつか、本当のお母さんに逢いたい・・・。

小学生のS君は本気でお星様にお願いしたそうです。





彼の父親は自分で立ち上げた会社がうまく行っていて、
プライドが高く、お酒を飲んでは暴れる人だったそうです。

一度暴れだすと手が付けられず、
そうなると母親が、自分の子供だけを連れて家出したり・・・。

一人残された彼は父親の標的にならざるを得ませんでした。
身体の大きい父親にはむかっても、かなう訳がありません。

彼の瞳に暗い影が宿っていきます。





そんな彼が唯一自分を解放できたのが絵でした。

絵を描く事が大好きで、絵を描いているときはいやな事を忘れられる。

小、中学校で賞をとったり、高校時代には県の○○展に入選したり。





ギターも弾き始めました。
優しくしてくれた、従兄弟のお姉さんにお古を貰って、
左効きの彼は、右用のギターを逆から鳴らしていたそうです。

しかし小学生ではまだまだコードを抑えられなくて、
本格的に始めたのは高校生になってから。





流行歌ではなく、ビートルズなど、本物の音楽にずっと触れていた彼。
自然と作曲もするようになります。

聴いた事のない音楽なのに、何故か知っていて
ものすごく懐かしい感じがする・・・そんな古い曲も好んで聴いたそうです。

きっと彼の本当のお母さんが幼い彼にいい音楽を聴かせていたのでしょう。

父親の話では、お母さんはとても歌が上手だったとか。





16歳になるとバイクに興味を持ち始めます。
勿論、父親には絶対に内緒です。

レース場でライセンスをとり、公道以外なら走れるようになりました。
週末になると嘘をついて、チームの車でレース場に通っていたそうです。

バイクを走らせている時は、嫌な事を全部忘れられました。

イージーライダーという映画を見て、「自由」という言葉に憧れを持ちます。

会社がある限り、いずれ自分は会社を継がされる、
自分に自由は無い、彼はそう思っていました。





そしてベースとキーボードを弾きながらのヴォーカルとして、
バンドを作り、活動を始めます。

みんなの考えは「まず流行りの音楽をコピーしよう。」だったので、
コピーならビートルズ、でなければオリジナルをやりたかった彼とは意見が合いませんでした。

仕方なく流行りの音楽をコピーして演奏していましたが、
女の子のファンが増え、バンドのメンバーはそのことに満足してしまいました。

オリジナルをやりたい彼と、現状に満足している彼らとの間には
どんどん溝が出来て行きました。

文化祭での演奏は大成功に終わりましたが、
彼はもてたくてやっていた訳ではなく、
「自分の音楽」を表現したかったのです。

一年で殆どの楽器をこなせるようになった事も反感を買い、
考えも合わず、一人浮いて行きます。





2年生のある日、彼はレース場で事故にあい、入院してしまいます。

長い間夢の世界をさまよって、36歳までの自分を体験(?)したそうです。

目覚めた時に、自分が高校生であることが不思議だったそうです。

初めてのパラレルワールド・・・。もう一つの世界・・・。

この先ずっとそれが一つのキーワードになって行きます。





その世界(例えていうなら夢)に出てきたのは私・・・。

私と結婚して普通に生活している・・・そういう記憶が残ったんだそうです。

でも、目覚めたら自分は高校生・・・。

「あれは夢だったのだろうか・・・」

最初はそう思うしかありませんでした。


そして当然、家にバイクの事がばれてしまい、
しばらくはバイクに乗れなくなりました。





3年生になると違うバンドを組んで、
オリジナルを作り、カバー曲を演奏し始めます。





そして夏・・・

彼は実の母方のおじさんに誘われて私の住む街へやって来ました。

そう・・・彼はもともと私のすぐそばに住んでいたそうなんです。
引っ越したのは両親が離婚してから・・・。

そして私の高校の近くをおじさんの車で走っていて
橋の上で私を見た時、稲妻が走ったんだそうです。

事故にあって、入院している間に体験した
夢(?)の中に出てきた遠い記憶のあの子だと・・。

車から飛び降りて名前を聞こうかと思ったそうですが、
何故か自然に、また逢えるって思えたんだそうです。

どこで逢えるかはわかりませんでした。





7月、8月に地元で合同ライブをします。

彼のバンドはオリジナルのみ。他は全てコピーバンドでした。
オリジナルだけでもう40曲も作っていました。

文化祭は他の女子高の文化祭にも出ていました。
彼はあくまでもロックでポップなものにこだわりましたが、
反響はあまり無かったようです。


けれどある日、良く行く楽器屋さんで、
とあるレコード会社の作曲のコンテストがあることを知ります。

お店の人に薦められて、一曲出して見る事にしました。

その曲は・・・私を見かけたときに私を思って作った曲。
ハートオブサウンド(仮)というインスト曲。


放課後に音楽室のピアノに向かって約2週間で作ったその曲は
優秀作品に選ばれ、彼は賞金と東京行きの切符を手にします。


スカウトされた彼は親にその事を告げましたが、
頭から音楽なんて!と否定され、
東京へ行く事は認めてもらえませんでした。


しかし夏休み、運よく父親が海外に旅行に出たので、彼は内緒で一人上京します。

東京でのこの5日間は彼に淡い夢を見させてくれました。

スタジオでプロの人達とセッション。
8曲の録音に携わり、いい刺激を受け、彼は夢を見ました。

「自分も音楽で食っていけるようになりたい・・・。」

彼の曲はその後ある映画のサントラとして世に出ました。





レコード会社の人に名刺を貰い、彼は親の説得を試みますが・・・。

父親は逆切れをして、レコード会社に電話をし、
むちゃくちゃな言いがかりをつけて、電話を切ってしまいます。


彼に残されたのは「絶望」の二文字だけでした。




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その後、彼自身は、”夢”を追ったのかな?
敷かれたレールを走ったのか?
敷かれたレールを走ったほうが本当はいいのかも知れないけどね。
【baybay〜紆余曲折な人生送ってる自分がゆうのもなんだけど
平凡な生活がほんとーは幸せなのかもね・・・(@_@;)】

2008/2/9(土) 午後 7:47 [ ★×taku★ ]

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夢を追ってボロボロになりますよっクス(・m・*)クス
詳しくは次回・・・。
待っててくださいね〜w

2008/2/9(土) 午後 7:48 minami♪

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【baybay〜クスクスは笑ってるの?独り言?泣き始め??
楽しみにしてます。おやすみなさい(V)o¥o(V)】

2008/2/9(土) 午後 11:08 [ ★×taku★ ]

minamiさん。
こんばんは!私どうやら読む順番間違えてしまったようで・・・
ここから読みなおしました。
ごめんなさい。。。

2008/3/23(日) 午後 9:17 tomatorenge(とまと)

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【トマトさん】 凹○゙ コテッ

いえいえ、でも途中だときっと訳わからなくなると思うので、気付いてよかったですね!

2008/3/24(月) 午前 0:07 minami♪

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minamiさん、どうもです。時間があるのでまたここから読ませて戴きます。ってか、彼は彼で、とんでもないものをいろいろ抱えてたみたいですね。熱意と才能の両方に恵まれた人だからこそ、周囲と溶け込めなかったのかもしれないですね。それは凄く判ります。

2009/2/16(月) 午後 4:16 ◆クローネ◆

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【クローネさん】
きゃ〜お忙しいのに、ありがとうございます。
何だかんだ言ってちょみっと(ノ)`ω´・(ヾ)バスカシー

そうなんです。「オヤジが嫌いなんだ。」「あたしも・・・。」
と言う話はよくしてましたけど、こんな酷い事されてたとは
知らなくて。
友達も多いけど嫉妬されたり反感を買う事も多かったみたいですね〜。

2009/2/16(月) 午後 4:45 minami♪

彼が誰かはまだ分かりませんけど。。。(^^)
何だか「自伝」を読んでいるようで、楽しみです。

2010/8/2(月) 午後 6:20 春泥

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【春泥さん】
自分で昨日読み返してみましたが、この辺は聞いた話なので何だか表現方法で苦労してますね。
春泥さんのおかげで時々誤字を発見出来ています(笑)

2010/8/3(火) 午前 8:16 minami♪


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