おるたな美術館

旅先で出会った東洋美術、西洋美術

インド編

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カジュラーホのヴィシュヌを本尊とする大きな寺、ラクシュマナ寺院の傍らにあるヴァラーハ(野猪、ヴィシュヌの化身)のお堂。

通常、猪の頭をした半獣半人の姿で表されることが多い中、この像は猪そのもので、カジュラーホの寺院建築と同じく、表面におびただしい人の形をした彫刻(名物のエロティックなものは無いけど)がびっしり彫り込まれ、猪自体が宇宙の総体を示しているようだ。

神話によると、魔神によって世界の大地が海中に沈められたため、神々がヴィシュヌに助けを求め、それに応じてヴィシュヌが化身した巨大な猪の身体に、神々と聖者が避難しているところらしい。

ヴァラーハが牙で沈んだ大地を持ち上げるという状態を、彫刻では大地の女神を牙でぶら下げているように表すことが多い。この彫刻の現状では左の牙が欠損し、台座には蛇(ウンコではない)とともに、女神のものらしき足の甲が残っているので、元々はこの辺りに大地の女神像が立っていたと考えられる(足の甲は別の神像のものかもしれないが)。

そういえば、仏陀もまたヴィシュヌの化身とされている。ということは、ヒンドゥー教では仏陀とヴァラーハは同格なのだろう。古今東西捜してみても、こんなに立派で偉い猪というのはヴァラーハ以外に無いんじゃないかな。


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