おるたな美術館

旅先で出会った東洋美術、西洋美術

カンボジア編

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何か硬いもので殴ったような鼻と口の破損部(内戦時代のもの?)。顔面の10ヶ所以上に及ぶ意図的な引っ掻き傷(こっちはかなり新しい)。これらの傷には単なるいたずらやイデオロギーでは説明出来ない、もっと感情的な歪んだ欲望を感じてしまう。

このことはこのデヴァターの持つ、あまりにも人間的な肉感性への反感のように思える。実際こういった種類の傷というのは他では見かけなかったし、またある意味アンコール・ワットのデヴァターに残る弾痕よりも強いショックを受けもした。

重く硬く冷たい石造の宗教施設で、この像のウェットな表現はある種の違和感を感じさせ、人によっては苛立ちすら覚えるのだろう。それくらいに生身の体温がある。

エロティックな像なら他にもこの寺院にたくさんある。問題はこの場にしては場違いに情緒的な佇まいだ。ここらへんがサディスティックな衝動を呼び起こす原因かも知れない。

そういえば、この極端に頭が大きく手が小さい独特のプロポーションは浮世絵の大首絵を連想させる。なるほど、この像の情感の豊かさは写実性のみならず、大首絵的プロポーションに起因していたのか。

その独創性と表現の素晴らしさ故に惨い傷跡がショックで、ついいろいろと思いを巡らせてしまった。


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