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去年と一昨年の夏に京都芸術センター制作室を借りて制作した「Exodu山水」展の彫刻は、高さ約4.8mだったのが、実際に組上げてみると上の方はパースがついて予想以上に小さく見えることがわかり、約10cm伸ばした。
そこでますます気になったのが、むろまちアートコートの天井から、彫刻の高さより低い位置に吊るされた照明器具のレールだ。彫刻の最頂部の位置とこのレールの位置が重なる恐れがあるから、それを避けなければならない。
1/20のミニチュアでシミュレーションしてみると、彫刻を接地する位置や角度のわずかな違いによって、インスタレーションの表現効果や意味までもが変わりかねないことがわかったから、事は重大だ。
以前のおおざっぱな会場の計測では役に立たないため、もう一度現地で正確に計測させてもらうことにした。そこで早速むろまちアートコート(略してMACと呼ぶらしい)に出向き、巨大な脚立をお借りして正確な位置を計り、空間全体も見直した。
結果としてもう一つ重要な点も浮かび上がって来た。それは、会場入口から入ると右側に突出した壁が意外と大きく、それに視界が遮られて場内全体を見渡すことが不可能なことだ(ミニチュアでこの壁を作ってみると、やはり空間全体の印象が激変した)。このこととレールの位置問題と合わせ検討すると、当初考えていた彫刻の位置と角度を変更せざるを得ない事がわかった。
そんなわけで、通常、枯山水の庭園では方丈から庭全体を見渡せるのに対し、今回の展示では(枯山水に見立てたインスタレーションなのに)鑑賞法が庭の中を歩き回る回遊式庭園にちかくなる。このことは外から空間全体を客観的に見るか中から見渡すかという、視点(大げさにいえば世界観)の違いを生み出すからおろそかにできないものの、”回遊式枯山水” というのも案外面白いかもしれない。
単なる展示物の位置変更は、展示作業の際に臨機応変にできないことではないが、表現効果や意味内容まで変わってしまうようではそうはいかない。その上彫刻が巨大なので、当座になって気軽に位置を変更することも難しいし、第一、今回は映像の方が不確定要素として残っており、当日はそちらにもエネルギーを注がなければならない。
Exodus山水 2010年3月16日[火] ― 3月21日[日] 於、むろまちアートコート
<http://project-noa.com/exodus/>
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