おるたな美術館

旅先で出会った東洋美術、西洋美術

フランス編

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ルーヴルその2

イメージ 1

それにしてもこの全裸の女性の背中についているのは何なのだ。ほとんどデビルウィングではないか。その両脇で飛んでる、鳥の足をした赤い生物も実に怪しい。

このおちゃめで悪魔的な図像、よく見ると女性の足下にある樹には林檎が実っているし、両脇の怪しい2匹は弓と矢を持っている。ということはヴィーナスとキューピッドか。しかし、股間からは金色の放射線が男達に顔面シャワー!? こんな如何わしいヴィーナス、あっていいのか?

というわけで「ヴィーナスの勝利」、ルーヴルの “おるたなヴィーナス” です。

なんでも、これは出産したご婦人に贈られたお盆らしい。6人の騎士は、サムソン、アキレウス、トリスタン等、旧約聖書、ギリシャ神話、中世の騎士物語の中の恋愛譚(ロマンス)の英雄達。彼らが皆、騎士の格好で愛の女神を崇めるという構図になっている。

日本人の感覚からいくと、吉祥の盆に悲劇のヒーロー達を描くのは、不思議な気がするけど、中世の騎士が、身分の高い女性によせる高潔で成就出来ない愛(ミンネ)という騎士道精神に基づいているのだろう。

ヴィーナスを囲む光背のアーモンド型は、明らかに女性性器を意図している。そういえば、キリストの脇腹のアーモンド型の傷を描いたイメージも、同じ意図と解釈した本読んだことあるな。

古代ギリシャ・ローマ美術を手本にしたルネサンス以降のギリシャ神話の神々のイメージになれきっている私達には、この中世の異教の女神はなんだか異様で冗談にしか見えない。とはいえ、きれいなだけで愛想のない、古代やルネサンス以降のヴィーナスより、こっちのほうが遥かにチャーミングでは?


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