おるたな美術館

旅先で出会った東洋美術、西洋美術

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宮女としてのコスチュームフル装備の左4体と、楽屋の一幕といった雰囲気の右2体の対照的な組み合わせのコーナー。

直角にそれぞれの壁面が交わる形ながら、これら4体と2体はそれぞれ同じくらいの背丈で肩の高さもきれいに並んでいる。そんな中、その4体の内右から3体目だけ少し体を浮き上がらせるかのように右肩をいからせ、この4体の水平に並んだ肩のラインにアクセントをつけているのが目につく。

型からはずれたポーズなので、人体表現としてこの1体だけ稚拙さが目立つが、単調な画面に変化をつけるという趣向なのだろう。

右側のペアの内の左側の1体も頭飾を付けない髪に手をやる変則的なポーズ、身体の線にそうように下げた右手は意味をなさないし、左右の肩幅が極端に違う。やはり習熟した類型的なポーズでないものだと、いきなりデッサンが狂ってしまうようだ。

このペアの表情からすると、いじける左側に対して右のデヴァターが励ましているように見える。それにしても、肩にかけた手の親指だけが立っているのはスゴく気になる(画像下中央)。きっと何かのサインに違いない。

こうした意味深なポーズは、宗教図像学的に解釈出来ない当時の人でないとわからないジェスチュアなのかもしれない。

いずれにせよこのエリアの彫工達は、こうした人体表現の均整が崩れるような危険を冒してでもオリジナルなアイデアを競い合って、内庭を訪れる人々の目を楽しませたようだ。

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この第二回廊内庭壁面のデヴァターを特徴付けるものとして、4隅にずらりと5体並んだ形式があり、このエリアの見どころでもある。

画像の北西隅の5体は右端の1体がほとんど破損してしまっているが、ゆったりとした大振りな造形が印象的だ。

とはいってもこれらが他の女神像に比べて大きめに作られているわけではない。均整のとれた “その1” <http://blogs.yahoo.co.jp/sugafuto/38244274.html> の4体と比較すれば一目瞭然、うでが異様に長く引き延ばされているのがわかる。1体1体の像の間隔を広くとり、その空間をいかして腕に様々なポーズを付けることによって、ゆったりとした動きをつくり出している。

アンコール・ワットのデヴァターの浮彫は胸部あたりの背面を深く彫り、その周囲を徐々に浅くするのが常套手段だ。従って胴体と腕の辺りの彫りが深くなり、日光が当たると陰影のコントラストがそこだけ強くなるわけで、長い腕が目立ち、造形表現に於いて支配的となる。

ほとんど真上から日光が差し込むこの一帯では、足のように垂直方向の彫りは陰影が無く目立たなくなり、横方向、斜め方向でいろんなポーズをとる腕が目立つのも日光を演出効果としてとりいれた結果なのかもしれない。

そんなわけで下半身に動きが無くても腕の動きのある表現が強く影響し、群舞としてのスペクタクルを見る者に印象づけるのだろう。

また、これら5体の宝冠は、額を囲むティアラ状の部分が通常より下向きになっているのが特徴。この結果、画像のように暗い陰ができ、過剰装飾の頭部を引き締めるアクセントとなっている。これも日光が真上から強く当たることを想定した工夫なのだろうか。

それにしてもこうしたポーズのヴァリエーションは実際の舞の型を記したものなのだろうか、群舞なら皆が同時に同じポーズをとることも考えられるから、これらは異時同図として見ることもできるのかもしれない。

左端の1体は、腕のデフォルメもなくバランスが良い。また、頭飾のデザインも作風も違うが、ゆらゆらした形態が個性的で、右の5体の左への方向性を受け止める構図上の役割を果たしている。

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第二回廊の内庭側外壁のデヴァター群は、アンコールワット中最もダンサーらしい動的な像があることで知られ、画像が紹介されることも多い。特に平面図にあるような第二回廊西側の3つの塔門とその向かいにある2つの経蔵の壁面は、やはり人目につきやすいところだからなのか、質の高い作品が集中している。

内庭を飾るこれらの女神像群は、至近距離から眺めるための繊細な工芸的細工や、柔らかい光によって浮彫りになされる陰影のグラデーション効果を狙ったものではなく、直射日光によるコントラストを生かした動態表現を、数メートル離れた距離から眺めることを意図していたと考えられる。

第二回廊に囲まれたこの内庭は、大勢のデーヴァダーシー(寺院付の踊子)が踊りを披露する場所だったのかもしれない。


ここにあげた画像の4体もまた下半身は棒立ちのようだが、全体的には伸びやかな動きを感じさせる。左の2体は線対称の鏡像関係をそれぞれのポーズを変えることによって崩し、右の2体もまた並列した同じポーズに微妙に変化をつけることによって。優雅な動きを生み出している。

上画像は下の左2体のアップ。左のデヴァターの顔が固く口を閉ざしているのに対し、右の顔は口元が僅かに緩んでもう少し首も傾げることにより生動感を誘発している。こうした微妙に対象の崩れた表現になどを見ても、このエリアのデヴァターが他のエリアの女神像群より動態表現が高度に発達しているのがわかる。

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春信見立蝶類図譜 其の八「風流六歌仙 文屋康秀」春宵種(四月の雪)

 せいぜい6頭身半か7頭身の春信美人を、鳥居清長を凌ぐ9頭身美人にモディファイしました。秋風を歌った康秀の歌に、笹に雪柄の振袖で応えた春信。ここでは捻ってそれを春の雪ということに。まあ、9頭身に4月の雪と、どちらも珍しい物づくしということで……。そういえば、康秀は雪を白髪に喩えた春の歌でも知られていますね。 

プリンタ用紙は0.2㎜以上の厚手のものか、#130〜150の薄手ケント紙あたりが適当だと思います。

*懐中雑誌「ぱなし」四月号 <http://8012.teacup.com/tabinote/shop/01_01_012/>にも掲載されてます。

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“その1” <http://blogs.yahoo.co.jp/sugafuto/37928627.html> のようにユニークなファサードで知られるこの教会。でも、私がいたく気に入ってしまったのは堂内のキリスト像とマリア像の2体だ。

展示方法は、殺風景なショーウィンドウに造花を添えるだけという垢抜けないブティックのシチュエーションながら、キリストの額と頬をつたう血やマリアの瞳からこぼれる涙の繊細な表現。入念に仕上げられた悲劇的な表情と手振りが商業ディスプレイとは一線を画した芸術性を示し、悲劇のヒーロー、ヒロインとして聖なるオーラを放つ。

カテドラルの死せるキリスト像 <http://blogs.yahoo.co.jp/sugafuto/37676996.html> でも見られた長い眉と切れ長で大きな目を持つキッチュな様式は、近年の作風なのだろうか。遠くから見てもその表情がよくわかるので演劇的訴求力がある。ここ堂内では間近に見るためクサいくらいオーバーアクトだとしても、宗教行事で山車に載せられて町を練り歩く時に効力を発揮するのだろう。イエスの傷ましさとマリアの悲痛な表情に、みんなの信仰心は俄然盛り上がるわけだ。

これがイタリアルネサンス・バロック正統の大理石彫刻だったりすると、いくら芸術として優れていてもこうはいかない。単に“白い石像”で終わってしまう。これは像なんかではなく、眼前に現れた“イエスさま”であり“マリアさま”なんだろう。

磔の息子を見上げるマリアの左胸には、彼女の悲しみを象徴する剣に貫かれた心臓“汚れなき御心”の大型金属プレート(サントドミンゴ“その2” <http://blogs.yahoo.co.jp/sugafuto/37581826.html> の下画像にもある)が輝く。それにしても、マリアの肌の色がキリストに比べて血色が悪く、しかも指がややゴツいのは年齢の表現なのか、それとも単に作者が違うだけか(たぶん後者)。いずれにせよ、男性信者ならこのマリアを見て心揺さぶられるだろうし、女性信者ならこの少女マンガのように華奢なキリストを見て母性本能をくすぐられ、マリアの気持ちと一体化してしまうのかも知れない。


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